今年結成10周年を迎えたフラッドの、今年2本目のツアーであり
11月23日に開催を控えている自主企画「A FLOOD OF CIRCUS」へと続く対バンツアー。東京は2日間、両日共にBenthamを迎えての公演。
まずは初日。翌日に30歳の誕生日を迎える佐々木さんにとっては、20代最後のライブ。
以下、セトリ・内容のネタバレを含みます
会場であるFEVERの入口は小さな旗が連なった飾りと、アルファベット型の風船で「A FLOOD OF CIRCUS」と綴られ、何となくサーカスっぽい装飾。会場で流れるBGMもサーカスを意識したような音楽(佐々木さんは「運動会みたい」と言っていた。TDLのワールドバザール~プラザ辺りでかかってそうなやつ)
ステージには特製のバックドロップ、サーカスのテントの屋根に「A FLOOD OF CIRCUS」と書かれているとても可愛いデザイン。
Bentham
「こんばんは…あ、間違えた!おはようございますBenthamです!!」というMCにフラッドへの愛が早速感じられる。
何曲か演奏した後、
「Benthamの曲の中で、フラッドをパクったんじゃね?と言われている曲がありまして…今日はフラッドのファンの皆さんに本当に似ているのか判断して貰おうと思います!」
と言って自分たちの曲である「TONIGHT」を少し演奏…してからフラッドの「The Beautiful Monkeys」をそのまま1曲丸ごとカバー!あの荒々しい曲を見事な完成度で、そしてかなりの熱量で弾き切る
これにはBenthamを初めて観たであろうフラッドのファンも大盛り上がり。
この2曲、イントロのコード進行が全く一緒なんですね。TONIGHTは初めて聴いたけれど、イントロの部分は確かに似てました。笑
この日初めてBenthamのライブを観る人も恐らく多かったからなのか、ライブ中何度も客を煽りフロアを盛り上げていた彼ら。「手の鳴る方へ」では曲の途中でのコーラスの練習に加え、須田さんによる
「フラッドBentham大巡業!FEVER!!」
というコール&レスポンスで更に盛り上げる。
「今回のツアーで対バンするバンドの中で一番フラッドのライブを観ている」
と語っていたが、それもそのはずで先日行われたスペシャアプリの生配信でも言っていたけれど小関さんはバンドを組む前に、佐々木さんが通っていたスタジオで働いていたのでその頃からの付き合いだという事、またBenthamが結成された後、Bentham加入前の辻さんと佐々木さんが一緒にBenthamを観に行っていた程の仲で、いつかBenthamのライブにフラッドを呼びたいと思っていたら今回呼んでもらえたのでとても嬉しいと話していた。
Benthamのちゃんとした感想は2日目の方で書かせてもらおうと思いますが、音源やPVのポップな印象とは全然違う、とにかくその熱量とキレのある演奏にただ驚かされ、彼らへの印象が良い意味でガラッと変わった、そんなライブでした。
また、実は開場前にクロークに預けるために荷物をまとめていると、Benthamのリハが音漏れしていて、「The Beautiful Monkeys」聞こえちゃったんですよね。そうか今日カバーやるのか、と楽しみになった反面折角の見せ場を先に知ってしまった残念さがあったのですが、
本番ではただカバーするだけではなくひとネタ仕込んでくれていたおかげでそうきたか!と余計びっくりしたし、かえって楽しめた気がします。
フェルディナン・グリフォン・サーカス
スカイウォーカー
ロックンロールバンド
Quiz Show
TONIGHT(Benthamカバー)
Sweet Home Battle Field
コインランドリー・ブルース
FLYER'S WALTZ
Dancing Zombiez
シーガル
Diamond Rocks
BLUE
世界は君のもの
KIDS
佐々木さんが「サーカスへようこそ!」と言ってからの、フェルディナン。
そう言えばこのツアーにぴったりの曲もうあった!笑 ライブでは久し振りに聴いた気がします。
スカイウォーカー~ロックンロールバンドの流れで一気に勢いを付け、「次は何でしょう…」という佐々木さんの煽り。この辺りは先月のLOFTでのライブと全く同じなのでこの後の曲はすぐに分かったけれど、
Quiz Show大好きなので「次は何でしょう」と意味ありげに煽られた瞬間もうソワソワしてしまう。
以前はそのまま佐々木さんの「問題です」の一言が続いていたが、音源と同じようにカウントを始めるようになっている。
「マジで打ち合わせをしてなかった」という話を挟んで演奏されたのは、Benthamがフラッドのパクリだと言われる、と先程ネタにしていた「TONIGHT」のカバー!Benthamがあのネタを仕込んでいることを知らずにこの曲を練習してきたという事か。自分たちの曲とコードが近いから、カバーしやすかったのかな、などと勝手に考えてしまう。
今回のイベントの名前「A FLOOD OF CIRCUS」について
フラッドがシェルターに出始めていた頃に当時の店長である西村さんに可愛がってもらっていて、当時シェルターのライブで一緒だったbloodthirsty butchersの吉村さんがフラッドの事を「a flood of circus」だと勘違いしていて、でも大好きな先輩だったから、勘違いされて悔しいとかは思わなくて、今回タイトルにした、と。
そして今回の会場であるFEVERは、実は西村さんがシェルターを辞めた後に作ったライブハウスだという。
また自分たちは他のバンドのように地域密着型のフェスは開催できないから、それならもうフェスごと巡業してしまおう、と言うのが今回の“CRICUS”の由来でもあるという。目指しているのはロラパルーザ(アメリカで行われているツアー形式のフェス、らしい。今調べた。間違ってたらすいません)なのだそう。
Sweet Home Battle Fieldではいつものように佐々木さんがギターを置いてタンバリン片手に歌い、途中でタンバリンを無造作にテツさんの首にかけ、間奏が終わるとマイク片手に客たちの上へ。正座のような体勢で大勢の客に支えられながら、この日も手の届く範囲のお客さんの手を順番に握りながら歌う。
このライブで初めて告知された、11月23日に発売されるシングルの曲「FLYER'S WALTZ」を初披露。イントロはタイトル通りの3拍子で、その後は威勢のいい4拍子へ。
ここ最近の新曲は「青く塗れ」「BLUE」共に明るい感じの曲だったけど、この曲は「Blood Red Shoes」あたりを思い起こさせるような、魂を奮い立たせるようなナンバー。
だと思っていたら次の曲がBlood Red Shoesで良い流れだなーと。
しばらく定番曲が続いた後の「Diamond Rocks」には驚きました。加入直後から定番曲でなかったQuiz Showやコインランドリーを弾きこなすテツさん、この曲も既に出来るのか。個人的な話になりますが最近よく聴いていたのでこのタイミングで聴けるとは思わず、嬉しい。
アンコールでは「世界は君のもの」これも最近のセトリにはなかなか入らない曲で予想外過ぎて思わず嬉しい悲鳴を上げてしまう。
「太陽の子供たちに捧げる」と言ってからのこの日のラストはKIDS、最後の最後で盛り上がるしかないこの曲を入れてきた事に、明日もあるけど出し惜しみは一切しない、というフラッドの気合を感じた。
気合…と言えば、佐々木さんもめっちゃ気合入ってる、革ジャンに鋲打ってきたとか言ってた気がする…
お店のインスタで上がってたから多分それでしょうか。
見たこと無い革ジャンだなー ツアーに合わせて新調したのかな、なんて思いながらライブ観てたから何となく覚えている。
9月からサポートに入っているテツさん。個人的にはLOFTのライブに続き、この日がテツさん加入後2回目のライブだったけれど、入ったばかりとは思えないくらい既に馴染んでいるように見えました。
マーシャルのベースアンプ使ってるって…マーシャルってベースアンプ出してたんだそれよりベースアンプでギター鳴らしても大丈夫なんだ… そのお陰なのかは分かりませんがテツさんのギターの音はかなり大きくて、荒々しい歪み方で、またそれがとても素敵でフラッドの曲によく合う。
佐々木さんもライブ中ニコニコしながらテツさんの方を見ていたり、テツさんがソロ弾いてる時に拳で軽く突っつきながらちょっかい出していたり、ものすごくかわいがっているみたいだったので
過去最高のサポートギターだと思っていたキョウスケ君が抜けて不安だったけど、その不安を一瞬で払拭するような良いギタリストが入ってくれてよかったなと。このまま正式にメンバー入りしたらいいのに。
ツアー初日、そして小さい会場という事でいつも以上の熱気で、佐々木さんもその盛り上がりをみて嬉しそうに笑いながら何度も「最高!」と言っていた。
佐々木さんはBenthamについて、小関さんの話にもあったように彼らがバンドを始める前に出会ったこと、まだメンバーではなかった辻さんとBenthamのライブを観に行っていたこと、そして小関さんと須田さんは年下だけど、辻さんと鈴木さんは年上だからどういじったらいいか分からない、的な事を言っていました。笑
Benthamがどういうバンドなのかもよく分かったし、翌日はもっとすごいことになりそうと大いに期待をさせてくれたツアー初日でした。
2日目に続く