最後の駅の向こう

何でもすぐ忘れる人の特に記憶に残しておきたいライブの簡易レポートと趣味のレビューの予定。あくまで予定。

20161001/a flood of circle「A FLOOD OF CIRCUS大巡業2016」@新代田FEVER 簡易レポート

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今年結成10周年を迎えたフラッドの、今年2本目のツアーであり

11月23日に開催を控えている自主企画「A FLOOD OF CIRCUS」へと続く対バンツアー。東京は2日間、両日共にBenthamを迎えての公演。

まずは初日。翌日に30歳の誕生日を迎える佐々木さんにとっては、20代最後のライブ。

 

 

 

 

 

以下、セトリ・内容のネタバレを含みます

 

 

 

会場であるFEVERの入口は小さな旗が連なった飾りと、アルファベット型の風船で「A FLOOD OF CIRCUS」と綴られ、何となくサーカスっぽい装飾。会場で流れるBGMもサーカスを意識したような音楽(佐々木さんは「運動会みたい」と言っていた。TDLワールドバザール~プラザ辺りでかかってそうなやつ)

ステージには特製のバックドロップ、サーカスのテントの屋根に「A FLOOD OF CIRCUS」と書かれているとても可愛いデザイン。

 

 

 

Bentham

 

「こんばんは…あ、間違えた!おはようございますBenthamです!!」というMCにフラッドへの愛が早速感じられる。

何曲か演奏した後、

「Benthamの曲の中で、フラッドをパクったんじゃね?と言われている曲がありまして…今日はフラッドのファンの皆さんに本当に似ているのか判断して貰おうと思います!」

と言って自分たちの曲である「TONIGHT」を少し演奏…してからフラッドの「The Beautiful Monkeys」をそのまま1曲丸ごとカバー!あの荒々しい曲を見事な完成度で、そしてかなりの熱量で弾き切る

これにはBenthamを初めて観たであろうフラッドのファンも大盛り上がり。

この2曲、イントロのコード進行が全く一緒なんですね。TONIGHTは初めて聴いたけれど、イントロの部分は確かに似てました。笑

 

この日初めてBenthamのライブを観る人も恐らく多かったからなのか、ライブ中何度も客を煽りフロアを盛り上げていた彼ら。「手の鳴る方へ」では曲の途中でのコーラスの練習に加え、須田さんによる

「フラッドBentham大巡業!FEVER!!」

というコール&レスポンスで更に盛り上げる。

 

「今回のツアーで対バンするバンドの中で一番フラッドのライブを観ている」

と語っていたが、それもそのはずで先日行われたスペシャアプリの生配信でも言っていたけれど小関さんはバンドを組む前に、佐々木さんが通っていたスタジオで働いていたのでその頃からの付き合いだという事、またBenthamが結成された後、Bentham加入前の辻さんと佐々木さんが一緒にBenthamを観に行っていた程の仲で、いつかBenthamのライブにフラッドを呼びたいと思っていたら今回呼んでもらえたのでとても嬉しいと話していた。

 

 

Benthamのちゃんとした感想は2日目の方で書かせてもらおうと思いますが、音源やPVのポップな印象とは全然違う、とにかくその熱量とキレのある演奏にただ驚かされ、彼らへの印象が良い意味でガラッと変わった、そんなライブでした。

また、実は開場前にクロークに預けるために荷物をまとめていると、Benthamのリハが音漏れしていて、「The Beautiful Monkeys」聞こえちゃったんですよね。そうか今日カバーやるのか、と楽しみになった反面折角の見せ場を先に知ってしまった残念さがあったのですが、

本番ではただカバーするだけではなくひとネタ仕込んでくれていたおかげでそうきたか!と余計びっくりしたし、かえって楽しめた気がします。

 

 

 

 

 

a flood of circle

 

 

フェルディナン・グリフォン・サーカス

スカイウォーカー

ロックンロールバンド

Quiz Show

TONIGHT(Benthamカバー)

Sweet Home Battle Field

コインランドリー・ブルース

FLYER'S WALTZ

Blood Red Shoes

Dancing Zombiez

シーガル

ストライド

Diamond Rocks

BLUE

 

世界は君のもの

KIDS

 

佐々木さんが「サーカスへようこそ!」と言ってからの、フェルディナン。

そう言えばこのツアーにぴったりの曲もうあった!笑 ライブでは久し振りに聴いた気がします。

スカイウォーカー~ロックンロールバンドの流れで一気に勢いを付け、「次は何でしょう…」という佐々木さんの煽り。この辺りは先月のLOFTでのライブと全く同じなのでこの後の曲はすぐに分かったけれど、

Quiz Show大好きなので「次は何でしょう」と意味ありげに煽られた瞬間もうソワソワしてしまう。

以前はそのまま佐々木さんの「問題です」の一言が続いていたが、音源と同じようにカウントを始めるようになっている。

 

「マジで打ち合わせをしてなかった」という話を挟んで演奏されたのは、Benthamがフラッドのパクリだと言われる、と先程ネタにしていた「TONIGHT」のカバー!Benthamがあのネタを仕込んでいることを知らずにこの曲を練習してきたという事か。自分たちの曲とコードが近いから、カバーしやすかったのかな、などと勝手に考えてしまう。

 

 

今回のイベントの名前「A FLOOD OF CIRCUS」について

フラッドがシェルターに出始めていた頃に当時の店長である西村さんに可愛がってもらっていて、当時シェルターのライブで一緒だったbloodthirsty butchersの吉村さんがフラッドの事を「a flood of circus」だと勘違いしていて、でも大好きな先輩だったから、勘違いされて悔しいとかは思わなくて、今回タイトルにした、と。

そして今回の会場であるFEVERは、実は西村さんがシェルターを辞めた後に作ったライブハウスだという。

 

また自分たちは他のバンドのように地域密着型のフェスは開催できないから、それならもうフェスごと巡業してしまおう、と言うのが今回の“CRICUS”の由来でもあるという。目指しているのはロラパルーザ(アメリカで行われているツアー形式のフェス、らしい。今調べた。間違ってたらすいません)なのだそう。

 

 

Sweet Home Battle Fieldではいつものように佐々木さんがギターを置いてタンバリン片手に歌い、途中でタンバリンを無造作にテツさんの首にかけ、間奏が終わるとマイク片手に客たちの上へ。正座のような体勢で大勢の客に支えられながら、この日も手の届く範囲のお客さんの手を順番に握りながら歌う。

 

このライブで初めて告知された、11月23日に発売されるシングルの曲「FLYER'S WALTZ」を初披露。イントロはタイトル通りの3拍子で、その後は威勢のいい4拍子へ。

ここ最近の新曲は「青く塗れ」「BLUE」共に明るい感じの曲だったけど、この曲は「Blood Red Shoes」あたりを思い起こさせるような、魂を奮い立たせるようなナンバー。

だと思っていたら次の曲がBlood Red Shoesで良い流れだなーと。

 

しばらく定番曲が続いた後の「Diamond Rocks」には驚きました。加入直後から定番曲でなかったQuiz Showやコインランドリーを弾きこなすテツさん、この曲も既に出来るのか。個人的な話になりますが最近よく聴いていたのでこのタイミングで聴けるとは思わず、嬉しい。

 

アンコールでは「世界は君のもの」これも最近のセトリにはなかなか入らない曲で予想外過ぎて思わず嬉しい悲鳴を上げてしまう。

「太陽の子供たちに捧げる」と言ってからのこの日のラストはKIDS、最後の最後で盛り上がるしかないこの曲を入れてきた事に、明日もあるけど出し惜しみは一切しない、というフラッドの気合を感じた。

 

気合…と言えば、佐々木さんもめっちゃ気合入ってる、革ジャンに鋲打ってきたとか言ってた気がする…

お店のインスタで上がってたから多分それでしょうか。

見たこと無い革ジャンだなー ツアーに合わせて新調したのかな、なんて思いながらライブ観てたから何となく覚えている。

 

 

9月からサポートに入っているテツさん。個人的にはLOFTのライブに続き、この日がテツさん加入後2回目のライブだったけれど、入ったばかりとは思えないくらい既に馴染んでいるように見えました。

マーシャルのベースアンプ使ってるって…マーシャルってベースアンプ出してたんだそれよりベースアンプでギター鳴らしても大丈夫なんだ… そのお陰なのかは分かりませんがテツさんのギターの音はかなり大きくて、荒々しい歪み方で、またそれがとても素敵でフラッドの曲によく合う。

佐々木さんもライブ中ニコニコしながらテツさんの方を見ていたり、テツさんがソロ弾いてる時に拳で軽く突っつきながらちょっかい出していたり、ものすごくかわいがっているみたいだったので

過去最高のサポートギターだと思っていたキョウスケ君が抜けて不安だったけど、その不安を一瞬で払拭するような良いギタリストが入ってくれてよかったなと。このまま正式にメンバー入りしたらいいのに。

 

 

 

ツアー初日、そして小さい会場という事でいつも以上の熱気で、佐々木さんもその盛り上がりをみて嬉しそうに笑いながら何度も「最高!」と言っていた。

 

佐々木さんはBenthamについて、小関さんの話にもあったように彼らがバンドを始める前に出会ったこと、まだメンバーではなかった辻さんとBenthamのライブを観に行っていたこと、そして小関さんと須田さんは年下だけど、辻さんと鈴木さんは年上だからどういじったらいいか分からない、的な事を言っていました。笑

Benthamがどういうバンドなのかもよく分かったし、翌日はもっとすごいことになりそうと大いに期待をさせてくれたツアー初日でした。

 

2日目に続く

20160801/9mm Parabellum Bullet×KINOTO 15TH ANNIV! proudly presents“ジャイアン・メイデン”@渋谷club乙 簡易レポート

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今回は文字通りの「簡易」レポートです

MCほとんどうろ覚えです。合っているか自信がない

 

 

 

ライブハウス 渋谷乙 15周年おめでとうございます!!

 

15周年記念として開催されているたくさんのライブのひとつとして9㎜もワンマンをやることは告知されていました。

しかしライブ日程がなかなか発表されず。

7月16日にようやく発表された今回のライブは恐らく病み上がりの滝さんを考慮してか、ゲストを迎えての2マンという形に。

 

そのゲストが何とcinema staff

9mmとは残響レコードの先輩後輩として長い付き合いのバンド。(9mmは3年前に独立しましたが)

この2日後には乙でワンマンをやるシネマ。

そしてOAとして発表された謎の「9mm staff」の表記…

 

タイトルの「ジャイアン・メイデン」を名付けたのはかみじょうさんらしい。久野さん(だったかな?)から「ネーミングオブザイヤー」と褒め称えられていました。ジャイアンとは乙の店長・じゃいあんさんのこと。じゃいあんさんは本当は「菅原さん」なのだそうです。

 

 

 

最初にステージ上に用意されていたのがシネマの機材に加えアコギが2本。

開演を少し過ぎたころ、ステージに登場したのは卓郎さんと飯田さん。9mm staffとはこのお二人でした。

お二人が登場するとフロアの押しがいきなり起こり、少しびっくりした様子のお二人がフロアの心配をする。ここはゆったり観るところだよ(笑)というような感じで。

 

 

◎9mm staff

 氷の世界

 バラ色の日々

 

卓郎さんの弾き語りでお馴染みの氷の世界は、飯田さんがこういう歌謡曲的なメロディーを歌っているのが何だか新鮮で。

 

卓「9mm staffって言うとこの中の何人かは本当にスタッフが歌うんじゃないかって思ったんじゃない?そう思われたらもうしてやったりだよね」

飯「もう歌わなくてもいい」

卓「(シネマはゲストだから)ゲストスタッフだねって。それただの関係者だから(笑)ステージに上がらないでーってなる」

と、そんな感じのやりとりをしていたと思いますが、勝手知ったる仲だからかMCも終始和やか。

私も9mm staffって9mmマネージャーの某どすこい氏が歌うと思いましたから…

 

「9mmは乙には2005年頃から出ている」と卓郎さんが言うと、飯田さんも、シネマも乙には前から出ているけどいつから出てたか調べていなかったらしく「たぶん2005年くらい」と濁し、卓郎さんに「その頃まだ岐阜…名古屋?にいたでしょ」と言われる。

 

バラ色の日々、卓郎さんの歌声がイエモン独特のメロディーに本当に合うなあと思いながら聴いていました。

 

長身の卓郎さんと並んだ飯田さんが、卓郎さんとほぼ同じくらいの身長に見えたのが意外。

自分たちは「9mm staffなんて余興の名前(笑)」なんて言っていたけど、とても余興なんて呼べない贅沢なひと時でした。

弾き語りで聴くと、言わずもがな分かりきっていることではあるけど改めて飯田さん…何て美声なんだ…。

外食みたいに、たまにこのお二人でイベントに出て頂きたい。

 

 

 

続いてはcinema staff

初めて間近でシネマの機材を見て、辻さんのボードの大きさに驚く。滝さんと変わらないくらい?

 

cinema staff

 望郷

 theme of us

 希望の残骸

 Talking Machine(9mmカバー)

 great escape

 西南西の虹

 

ウィーダスン、9mmのバタリアンTシャツで登場。

 

1曲目から所狭しと暴れ回り柵にも登る辻さん。

MCから察するにシネマファンが少ないと踏んだのか、定番曲中心のセトリ。

 

久野さん、客席に向かって

「暑いですねー」

「よくチケット取れましたねーおめでとうございます!」

 

飯田さんが、シネマは調べたら2007年から乙に出ていると、先程のMCを補足。

当時の思い出話で、東京の人は冷たいと思っていたので岐阜の人みたいに優しい、東京にこんなにビール奢ってくれる人がいるなんて、と。

9mmから今回のライブの話が来たのが何と2週間前で、丁度スケジュールが空いていたので快諾したという。「8月1日に「やります」」と食い気味で答えたそう。確かその時だったと思うけど、卓郎さんがステージ袖から出てきてMC聞いてた。

 

今回のライブに誘ってくれた9mmに何が返せるか?と「2週間寝ずに考えて(笑)曲で返そうと。カバーやります」

と三島さん。まさかあれをやるのか…と構えているとDVDでしか聴いたことのないあのイントロが…

 

 

 

 

シネマのトーキン来た!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

「望郷」初回盤のDVDに収録されている、9mmの大定番曲Talking Machineのカバー!!!!!!

 

淡い期待が無かったとは言わないけれど、目の前で聴ける時が来るなんて…!!

 

原曲よりもクール?でシュッとしたアレンジに飯田さんの声が合う。間奏のあのリフをギターとベース重ねて弾くのが堪らなくかっこいい。完全にシネマの曲になっている。これがなかなか聴けないなんて勿体無いから、普段のライブのレパートリーに加えて欲しい…!

 

great escape→西南西の流れで更に押しが強くなり上がる手が増えるフロア、そして西南西では辻さんがギター置いてダイブしたり、三島さんもベースごと降ってきたりと、メンバーのテンションもだいぶ上がりまくって自分たちの出番を締める。(三島さんがベースごとダイブしてきた時には、下手したらネック折れるんじゃないかと思ってすごい心配になってしまったけど、大丈夫でした。よかった。)

 

 

 

転換が挟まり9mmの機材が次々と登場。

ドラムはスネア替えたりチャイナ追加したりしつつ、セットは変えない。かみじょうさん、PHXじゃないのね。スペース的に無理だったのか。

滝さん側にはいつものメサブギーと大きなボードに加え小さなシンセと、シンセ用マイク。

ステージ後方、ドラムセット横にもうひとつボード。滝さん復帰後から加わっているサポートの武田さん(HEREのGt)のスペースが出来上がる。アンプは見えなかった…何を使ってたんだろうか。

卓郎さんのマーシャルはベースアンプの右側に。

ベースアンプは三島さんの時からヘッドだけ変えた仕様で、和彦さんのボードとマイクは壁側ギリギリの位置に置かれる。

 

 

9mm Parabellum Bullet

 インフェルノ

 Discommunication(滝シンセ)

 Vampiregirl(滝シンセ)

 Answer And Answer

 新しい光

 Black Machine Blues(滝シンセ)

 生命のワルツ(滝シンセ)

 

卓郎さんはシネマの新しいTシャツを着て登場。

 

1曲目は最新シングル、インフェルノ 滝さん、あのイントロのタッピングができるくらい回復されたのですね…!といきなり嬉しくなる。

ディスコミュでは突然ドラム以外の楽器の音が全て止まり、さすがに中断。乙のブレーカーが落ちたらしい。

和彦さんが卓郎さんに何か耳打ちした後、卓郎さんが「今からみんなにペダル漕いでもらって…(自家発電のイメージか)」「今入った情報によると少しずつ復旧してるようですねー」などとのんびり話しながら繋ぐ。

 

割と直ぐに復旧し「もう一回インフェルノから…はやらないけど(笑)」とディスコミュからライブ再開。

 

滝さんはディスコミュ中断の時に直ぐ裏に引っ込んでしまったり、小まめに酸素補給をしたり、スペースの狭さのせいかもしれないけれど普段の半分くらいの動きで弾いたり、無理しないように気をつけているように見えた。でも時折元気よく両手を上げたり、いつもみたいに前に出てギター弾いてる姿も見られてひと安心。

 

その分?和彦さんが壁を蹴って勢いをつけたり、狭いスペースを目一杯使って暴れていて、あとは曲の途中など、ピックをやたら投げていたり。卓郎さんも前に出たり、下手に来てくれたりしました。

 

短いセトリではあったけど、卓郎さんが途中で仰っていた「インフェルノの歌詞にあるみたいに命を燃やし尽くすようなライブをする」という言葉通り、今の9㎜が出せる限りの全力を尽くしたライブ。

 

サポートの武田さんは、普段HEREでは割と派手に動きながらギターを弾く人ですが今回は後方で黙々とサポートに徹していました。2年前の滝さん骨折時にも助けてくれたので(そして9mmモバイル会員)これまた安心でした。武田さんありがとうございます。

武田さんが入ると「10mm Parabellum Bullet」になるという話を以前していたようですね。

武田さんは残響レコード所属・名古屋の暴れインストバンドmudy on the 昨晩のサポートもしてくれてましたからね。残響とも縁深い人です。

 

 

 

アンコールは無く、最後に乙の店長・じゃいあんさんが少し挨拶をしてイベントが終了。

150人キャパの乙に170人詰め込んだってよ。そりゃ暑いよ(笑)でもそのおかげで観られる人が増えたんだから(自分も含むであろう)その対応にも感謝です。

どっちのバンドのMCだったか失念しましたが、イベントに合わせセンター街でメイデンのTシャツを買ってくるもジャパンツアー的なTシャツを買ってきてしまったと。確かにじゃいあんさんの背中には「MAIDEN JAPAN」と書いてありました。笑

9mmのお客さんが5人くらいの時からライブを観ていて、9mmはその後多くの人に知ってもらえたけど、ライブハウスに出ている人達の中には、いいバンドだけどまだ知られていない人達がいるから、観に来て欲しいと仰っていました。そう言われてみれば、箱のイベントに行く機会もかなり減ったので気が向いたら観に行くのもいいかもと思わされる。

 

 

 

この次の日にはPeople In The Box、その次はシネマのワンマンが行われていて、どちらもかなりレアなセトリだったようです。滝さんのことが無ければこの日はきっと9mmのワンマンで、もし予定通りなら馴染みのライブハウスという事でレア曲祭りになってたのではないか、と考えると少しだけ残念に思うところはあります。

 

しかしまたステージに立てるようになった滝さんを見届けられたこと、馴染みのライブハウスで楽しそうに演奏する9mmメンバー、そして何より一度は観たかったシネマとの対バンを観ることができた嬉しさはそれ以上に大きかったです。

 

シネマは6月のワンマンにも行けなかったのでライブハウスで観るのが久し振りで、大きい場所だといい意味でゆったり聴けるバンドだけど今回はセトリも熱くてあんなに盛り上がって、三島さん辻さんが至近距離で暴れ倒すのにも圧倒され、カバー以外は定番曲だったから賛否あるかもしれないけど個人的にはかなり良いと思った。シネマ…かっこいいな…と。

 

卓郎さんと飯田さん共通の、ライブではお馴染みのやつ、

「いけるかあああああああーーーー!!!!!!!」

が続けて聴けたのもとても嬉しい。

 

 

今回がはじめての乙でした。

シネマは自分たちのファンが少ないのではないか的なことを言ってたけど、シネマも9mmも両方好き、というお客さんがほとんどだったように思えた。だからもっと大きな箱でもまた対バンしてくれたら嬉しいな。

 

感無量の2マンでした。

ありがとうございました。

 

 

 

20160709/9mm Parabellum Bullet TOUR 2016“太陽が欲しいだけ”改め 菅原卓郎・中村和彦・かみじょうちひろ アコースティックライブ@長野CLUB JUNK BOX 簡易レポート

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4月にリリースされたアルバム「Waltz on Life Line」を引っ提げ、ツアーを開催している…はずだった9mm。

しかし6月の野音ワンマンからの滝さんの腕の不調により、ツアー6月・7月公演の中止を余儀なくされてしまいました。中止になった日程は代わりにアコースティックライブを開催、6月の公演は卓郎さんと和彦さんのふたりで廻り、7月はかみじょうさんも加わって3人で廻ると、公式で発表があった通り。

 

以下、セトリ・MCのネタバレを含みます。

 

 

 

 

長野と言えばかみじょうちひろさんの地元。ということで和彦さんのように地元だからMCもするのかな?という期待が大いにありましたが…。

 

会場にはほぼ満員と言っていい程のお客さん。開演まで割と静かなBGMが流れ、お馴染みの登場SE・Digital Hardcoreが流れる事もなく、少しBGMの音量が大きくなり客電が徐に落とされメンバーが登場。

(後で卓郎さんが話していたけど今回のBGMはレディオヘッドレッチリの新譜を交互にかけているとのこと)

 

 

The Revolutionary

黒い森の旅人

氷の世界

Lady Rainy

太陽が欲しいだけ

Black Market Blues

 

(teenage)Disaster

 

 

曲を演奏する前に、滝さんに関しては今発表されている事がメンバーも分かっている事の全てだと話す卓郎さん。今まで何度も指が攣ってきたことも原因があるかもしれないから検査をしている、と。

卓「これまではおれと和彦の東北コンビで廻ってきたけど、今日から長野さん(かみじょうさん)が加わったから。今日から北国トリオで(笑)9㎜ではないけど、9㎜の歌は届けられるから来ました」

卓郎さん曰く「長野」と書いて「かみじょう」と読むらしい。

 

 

1曲目は弾き語りやアコースティックライブでは最早、定番となっているカントリー調の元気なアレンジでThe Revolutionary。

このアレンジと言えば卓郎さんの吹くハーモニカ…ですが曲が終わると卓郎さんから何と今日ハーモニカを忘れたというまさかの告白が。

スタジオから帰る時に、普段はギターケースに入れるハーモニカをバッグに入れてしまったこと、忘れないように…と荷造りしていて、荷物のそばに無かったからちゃんと入れたと思いきや入ってなかったと。

マネージャーさんが楽器屋に買いに行くことで何とかなったそうで。

卓「ハーモニカが2種類売っていて、マネージャーからどっちにしますかって写真が送られてきて。それであっ…安い方で…って。あ、お金払ってない(笑)」

「なかなかハーモニカ来ないからそしたらサライでも歌うかって(笑)」

卓「その後目薬を刺そうと…突き刺そうと(笑)して目薬を出そうとしたら…これですよ(忘れたはずのハーモニカを掲げながら)」

荷物にちゃんと入ってたんですね…。笑

 

 

「青森では「青い森の旅人」でやったけど…今ので何の曲か分かるよね(笑)長野も森が多いけど「長野の森の旅人」でやるわけにもいかないから」という前置きからの黒い森。先月の野音では卓郎さんひとりで歌った曲。メロディーの美しさがアコースティックサウンドに合っていて、今回はリズム隊がいるから音の重さが良い感じに加わって更に素敵です。

 

先日、NHKの番組「The Covers」に出たことにも触れ、番組内で披露した「氷の世界」を。

最近の弾き語りでは必ずと言っていい程披露されていて、すっかり卓郎さんの持ち歌のように馴染んでいる。

 

卓郎さんのデモが弾き語り状態で、ハイハットがここで開けたり…閉めたり…(「いやハイハットってそういう楽器だから(笑)」という突っ込みが入り、かみじょうさんがハイハットを鳴らす)ベースは中村さん…お願いします…とコードだけ伝えて丸投げ、ギターもアルペジオみたいな感じで、とほぼ丸投げだったという話からのLady Rainyはリズム隊が至ってシンプルなアレンジで歌を引き立たせているようで、やはりアコースティックでやるのがぴったりな曲。

卓郎さんは自らの丸投げプロデュースを「リックルービン(レッチリのプロデューサー)みたいに、こうしろって言わないで好きなようにやらせる」方式で、と例える。リックルービンさんは、マキシマムザ亮君を倍にしたような見た目の方だそうです。

 

 

他の会場のセットリストがもうネットなどに流れている、だから1曲追加するというようなことを言って演奏された太陽が欲しいだけ は、スウィングのような少し跳ねたリズムのアレンジ。原曲の圧倒的なエネルギーが無いかわりに、じわじわとあたたかくなるような優しさを感じるような曲調に。

まさかこの曲をアコースティックでやってしまうとは想像もできなかっただけに、しかもこの公演で初披露という事でこれは嬉しい限り。

 

アレンジを考えるにあたって、Discommunicationのように3拍子でやったらどうかと、マネージャーさんから提案があり、やってみたけどしっくり来なかったという裏話が。(ここで少しだけDiscommunication披露)3拍子バージョンも歌ってくれたけど、卓郎さん曰く「長渕みたい」な変なインパクトのある感じになってました。終わりたくなくなるんだって、楽しそうに歌ってたけど。「たいよーうがほしーいだけー」みたいな感じでした。

それを見た和彦さん、爆笑。「楽屋でやってたの思い出して…あれやる気だ!って(笑)」

 

 

ここで20日にリリースされる新曲「インフェルノ」の話へ。

卓郎ちひろでアニメ誌のインタビューを受けるにあたり、参考にしようと滝さんが受けたインタビューを読んでみたら、この曲を伸ばしてしまう事は“濃厚なとんこつラーメンを水で薄めてしまうようなものだ”と言っていてああなるほど、と思ったそうです。まさかインフェルノのアコースティックやるのか!?と一瞬思ったけどさすがにそれはなかった。

 

最後はもうすっかりお馴染みになったBMBのアコースティック。ただ長野ではアコースティックライブは初めてのため、客にリフを歌わせるという説明のところでどよめきと笑いが起こる。

「最後にやる事が増えたよ(笑)」とお客さんを煽る卓郎さん。

普段のライブよりは控えめだけど恒例の「いけるかーーー!!!?」もここで。

お客さんがリフを歌ってる時にかみじょうさんが何か言ってたけど残念ながら聴き取れず…。

当たり前だけどアコースティックだと客席も落ち着きがちになる。そこに合唱や手拍子が入るこの曲が来ると会場がひとつになって盛り上がるから、ライブを熱く楽しく締めるためにアコースティックの時にはこの曲が欠かせない。

 

 

アンコールで出てきた卓郎さん。長野県歌「信濃の国」の一節を歌うと客席がすかさず大合唱。卓郎さんは「(歌詞の)善光寺~」の部分が好きなんだよ、と。

本編で喋りすぎてこの時点で10分押していたそうです(笑)

卓郎さん「忘れ物番長のおれが言うのもあれだけど、今日のチケットはなくさないように持っていてください。失くさないようにずっと握ってるのはダメだよ。親に預けるのもね。捨てちゃったわよってなるから(笑)」

アンコールはこれもまさかの(teenage)Disaster、普段の9mmライブでも聴ける機会が減ってしまっただけにびっくり。そう言えばMTVアンプラグドでやってたっけ。

 

本編終了後と、アンコールが終わって退場する前にいつものように何度も客席に向かって手を上げ、笑顔で客席を見渡し、マイクを通さずに「ありがとう!」と叫ぶ卓郎さん。和彦さんもピックを投げたり、アンコール後は(よく見えなかったけれど)かみじょうさんも前に出てきて何かやっていて、客席から笑いが起きていた。

 

 

 

アンコール含め僅か7曲。でもライブは1時間20分くらい。

1曲終わる毎に卓郎さんのワンダーなMCが始まり、9mmライブでは仙台でしか喋らない和彦さんがたくさん喋り(東北コンビの弾き語りでは喋るけど)更に今回はかみじょうさんも加わって3人でゆるいトークが繰り広げられ…と普段では絶対に観られない光景が。

あまりにもトークが長く、覚えていられないくらいの量だったので記憶にある限りで書いていきます。順不同。ちょっと違ってたらすいません。これでも多分いくつか忘れている

 

 

ライブ序盤は卓郎さんに話を振られても何故か口笛で返していたかみじょうさん。何度も話しかれられ、

ち「俺、口笛キャラでやろうと思ったのにー」

卓「じゃあブログも口笛でやりなよ」

ち「イタい人だと思われるじゃん」

 

話が脱線しまくりグダグダになる中、かみじょうさんが「早くライブやろうよー!」というようなことを言っていた気がする。何とか脱線しているのを戻そうとするリーダー。

 

 

卓「おれ、長野に着いてから頭が痛くて…たぶん高山病だと思うんだけど」「長野は標高高いでしょ?おれたちみたいに東京で這いつくばってる人からしたら高いよね(笑)」

卓「かみじょう君の地元は何m?」

ち「860mくらい」

卓「ほら、スカイツリーよりも高いんだよ?(笑)」

ちなみに卓郎さんは高山病だと思っているけど、高山病については「岳」という漫画で読んだ知識だけらしい。高山病って頭痛くなるんでしょ?程度の説明。この時だったかインフェルノのくだりだったか忘れましたが卓郎さん曰く和彦さんはそんなに漫画読まないそうです。

 

前述のハーモニカの話と、“ツアー中に2回くらいサングラスを忘れる”エピソードからの、卓郎さん。

卓「(忘れ物が多いので)そそっかしくてね…サザエさんと同じ病気かも」

和「サザエさんは病気じゃないから(笑)」

 

長野トーク

◎かみじょうさん予備校の友達と夏の上高地に行って、清流の中にパンイチで飛び込んだけど水温が2~3度しかなかったらしい。

ち「上高地はあれだよ…やべえよ」

ち「生まれてきたことを後悔するぜっ!」

卓「(清流の話を聞いて)それやっていいの?」

ち「一応…国立公園に指定…?されてるから良くない…と思う」

 

◎和彦さんがかみじょうさんに、かみじょうさんプロデュースの曲「火祭り」が地元・長野の祭りがモチーフになっている話を振る。

卓「?あ、プロデュースね。プロレスに聴こえた(笑)」

ち「長野は(大きいから)北信、中信、南信ってなってて、あれは南信の文化だからここにいる人たちはおおーってならないよ。折角話振ってくれたのにごめんな和彦お前良いやつだな後でビール奢ってやんよモルツ?琥珀エビスか?」(銘柄うろ覚え)

 

◎長野出身の元9㎜スタッフさんの話

そのスタッフさんの話を聞いているうちに、長野のローカルCMの曲を覚えてしまったメンバー。

スタッフさんは酔っぱらうとその曲を振り付きで歌い始めるそうです、という話。

何のCMソングなのだろうか…。

 

◎Gjallarhornのリリースツアーで、松本でライブをした時の事。

卓郎さんと滝さんは大学の卒業がかかった試験の直後で「もし(試験がダメで)追試になるようなことがあれば俺東京に帰る」と大変心配していた滝さん。泊めてもらっていたかみじょう家で、弟さんのパソコンを借りて確認していたらしい。結局大丈夫で、滝さんは大喜びだったと。卓郎さんは8割方大丈夫だと思い込んでいて、そんなに深刻に考えていなかったそう。

名付けて“滝くん危機一髪”

卓「おれと滝がダメな学生で、ここの二人(和彦ちひろ)が優秀で」

ち「お前本当ひどかったよな(笑)」

卓「滝とおれは同じ学部だったからノート貸し借りしたりね」

ちなみにかみじょうさんの同期には、なかなか卒業できなくてかみじょうさんと一緒に入学したのに3つ下の和彦さんと同じタイミングで卒業した人がいたという話が。(かみじょうさんは大学院に進んだので6年で卒業して、その人は8年かかって卒業したという話)

 

メンバーの実家のもてなし話

以前はツアーの時にはメンバーの実家に泊まることが多かった9㎜。どの家でもメンバーは手厚くもてなされるようで、長野のかみじょう家では大量の野沢菜を振る舞われた。

卓「見たこともない野沢菜の量で(笑)」

和「一家にこんなに野沢菜あるんだ…って(笑)」

(誰が言ったか忘れた)「地獄のもてなしを…」

ち「生まれてきたことを後悔させてやるよっ!」

また仙台の中村家では打ち上げ後、深夜に帰宅したら和彦さんのお母様が御馳走を用意して待っていたらしい。

和「母ちゃんにもう帰って寝るだけだからって言っといたんだけど」

和彦母「何飲む?(プシュッ)」と出迎えて答えも聞かず缶を開けていたそう。

というのも和彦さんにとって9mmメンバーは大学の先輩であり、親御さんにとっては「息子の大学の先輩が来る!」という状況であったためだという。

 

 

3人のグダグダなトークを聞いていたら、かつてDVDの副音声でメンバー全員でトークやってた事を思い出した。

今ではメンバー全員でインタビューを受けたり、プロモーションをすることが非常に稀になってしまったので数年前までは当たり前のように見聞きしていた光景に近いものがまた観られるなんて、何年経ってもやっぱりもの凄く仲良いんだな、と非常に嬉しかったです。

…なんて冷静に振り返っているけど、本当に面白すぎて。東北コンビは弾き語りでは喋るけど、かみじょうさんがこんなに饒舌に喋ってるところを生で観られるなんて!貴重か!こんなに面白いんだったら普段のライブでもみんなで喋ってよ!!って思ってしまう。トークの部分だけでもCDに収録してリリースして欲しいくらい。笑

 

 

ツアー中止が発表されて、もちろん残念ではあったけどその直後にアコースティックやると告知があって。

卓郎さんがブログで「これは9mmのツアーではないけれど9mmの歌は届けられる」「もしよければアコースティックライブを観に来てください。楽しませます」と言ってくれたこと、直前で卓郎さん&和彦さんにかみじょうさんも加わってアコースティックやるという初めての編成になることが発表されて、これはこれで純粋に楽しみになった。

まだ完全に中止になるか振替公演ができるか分からないから、チケットがある人はフリーで観てください、チケットは回収しません(ドリンク代すら取られなかった)という対応。

そしてライブではアルバムの曲を早くもアコースティックで聴かせてくれたこと、できる曲が少ないから、たっぷりのトークで大いに楽しませてくれたこと。

ライブを観ていたら不思議なもので、滝さんがいないのにあのリフやコーラスが聴こえるような気がして(曲に合わせて勝手に脳内再生でもしていたと思われる)やっぱり寂しさはあったけど、卓郎さんの言っていた通り物事を良い方に考えるなら、普段なら絶対に観られない特別なライブを観ることが出来た。

メンバーとスタッフの皆様の心遣いのおかげで何ヶ月も前から楽しみにしていたこの日を本当に楽しく過ごせました。

 

 

 

信濃の国

すいません、知らなかったので帰ってから調べました。長野県歌なのですね。

昨日集まった長野県民の皆様、地元の県歌を歌えるなんて素晴らしい…と客席の大合唱を思い出して感動してしまった東京都民です。


信濃の国合唱 歌詞と解説付き

20160619/9mm Parabellum Bullet LIVE 2016 Waltz on Life Line@日比谷野外大音楽堂 簡易レポート

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9mm Parabellum Bullet、8年振りの日比谷野音ワンマン

                                                                  

最新アルバム「Waltz on Life Line」(以下WOLL)リリースを記念した、アルバム名を冠したライブ。

 

前回の野音ワンマンも観に行きましたが、チケットが立見しか取れずステージがほとんど見えないという楽しかったけど少し残念な結果だったので、モバイル先行でちゃんと指定席を確保できた今回は個人的には8年前のリベンジのつもりでもありました。

 

なのでこのライブが、今年一番大切で一番楽しみにしていたライブなのです。

 

という訳で非常に楽しみにしていた反面、雨バンドが梅雨の時期に野外でライブですか…と心配していたら案の定朝から曇天、更に楽器のサウンドチェックが始まった途端に小雨が降ってくるという、雨バンドの本気?を発揮していましたがライブ中はずっと雨止んでました。直前に買った雨合羽が無駄な出費になって本当に良かったです。

 

入場するとフライヤーと一緒にサイリウムのブレスレットが4色 (WOLL初回盤に入っているフィルムと同じ赤、青、黄、緑)の中からランダムでひとつ渡されました。如何にも特別なライブ、といった感じで嬉しい演出です。

バックドロップが掲げられていない、装飾もないシンプルなステージには通常の3倍の量のアンプが並び、普段より高い所にかみじょうさんの青い要塞・PHX。バスドラのヘッドが以前は白地に黒いロゴが刻まれていたのが、黒字に金ロゴに変わっていました。メサブギーの前には白いウルトラトーンが用意されていて、あー1曲目ワルツだな、と。

開演時刻を少し過ぎたころ、野外なので客電落ちなどもなくいきなりお馴染みのSEが爆音で流され、アルバムジャケットの巨大なバックドロップが徐に上がり、メンバーが順番に登場しライブが幕を開けました。もうこの時点でまず感極まる。

 

  1. 生命のワルツ
  2. Lost!!
  3. Discommunication
  4. Mad Pierrot
  5. 誰も知らない
  6. ロンリーボーイ
  7. モーニングベル
  8. Kaleidoscope
  9. Lady Rainy
  10. The Revolutionary(菅原卓郎弾き語り)

(ストレイテナー「シーグラス」少し/菅原卓郎弾き語り)

  1. 黒い森の旅人(菅原卓郎弾き語り)
  2. インフェルノ
  3. 火祭り
  4. Black Market Blues
  5. スタンドバイミー
  6. 太陽が欲しいだけ
  7. ハートに火をつけて
  8. 反逆のマーチ
  9. 新しい光

 

En.Lovecall From The World

 

やはり1曲目は生命のワルツ。普段と違って静かなイントロは音源を流していたかと思われる。開放的な野外で、あの炸裂イントロが鳴った瞬間のワクワク感。

続いてアルバムの順番通りLost!! リリース前から散々ライブで披露していたので早くも盛り上がる客席。

更に言わずもがなの定番曲Discommunicationが続き序盤とは思えないくらいの盛り上がり。

 

Mad Pierrotからは7曲連続でWOLL収録曲を。

アルバムのボリュームが過去最大であること(ライブ音源を除く)、これからアルバムの世界に浸ってもらうので、と前置きして湖。音源の印象通りのキリッとした曲。静かになるCメロでの淡い照明が湖畔を連想させる感じ。

ライブで聴くのを特に楽しみにしていたモーニングベル、ギターの音がとにかく元気でタッピングも華麗で期待以上の楽しさ!「あれがしたいな これもしたいな」という歌詞がこのバンドと曲調に全く似つかわしくない可愛らしさ。多重コーラスの部分は滝さんがひとりで歌っててちょっと寂しかったから、回数を重ねたら客が二手に分かれてコーラスしたら面白いんじゃないかな?

Kaleidoscopeでのステージ上を万華鏡を模したような円い照明は大きいステージならでは。変拍子が複雑な曲だけに華やかだけど演奏はやっぱり大変そう。

 

Lady Rainyは雨をイメージした照明(天井近くから縦線状に並べたLEDの点滅とステージの壁に円をランダムで写した雨粒のようなライト)とどんよりした天気がとても良い雰囲気、といった感じで卓郎さんの歌声が伸びやかに響いてとても素敵…

…だったのですがこの曲で滝さんに異変が。曲の途中から全くギターを弾かなくなってしまい、少し体を折り曲げて辛そうな様子。遠目から見ると胸あたりを押さえているように見えて内臓に何かあったのかととても怖かったです…。

 

次の曲のために卓郎さんがアコギを用意するも滝さんは一旦退場してしまい、

最近弾き語りをすることが増えた卓郎さんは「(アコギは)普段の楽器とは全然違うんだよ。ね、カズちゃん」と今まで聞いたこともない呼び方で和彦さんに話を振る。和彦さん、当然びっくり。笑

「弾き語りはおれたち2人でやったりするんだけど…井上陽水奥田民生?」とワンダーなMCが飛び出てきて和む会場。

「前回の野音ではアコギを使ったのに音が少ししか出ていなかった。でも観に来ていた滝のお父さんにアコギ良かったねと言われた(笑)」と卓郎さんが思い出話で繋ぐが、どうやら滝さんの回復に時間が掛かるようで急遽卓郎さんが弾き語りをすることに。和彦さんとかみじょうさんも一旦退場、それを見て えっ2人とも引っ込んじゃうの?という反応と「友よ…」と呟く卓郎さん。

1曲目は弾き語りではお馴染みのThe Revolutionary 今回は2種類あるアレンジのうち、元気な方ではなくゆったりしっとりしたアレンジの方。

「滝は今、体のネジを一旦全部ゆるめて、また締め直しているんだよ」という感じだったと思うけど、卓郎さんからの抽象的な説明が入る。

それでもまだ時間が要るようで、「おれ、何が出来たんだっけ?」とのんびり呟きながらストレイテナーの「シーグラス」を歌いだすも途中で分からなくなってしまい「今年最後の海へ行くまでには弾けるようにしておく」と言い、次は客席前方からリクエストの出た黒い森を「それナイスだね!」と言い、採用。

周りを木々に囲まれ、薄暗くなってきた会場にとても合っていて本当に相応しいリクエストでした。

それも終わってしまうと卓郎さんも「おれもネジ締めてくるね」と言って退場、予定外の休憩タイムへ。

卓郎さん、「二部構成のライブ、SPECIAL OTHERSみたい」と言ってた。

 

しばらくしてメンバーが再び出てくる。滝さんは手を合わせて謝るようなしぐさを客席に向かって。

 

続いてはアニメ「ベルセルク」オープニングテーマで来月発売の新曲、インフェルノ 何とOPの長さに合わせ90秒という短さ。威勢の良いタッピングで始まる3拍子の爆裂メタルナンバーといった曲で、卓郎さんがMCよりも短いと言っていた通りあっという間。でも短い中でも曲展開がはっきりしているのは流石。

ノリの良さで再び客席が盛り上がる火祭りでは滝さんが辛そうにしながらも間奏の途中でちゃんとライター奏法を。先日ラママで見た時のように終わったら元気よくライターを投げることもできず、その場に落としてやっとピックに持ち替える。

 

WOLLについて「作っている途中ではとても迷いがあった」と正直に述べつつ「この曲はデモテープを聴いた時から…実際にテープを使ってる訳じゃないけど(笑)…景色がすぐに浮かんだ」と言ってからのスタンドバイミー もうこの時には暗くなっていて、相変わらず厚い雲に覆われていたけどやっぱり野外がとても合う曲。間奏やアウトロでは照明が大方点いてぱっと明るくなって、開放的なギターソロにぴったりで、この曲の優しい雰囲気が目に見える形で表現されているようでそれはもう美しくて感動的な光景で。

それに続く太陽が欲しいだけ がやはり圧巻で。音源でもスタンドバイミー→太陽が欲しいだけ の流れは感極まるところでありますが、実際ライブで聴いた時の圧倒的な感動は一体どうやって文字で表現すればいいんでしょうか…どうしても「感動」という言葉を使うと薄っぺらく聞こえてしまう…主観ですけどこの2曲に救済と優しさと希望のイメージが色濃く出ていて、魂が揺さぶられるとはこのことか、と。感極まるあまりステージをほとんど観ることが出来ず、メンバーの様子がちゃんと観られなかった。

 

卓郎さんがMCで「音楽は魂の栄養だと思う」「どんなに恵まれていても心のどこかに、真っ黒いものがある」「それを消してくれるのが音楽なんじゃないか」と言ってて、(とても良い事をおっしゃっていたのにうろ覚えですみません)確か太陽が欲しいだけの前だったと思うけど。本当にその通りだよ9年弱聴いてきてどれだけ貴方たちの音楽と言葉に救われてきたか、と思いながら聴いてたら込み上げてくるものが止まらなくなってしまった。

ライブから1日経った今でも、こうして思い出しながら書いていると目頭が熱くなります。

 

Black Market Bluesの前にはフロント3人が退場し、かみじょうさんのドラムソロ。やっぱり野音でもやりました。相変わらず華のあるドラミングには見惚れる。

ハートに火をつけて では普段よりも間奏を長くし、見事なソロ回しを披露。このアレンジでレコーディングし直して音源にして欲しいくらい、かっこいい。

本編ラストは反逆のマーチ→新しい光と、なかなか珍しい流れ。

 

 

本編が終わり、アンコールがあるのか心配していたけどアナウンスも特になく、待っているとメンバーが登場。

本編ラストでまた会おう、といったことに対して「また会おうというのはアンコールで、って事じゃなくてまたどこかのライブ会場で会おうってこと。約束したぜ?」と。

きっとこれならできる、ということであろうLovecall From The World(49秒のショートナンバー)だけど演奏は鬼気迫るものがあり、アウトロでシャウトするべき和彦さんはアンプの上に乗っかって大いに盛り上げていました。とても良いしめくくりでした。滝さんはまた何度も、客席に向かって手を合わせ謝るようなしぐさを見せながら退場、卓郎さんはいつものように長々と客席に向かって手を上げたり、笑顔を見せて最後にマイクを通さずありったけの声で「ありがとう!」と叫んで退場。

 

 

開場時に配られたサイリウムのブレスレット、卓郎さんのMCで照明を少し落としてみんな手を掲げてみましたが、後で9mm公式が上げていた写真を見ると本当に綺麗な光景でした。ちゃんとアルバム名が入っていて、記念に手元に残るのでより嬉しいですね。照明も様々な機材を使って曲の印象を表現していたのは大きな会場ならではの演出で大きな楽しみの一つです。

 

今日は残念ながら滝さんの不調で恐らく大幅にセトリを変えざるを得なかったのか、WOLL収録曲で迷宮のリビングデッドとダークホースが披露されませんでした。

またリハーサルの音漏れでinterceptor、カモメ、キャンドルの灯を、氷の世界が聴こえたので本当のセトリには入っていた可能性があります。ネタバレになるからリハ聴きたくなくて、リハ中は日比谷公園を離れていたり、戻ってきても公園内ではイヤホンをしていたのでこんなことになるなら音漏れちゃんと聴いておくべきだった。interceptorなんて滅多に聴けないのに、と後悔。そういえば卓郎さんが本来アコギを弾く予定だったのはどの曲だったのか…?

 

滝さんは結局、左手を痛めたとの事でしたが本当にそれだけだったの?

指が攣ると、ギター弾けなくなる代わりに大暴れし始める滝さん(昨年のクアトロワンマンではダイブしてたくらい)が、それもできずに全く動けなくなってしまっていたのは何か別の体調不良があったのではないか?と心配になってしまうくらい様子がおかしかった。9mmのライブはトラブルが多いけど、今回は今までで一番大変なライブになってしまった。

ただそんな満身創痍な状態でも、最後まで弾き切った滝さんのプロ魂。中盤で滝さんが体調を整えるまで、客席に過度な心配をかけないようにのんびりと話しながら、普段の弾き語りライブのようなゆるい雰囲気を作り、また「おれにも色々あったけど(笑)」と先日の結婚報道を自らネタにするような場面があったりもしたけど、大いに楽しませてくれた卓郎さん。滝さんが動けない分、後半暴れまくってステージの見せ場を担っていた和彦さん。これは元のセトリ通りだったんだろうけど、大きなワンマンでは恒例となりつつある華やかな超絶ドラムソロを披露したかみじょうさん。ドラムソロでかみじょうさん1人ステージでパフォーマンスしている間にまた滝さんは体を休める時間が出来た訳で。

 

WOLLの曲はじっくりと聴きこむ曲が多いので野外がお似合いで、今回聴いた中では「湖」「スタンドバイミー」が特に野音の雰囲気に合っていたと思う。でもアルバムのすべてを堪能することは出来なかったので、そこはツアーまで楽しみを取っておきます。

 

トラブルに見舞われてもメンバー・スタッフの皆様のチームワークで乗り越えた、素晴らしいライブでした。

 

でももう一回、完璧なセトリで野音ワンマンが観たいよ。御本人が一番悔しいと思うし、決して良いとは言えない思い出が残ってしまったでしょうし。また近いうちに、野音ワンマンリベンジしてくれたらいいのに。

そして間髪入れずにツアーが始まるので滝さんがとても心配です。ツアーでまた元気な滝さんが観られることを楽しみに、一刻も早い完全回復を祈ります。

9mm Parabellum Bullet「Waltz on Life Line」2016/04/27

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6枚目のアルバム。前作「Dawning」からおよそ3年振りということで、その間にベスト1枚とシングル2枚を挟んでいるけどかなり久々のオリジナルアルバムです。シングル曲が多いこともあり15曲入り・55分と9mm史上最多曲数。

色々なインタビューでメンバーの皆様も仰っている通り、今作は半年くらいにわたる楽曲制作期間を経たことにより、従来はメインコンポーザーである滝さんの楽曲が大半を占めていたのに対し、和彦さん4曲、かみじょうさん3曲、卓郎さん2曲(滝さんは6曲と多めではある)と各メンバー曲の割合が増えています。

 

また、9mmは昨年まで在籍したEMIレコーズを離れ、今作は自主レーベル「Sazanga Records」と日本コロムビア内の名門レーベル「TRIAD」(かつてイエモンやミッシェルが在籍し、現在は吉井和哉さんなどが在籍)とタッグを組んでのリリースとなりました。

移籍でどうなることか…と思ったけど蓋を開けてみれば怒涛の宣伝・販促の数々。各CD店での大規模展開・大看板、黄色いCD屋とのコラボキャンペーン、地上波テレビ番組やラジオ番組に出まくり、発売週には渋谷の大型ビジョンで(30分に1回程度15秒のCMが)放映されたり宣伝トラックまで駆り出されたりと、コロムビアの本気を見た気がします。コロムビア様ありがとうございます。

 

以上が基本的な情報でしょうか。

以下、感想など。

 

 

1「生命のワルツ」(6thシングル 2014/09/10配信、2014/12/10 CDリリース)

詞:菅原卓郎 曲:滝善充

アコギの流麗な音から9mmらしい轟音が炸裂する、幕開けに相応しい曲。某スラッシュメタル四天王の名曲みたいですね。そういえば6/8拍子のスラッシュメタルはとても珍しいのだと、いつぞやのインタビューにて。

「でたらめな時代に立ち向かえ」「いつかのどこかじゃなくて聞いてくれここで命の声を」と、曲の持つエネルギー感に比例するように力強い、説得力のあるような詞。最近はライブの終盤でやることが多いですね。堂々たる風格ある曲なのでライブがかっこよく締まる。

アウトロのまくし立てるようなギターの速弾きフレーズが圧巻。フルピッキングで弾いてるのかあれ…?


9mm Parabellum Bullet - 生命のワルツ

 

2「Lost!!」

詞:菅原卓郎 曲:滝善充

力強いメッセージソング的な「生命のワルツ」から一転、挫折を思い起こさせる詞が並び途中では前を向いて進んでゆく姿勢を見せつつ、「今度こそは 今度こそは ここはどこだ」と辿り着けずに終わるまったく救いようがない展開。跳ねたリズムは「キャンドルの灯を」に近いけどこの詞が乗ることで、翻弄されてる感が出ているように感じます。

言葉は抽象的じゃなくなってるけど苦悩に満ちた内面を書いた詞は初期の頃に近いかな、とはライブで初めて聴いた時の印象。ここまで救いようがないと逆に気持ちの良い展開で好きです。音だけ聴くととてもノリが良いけどじっくり歌詞見ると…悲しくなりますね…

曲中の「今度こそは」と歌う部分のメロディがゆったりめなので切実さが強調されているように聴こえる。

「片手間で愛さないで」…で3連譜が唐突に出てくるのがなんか面白いと思いました。


9mm Parabellum Bullet - Lost!!

 

3「湖」

詞:菅原卓郎 曲:中村和彦

3月のカオスで聴いた時はとりあえず「湖っぽくない」と。

イントロのギターがいつもよりシャキッとした音だと思ったらジャガー弾いてるのね卓郎さん。

絶望に叩きのめされた「Lost!!」からの流れで、過去を美しいと思いつつもう後ろは振り返らないと言いたげな感傷的な所もあるけど、「おれたちの何かが今 変わろうとしてる」と漠然と前向きな予感が入ってるのがとても良いです。「波ひとつない穏やかな」…あたりから一瞬スローになるところは靄のかかった湖畔が想像できなくもないです。

第一印象はそんなに強烈ではなかったけど、キリッとした曲調と、全体的にゆったり伸びやかなメロディーのバランスが絶妙で段々と頭から離れなくなります。

 

4「Mad Pierrot」(7thシングル 2015/09/09リリース)

詞・曲:かみじょうちひろ

御洒落な雰囲気すらある跳ねたリズムに浮き浮きするけど、ファニーな悪夢のような詞がじわじわと狂気に誘い込んでいくような曲。間奏の手数の多いドラムと速いフレーズのギターが怪しいサーカス感出てますね。

2番の「彼は知ったんだ 悲鳴の味を」の部分のクリーンギターのフレーズがジャジーでとても小粋な感じで素敵です。

「湖」もそうだけど、卓郎さんの語尾の伸ばし方が伸び伸びとしていてとても好きです。


9mm Parabellum Bullet「反逆のマーチ/ダークホース/誰も知らない/Mad Pierrot」トレーラー

※4番目に流れます

 

5「反逆のマーチ」(7thシングル 2015/09/09リリース)

詞:菅原卓郎 曲:滝善充

初めて聴いた時に、不思議な音でインパクトのあるイントロにまずびっくりさせられたあたりがとても9mmらしいなと。全体を通してとても勇ましいけど前述のイントロとか、間奏でカウベルが入ってくる所とかのコミカルさが面白い。

「笑えないリアルも笑いとばしてやるよ」「でっかい壁にぶつかってんだ 絶体絶命も上等さ 失敗糧にしてやったりだ」という詞が、心細い時にどれだけ頼もしかったことか…。


9mm Parabellum Bullet - 反逆のマーチ

 

6「ロンリーボーイ」

詞:菅原卓郎 曲:中村和彦

CDJ15/16でやった新曲ってこれじゃないかな?孤独感を歌ったような詞が、すごい勝手な解釈だけどインディーズ期の曲に出てくるような鬱々とした詞を客観視してみたような印象。

心なしか他の曲に比べて卓郎さんの歌声が明るい気がするのもあり、全体的にはすっきりさっぱりした曲でアグレッシブなギターソロがその分際立っています。

 

7「Kaleidoscope」

詞・曲:かみじょうちひろ

5拍子!個人的にとても好きな5拍子!5拍子になったり6拍子になったりするとても複雑な曲。何回か聴いてやっと全体の拍を把握しました。

詞に使われている言葉が綺麗で、和風なメロディーと相まって、とても華やかです。ギターソロがまた良いんだ…ツインリードっぽくて。

ライブでは色をたくさん使った派手なライティングでやるんだろうか…などと考えるととても楽しみです。

 

8「Lady Rainy」

詞・曲:菅原卓郎

9mmにしては珍しいゆったりしたメロディーとアルペジオ、言葉を噛みしめるようにじっくりと溜めるように歌うボーカル。優しく響くギターの音色がさめざめと降る雨を思い起こさせる。激しさは無くひとつひとつの音の美しさが前面に出ています。

卓郎さん、この曲弾き語りでもやってくれないかなー…

 

9「ダークホース」(7thシングル 2015/09/09リリース)

詞:菅原卓郎 曲:中村和彦

ザクザクとしたリフで突っ走るかっこよさ。そんなメロディーに合わせるように詞も勇ましい。「負けられない理由があるんだろ」…いいですね。ここ一番、という時に聴きたくなる。

和彦さんの曲はよくストレートだと評されてますが、どの曲も決して一本調子な訳ではなくて、所謂Cメロでちょっと展開を変えるところがいつも秀逸です。


9mm Parabellum Bullet「反逆のマーチ/ダークホース/誰も知らない/Mad Pierrot」トレーラー

※2番目に流れます

 

10「誰も知らない」(7thシングル 2015/09/09リリース)

詞・曲:菅原卓郎

ゆったりとした3拍子で、普段ギターをたくさん重ねることが多い9mmの曲と比べると非常にシンプルなアレンジで歌のメロディが目立っています。

鬱々と悩むような詞がこれもやはり初期に近いですね。この曲と「Lost!!」をライブで聴いて今作は初期に近いアルバムになるのかと予想しましたがそうでもなかった。


9mm Parabellum Bullet「反逆のマーチ/ダークホース/誰も知らない/Mad Pierrot」トレーラー

※3番目に流れます

 

11「火祭り」

詞・曲:かみじょうちひろ

イントロのドラムが和太鼓みたいで、せかせかした曲調が如何にもお祭りといった曲。和風「Living Dying Message」みたいにも聴こえます。

曲中に何度か出てくるけどギターとベースのトリプルユニゾンになる部分がかっこいいんですよね。

間奏の凄まじいギターソロはピック代わりに100円ライターを使った「ライター奏法」これ実際にやってみたけど、弦にライターの曲面がこすれてピヨピヨとした音が出るんですね。それにたくさんエフェクトかけるとああなる、と。かみじょうさんがイメージしたという地元のお祭り「どんぶや」は燃え盛る藁をぶん回すというものらしく(YouTubeに動画有り)ピロピロしたギターの音は、パチパチ燃える藁と飛び散る火の粉を表しているのでしょうか。

 

12「モーニングベル」

詞:菅原卓郎 曲:滝善充

これだよこれ!この破壊力!これが9mmです!と言わんばかりの曲。哀愁あるオクターブ使いのフレーズ、元気なブリッジミュート。信頼と安定の9mmサウンド。本当に心の底から安心する。タイトルだけ見た時には、爽やかな曲なのかな?と思ってましたけど。笑

重厚なコーラス(ライブどうするのか?)、けたたましい目覚ましを模したであろう長いタッピング、「目覚ましのベルが鳴りました」の部分で9mmの詞では非常に珍しい丁寧語口調、と新しい試みもたくさんあります。

ざっくり詞をまとめるともう少し寝てたい的な、共感するしかないどこか可愛らしいものですがストレートに寝起きの歌なのか、何かの比喩が入ってるのか…は まだわかりません。

 

13「迷宮のリビングデッド」

詞・曲:中村和彦

和彦さん初作詞の曲です!ぐいぐい進んでゆくような、なかなか不穏な曲です。

聴きどころは言わずもがな、間奏のベースソロ!あと最近ではめっきり減ってしまったシャウト!ベースソロ後の全パート同じリズムで弾いているところはよからぬものが迫りくるような感じで、まるで追い詰められているような詞の雰囲気にぴったりでとても良いです。

あとはアウトロのツーバス連打も是非とも聴きどころに挙げたい。

 

14「スタンドバイミー」

詞:菅原卓郎 曲:滝善充

爽やかで儚げで優しく美しい、とにかく美しい曲。語りかけるような口調の詞もとてもあたたかい印象です。

柔らかい日差しが降り注ぐ野外(草原だと尚可)で聴きたい。歌詞には八月とあるけど、初夏の陽気ぐらいの時がいいです。

クリーンの多い曲は前にもあったけど、ここまで明るくてあたたかい雰囲気の曲は今までなかったんじゃないか?(これまでだと「Monday」が若干明るかったかな?)なので今作の中で一番意表を突かれた曲です。

滝さんのアンプは確かによく歪むパワーのあるものだけど、クリーンの音はとても澄んでいて綺麗な音がするんです。

9mmの曲はうるさくて嫌い、苦手だという人にこそ聴いてもらいたいです。

 

15「太陽が欲しいだけ」

詞:菅原卓郎 曲:滝善充

リリース前に、この曲はエンドロールのような位置にある曲と聞いたのでそのイメージが強い。

展開がくるくる変わるけどわずか3分足らずで、余韻も残さずスパッと終わる後味の良さ。エクストリーム4つ打ちといった印象もあり、とてもノリが良いのでこれからライブ定番曲入りすることに期待しています。

滝さんがこの曲はとても速くて難しいと仰っていましたが…9mmはこの曲より速い曲なんてたくさんあるのにそこまで言わせる曲、スコアが出たら早く見てみたいです。

 

 

今作について最初はアルバムとしてのまとまり方がよく分からない、もはやまとめるのではなくて詰め合わせとして完成したのか?とか正直大変失礼なことを考えていました。

歌詞に統一感がないので…。ポジティブなものとネガティブなものが雑然と入っているようで15曲ぶっ通しで歌詞を見ると感情の起伏が激し過ぎるという、勝手な見解からなのですが。「生命のワルツ」から「Lost!!」への流れだけでも、最初あんなに前向きなのに次もう絶望的みたいな。

 

でも何周も聴いているうちに、最初の「生命のワルツ」と最後の「太陽が欲しいだけ」が今作の大枠をがっちりと担っていて、 (これまた勝手な解釈ですが)個人的には特に「太陽が欲しいだけ」がなかったらまとまってなかったんじゃないかな、なんて思う訳です。

 

「こわれかけの心でもどこにでもいける」

「ツキに見放されて 流れ星は消えた それでも最後には笑え」

「さあ両手を広げて すべてを受け止めろ」

 

この3行が、この曲の懐の深さが出ているというか、ここに至るまでのネガティブな詞も受け止めつつ最終的にはポジティブでカラッとした流れに変えてアルバムを気持ちよく締めくくっているような気がするのです。考え過ぎかもしれませんけど。

特に「スタンドバイミー」から「太陽が欲しいだけ」への流れは大変に素晴らしいと思います。何度聴いても感極まってしまいます。

内容的にも雨上がりの情景→精神面の比喩表現として「雨雲を晴らして」「太陽が欲しいだけ」とつながっていますし。

 

とりあえず1ヶ月聴き続けてみた感想としてはここまでです。

 

 

あと1ヶ月もするとツアーが始まります。現状、収録曲の半分くらいはまだライブで聴いていないのでツアー中にどう化けるのかが素直に楽しみです。それと野音雨降らないといいですね。