最後の駅の向こう

何でもすぐ忘れる人の特に記憶に残しておきたいライブの簡易レポートと趣味のレビューの予定。あくまで予定。

20161022/9mm Parabellum Bullet TOUR2016“太陽が欲しいだけ”@仙台PIT 簡易レポート

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和彦さんの地元、仙台での公演です。

和彦さんが「9mmのライブ」のMCで喋るのは仙台でやる時だけ。

なので、9mmを仙台で観ることは長年の夢でありました。ファン歴9年にしてようやく叶いました。感無量です。


今回のゲストはMy Hair is Bad

名前は知っていましたが曲は全く聴いたことがない、何ならメンバー構成すら知らないという状態で当日を迎える。

初めて観るバンドは敢えて予習をせずに観るのが好きなので。







以下、内容・セトリのネタバレを含みます





定刻になると客電を落とさずにステージの照明が点く。

「こんばんはー」と言って出てきたのは和彦さん、のみ。あれ、札幌東京と違うパターンだな?と思っていると


「仙台担当の中村です」


なるほど。

続けて「ただいまー」とフロアに挨拶。


「長町(仙台PITの最寄駅)にはあんまり来たことがなくて…2〜3回ぐらいしか来たことない、生涯で。だからアウェーかなと思ったけど。笑」

と、地元トークを少し。


「ワンマンを楽しみにしてくれた人には申し訳ないけど、ギターの、滝くんの具合がね…だから、フルでできなくて…」

「あっという間に終わっちゃうけど、でも全力でやるから、仙台頼むぜ?」


また、対バンのマイヘアについて。

「マイヘアは先日ライブを見たけど、絶対こいつら変なやつだなって。笑  挨拶に行ったら(大人しい的な)で、俺たちもライブ凄いけど普段はそうでもないとか言われてたからね。」だから自分たちと似たようなものを感じるらしい。


なんかMCっぽくなってきたね、と笑いながら言ったりしながら、袖で待機していると思われるマイヘアのメンバーを「(呼んで)大丈夫?」と気遣いながら、

いよいよマイヘアをステージへ呼び込む。





My Hair is Bad



前述の通りで曲を知らないため、曲については詳しく書けません。すいません。7曲ぐらいやってたかな?


最初の曲で早くも「9mm!呼んでくれてありがとう!」と叫ぶ椎木さん。


「9mmは俺たちからしたらレジェンドだから、

卓郎さんがちょっと冗談を言いに楽屋に来てくれるんだけど、上手く笑えなくて。危ない橋を渡ってるみたいで。ちょっと間違えたら大変だ…って」

それな、畏れ多いとそういう反応になりますよね…わかる…と、何だかマイヘアに親近感が湧いてしまうMC。


「俺たちの歳、24〜5っていうのはクラスの頭良くてギター上手いやつらがこぞってコピーしてて、俺たち頭あんまり良くないギターもあんまり上手くなくてパワーコードエルレガーデン弾いてた。上手いやつらは徐々に辞めていって、俺たちは音楽続けて、9mmのツアーの前座に呼ばれるくらいになった」


「9mmはレジェンドだから、俺たち25のガキが9mmより爪痕残すなんて無理だし9mmよりかっこいいライブできるなんてありえない!でも、ありえないことをやるのがロックバンドでしょ!!?」

と、音楽を続けてきたからこんなに大きいステージで、9mmのツアーのゲストでライブできるという喜びをぶちまける。

また9mmに感謝を告げ、後で直接言いに行きます、とも。


ただ周りがみんな9mmのコピーやってた時に、「俺はひねくれてたから9mmなんて有名なバンド聴かないし、って言ってた」という事まで素直に暴露してしまう。笑  

それは隠しといても良いんじゃないか?笑  


最後の曲が終わるとまた「9mm、ありがとう!!」と感謝の言葉を。



マイヘア、とにかく熱いバンドで。スリーピースだけどサウンドもしっかりしていて、山本さんは足を振り上げながら結構動き回りながら弾いてて、椎木さんも歌わない部分では前に出てきて楽しそうな笑顔浮かべながらギター弾いてたり。


「今は9mmの番か??俺らの番か!!?違う、お前らの人生、お前らの番だろ!!!!」

かなりの熱量でぶちまけられたこの言葉には聞いていて込み上げるものがありました。


色々開けっぴろげにまくし立てながらギターを掻き鳴らす姿はかなりのインパクトだった。自分の思ってる事とか、音楽に対してかなり熱い人なんだなと。私もそうだけど、周りのお客さんもずっと、食い入るように聴いていた。


全く知識がない状態で観たので、これがマイヘアの第一印象になります。

歌詞があんまり聴き取れなかったのがすこし残念…多分音響の関係で…私の居た場所が悪かったので仕方ないですが。

また何処かで観る機会があるといいな…と思うところ。






9mm Parabellum Bullet



太陽が欲しいだけ

反逆のマーチ★

インフェルノ

迷宮のリビングデッド

スタンドバイミー★

Answer And Answer

Lost!!★

Talking Machine

生命のワルツ★


Cold Edge(卓郎/和彦/ちひろ/武田 の4人で)



★が付いているのは滝さんがシンセを弾いた曲です




客電が落ち、SEが流れ始め…これまでの会場とは違い、バックドロップが上から降りてきました。

これがもの凄くかっこよかったんですよね…


手を高く上げ頭の上で手を叩きながら入ってくる滝さん。少し元気そうに見えました。





WOLLの曲で唯一、ライブで聴けていなかったリビングデッドがここでようやく聴けた…!仙台まで来て良かった…!!やはり和彦さんの地元だからでしょうか。

間奏のベースソロでは和彦さんにスポットライトが当たり、しっかりと見せ場を目立たせていました。


今回はツアー中雨が…のくだりは無く、その代わりに卓郎さんが

「みんなアルバムの感想色々あると思うけど、一番美しい景色を切り取ったと思ってる曲です」

と言ってからのスタンドバイミー

今まで気付かなかったけど、この曲は卓郎さんブリコルールじゃなくてスナッパー?TYG?を弾いてるんですね。

穏やかな笑みを浮かべながら歌ったり、アウトロではメロディーの美しさに浸るようにギターを弾いていた卓郎さんの姿が忘れられません。



トーキンの2番、「何べんやっても」のところでいつも滝さん和彦さんがドラムの乗ってる台に上がって同時にジャンプするやつ、滝さんの代わりに武田さんがやっていました。あれ大好きなので武田さんがやってくれて嬉しい!



終盤、お馴染み卓郎さんの

「いけるかーーーー!!!!?」

に対して和彦さんが声は出さずに

「来いやー!」

って口動かしてるように見えた。



本編が終わりメンバーが退場する時に、最初と同じようにフロアを見ながら手を高く上げ頭の上で手を叩きながら去っていった滝さん。ライブ中の様子はよく見えなかったのですが、滝さん、やはり少し元気そうだな?それなら何よりだとぼんやり考えながら見ていました。




あれ、本編で和彦さん喋ってないぞ?と思っているとアンコールで出てきた卓郎さんが

「和彦が何やら準備し始めたよ?笑」

と言うので下手を見ると、マイクをいつもの低い位置から普通の高さに直して和彦さんが話し始める。

和「さっき喋っちゃったからね」

卓「4割ぐらいになっちゃったね笑」(客の反応について言っていたのか?)



アンコールで1曲だけやりますと話し始めた和彦さんを遮る卓郎さん。ここでマイヘアの話をさせてくれ、ということで。

「何でマイヘアにライブ出てもらったか言ってなかった」と、アンコールでやっと対バンのきっかけの話を。

マイヘアとの出会いは、RSRの美味しいケータリングのコーナーで会って。(スカパラの方も一緒だったらしい)そこでCDを貰ったのだそうです。それだけの出会いだったけど、ツアーに出てくれないかと声を掛けたら、出てくれたのだと。



マイヘアのおかげで今日ライブが出来たと、改めて感謝を告げる。

和彦さん、卓郎さんに向かって「(マイヘアが)レジェンド扱いまでしてくれてね(笑)」「いつもより機嫌いいもんね(笑)」と楽しそうに話しかける。


和彦さんがアンコールの話に戻ろうとすると卓郎さん、あれ、そこに戻るんだ?と言い「(中継風に)スタジオの中村さんにお返ししまーす」とふざける。


ひと通り話し終わるとマイクをいつもの位置に戻す和彦さん。それを見た卓郎さん、おれもそれでやろうかなと呟くと和彦さんのマイクに向かい

「いけるかーーーー!?」

「いけるかーーーー!!!!!?」

と何と和彦さんのあのマイクで叫ぶ!!!これは多分初めて見ましたよ???卓郎さん!!



アンコールの曲、Cold Edgeは武田さんがどうしてもやりたかった曲だそうです。今回のツアーではまだ1回もやっていない曲で、仙台公演まで取っておいた…訳ではないらしいのですがやるなら仙台で…という事に。

この曲も和彦さん作曲なので、マイヘア前やアンコールのMC、本編でやった湖とリビングデッドも合わせて今回は完全に和彦祭でしたね。

シャウトの部分では「仙台ー!!!!」と叫んでいました。

そして武田さん、見事な完コピでした!ソロめっちゃかっこよかったです!素晴らしい!!




アンコールで卓郎さんが話していましたが、この日は滝さんの調子がとても良かったそうです。メンバーもびっくりするぐらい。

滝さん元気そうだなと思っていたらその通りだったという。

少しずつ回復されているのでしょうか、卓郎さんからそんな報告が聞けたのが非常に嬉しい。



ツアーも残り僅かになりましたがこのまま何事も無く完遂できることを祈ります。







20161010/9mm Parabellum Bullet TOUR 2016“太陽が欲しいだけ”@Zepp Tokyo 簡易レポート

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いよいよツアー東京公演。最近の9mmは大きい会場だとすぐ売り切れなかったり、当日券が出たりすることもしばしばありましたが今回は関東での公演がこの日だけだったためか、早々とソールドしていた気がします。

(後に豊洲での追加公演が発表されましたが)

9mmのツアーではお馴染みの会場であり個人的には自分の地元・東京での公演ということでツアーの中でも一番楽しみな日でした。

 

 

そしてこの日のゲストはHERE

そう、只今9mmのライブをサポートして下さっている、武田将幸さんのバンドです!

HEREとは全国流通盤が出る前から縁があったのですが、まさか彼らがZeppのステージに立っているところを観ることになるとは…

 

 

 

 

 

 

以下、セトリ・内容のネタバレを含みます

 

 

 

定刻になると、客電を落とさずにステージの照明が点く。札幌と同じく、卓郎さんがステージへ…に続き、この日は和彦さんも出てくる。

「札幌ではおれがひとりで出てきたけど、今日はHEREだからね…」とのんびりと話し出す卓郎さん

「ね、カズちゃん」と普段と違う呼び方で和彦さんに同意を求める。これには和彦さんもびっくり(しているように見えた)

札幌で言っていたのと同じく、今の9mmはライブ出来る長さが限られている話。

そう言えば、地元・仙台以外では9mmライブの際に喋らないことになっている和彦さんも卓郎さんと一緒に喋るが卓郎さんが「和彦は普段東京では喋らないからね…」とそのことに触れると「今はライブ中じゃないから」と。まあ、卓郎さんとのアコースティックライブの時は普通に喋りますしね和彦さん。笑

 

 

 

 

HERE

 

死ぬくらい大好き愛してるバカみたい

はっきよい

己 STAND UP

アモーレアモーレ

ゾッコンROCK ON

感情超常現象

 

 

SEが流れると順番に出てくるメンバーとサポートの壱さん、ハジメタル。

最後に出てきた尾形さんはマイクを手に取るなり「Zepp Tokyo盛り上がってますか!!!!?」

尾形さん、まだライブ始まってないです!笑 いきなり飛ばし気味なのがHEREらしい。

 

「日本で最もハイテンションなロックバンド、HEREです!!!」

 

 

「はっきよい」からは2人組ダンサー・IN-pishも加わり総勢8名の大所帯に。

(IN-pish、名前だけだと御存知でない方も多いかもしれませんが、アルカラ「癇癪玉のお宮ちゃん」MVに出演なさっている方達です)

元々HEREはかなり派手な動きで演奏するバンドで、曲のいいところでメンバーがステージ前方に一列になって出てきて演奏する張り出しスタイルなど良い意味でやりたい放題なパフォーマンスが面白いバンドなので

大所帯でいつものように動きまくるこのバンドにはZeppのようなでっかいステージがとても似合っている。

尾形さんはZeppの広いステージを所狭しと動き回っているし、上手後方でキーボードを弾いているハジメタルは、たまにステージ前方まで出てきては踊りまくっていたり、(ドラムなのでその場から動けない宮野さんを除く)メンバー全員がステージ前方に張り出してきた時に一緒になって出てきてはエアギターみたいな動きをしていたのがもう面白くて。

 

「アモーレアモーレ」途中では尾形さんがドラムセットからフロアタムを奪ってきて、IN-pishメンバーにタムを持たせて和太鼓のようにして叩いたり(前の方よく見えなかったのですが…)ステージを飛び出し、おそらくフロア最前列ぐらいに乱入、「君は足を支えて」「君はドラム持って」とその辺にいた人に指示を出し、客の上で先程と同じようにタムを叩く。このパフォーマンスにはこの日初めてHEREを観る9mmファンも大盛り上がり。

更にフロアを沸かせたのが、この曲のアウトロでまたもやメンバーが前方に張り出してきたとき。

何と卓郎さん&和彦さんが張り出しに乱入!!!

卓郎さん、完全にHEREメンバーになったかのように両手を前に構え、若干ドヤ顔。いつもニコニコしてる卓郎さんが珍しく、ドヤ顔。和彦さんは後ろを向いて自分の体を自分で抱きしめるような謎の立ち姿でキメる。お二人ともとても楽しそうで観てるこっちまで幸せな気持ちになる。

そして曲が終わると2人とも、あっという間にステージから消えてしまう。

 

尾形さんがMCで話していたように、実は以前から9mmとは何かと縁のあるバンドでHEREの1stアルバムに滝さんとかみじょうさんがコメントを寄せていたり、対バンも3回ぐらい?もっとやってましたっけ?それぐらいしていて。HEREのレコ発で、2013年にO-WESTで対バンした時の様子は9mmの映像作品「act O+E」初回盤の特典映像にも少し収録されています。昨年には東邦大学の学祭での2マンがありました。

以前にもHEREのライブ中に9mmメンバーが乱入したことがあって、その時の9mmメンバーは普段のステージ上の佇まいとは違って、少しはしゃいでいるようにも見えるくらい楽しそうにしていて、そんな様子が観られるのもこの2組の対バンの楽しいところなので今回もほんの少しだけだったけど、乱入するところが観られて良かった。

 

 

9mmのサポートでは、ツアーに入ってからは徐々に存在感を出し始めているとはいえ基本的には滝さんの後ろで黙々とサポートに徹している武田さんですが、本来は割と派手な動きでギターを弾きまくる武田さん。

MCの途中だったか、冒頭で卓郎さんが言ってたのだったか、「HEREを初めて観る人?」との問いかけに少なくとも私の周りにいた人たちはかなりの人数が手を挙げていたので、9mmファンに普段の武田さんの姿がお披露目できたことは非常にいい機会だったと思う。

かなり短いセトリではあったけど、その短い間ですっかり9mmファンを引っ張って、最初は少し様子見をしていたようなフロアの雰囲気もすっかりなくなるぐらいの終始ハイテンションなライブでした!

 

 

武田さんダブルヘッダーということで、なのでしょうか?この日HEREの物販では武田さんの姿が大きくプリントされたTシャツを販売していました。そして終演後にはHEREメンバーと共に物販に立ち、自らTシャツを売っていました。2ステージをこなして、物販と最後の最後まで大活躍の武田さんでした。本当にお疲れさまでした…!

 

 

 

 

 

 

 

9mm Parabellum Bullet

 

 

太陽が欲しいだけ

Supernova

インフェルノ

Kaleidoscope★

スタンドバイミー★

Lost!!★

Black Market Blues★

Talking Machine

生命のワルツ★

 

Discommunication(卓郎/和彦/ちひろ/武田 の4人で)

 

 

★が付いているのは滝さんがシンセを弾いていた曲です

 

 

 

 

太陽で始まるのは先日の札幌と同じ…

だったのですが次の曲、Supernova!!!?

最近では通常のライブでも聴く機会がかなり減ってしまっていただけに、このタイミングでセトリに入るなんて想像すらしなかった…

また、イントロや間奏での卓郎さんと滝さんによるツインリードが、今回トリプルギター編成ということで原曲にはないトリプルリードのアレンジになっていたことに非常に感動しました。もしかしたらもう二度と聴けないアレンジだったかもしれません…理由は何であれ現在、普段とは違ってトリプルギターというギター好きにとっては最高の編成でライブをしているのですから、それを最大限に生かしたアレンジはとにかく素晴らしいと思います。シンセの曲も同様ですが今回のツアーではこういうところは今だからこそ聴けるものだと思って純粋に楽しんでいきたいです。

 

 

「スタンドバイミー」の前には札幌と同様に、「太陽が欲しいだけ」というタイトルにしてしまったからなのか?ツアー中ほとんどの日が雨だという話を。

「でも“お前の瞳の奥にある太陽が欲しいだけ”…だからね?」と。

 

最近のライブでは毎度そんな感じですが、この日もやはり動けない滝さんの分まで和彦さんが動き回っているように見えましたが、ラスト「生命のワルツ」の時にフロアに向かって「かかってこいや!!」と言わんばかりに指をクイッと向けていました。

 

 

 

アンコール、滝さんは現れず。

卓郎さん曰く「滝が一緒にライブ出来る時間は終わってしまった」「ウルトラマンのように」

 

この日のアンコールはDiscommunicationだったのですが、実は発売日が2007年10月10日で、つまりこの日でちょうどメジャーデビュー9周年という節目だったんです。そのことにも触れ、そういう話をしたんだからやらない訳にはいかないでしょ、と。

Discommunicationを聴いて9mmを好きになってから早9年か…と、とても感慨深い気持ちで観ていました。

 

 

 

アンコールで演奏前に卓郎さんが話したこと。

「滝の代わりは、いない」

「9mmにとっては滝の代わりはいないんだよ」

「みんなにも代わりのないものが見つかるといいね」と。

 

これまで滝さんに関して何か話す時の卓郎さんは、なるべく心配をかけないようにするためか、普段のMCと変わらずのんびりとした口調で軽い比喩を交えて話していたけれど、この時の卓郎さんは真っ直ぐな表現で、表情にもとても切実さがあらわれているように見えて…

 

「武田くんはサポートしてくれてるけど、9mmの大ファンでもあるからそのへんとの葛藤もあって…笑」

と、滝さんの代わりはいないと言い切ってしまったけれど、ここ数ヶ月間全力で9mmをサポートしてくださっている武田さんへのフォローと気遣いも忘れない。卓郎さんの優しさが窺えるひと言。

 

 

もちろん9mmは誰が欠けても成立しないし、メンバーもファンもそれは分かりきっていたことだけれど

メジャー9周年という節目を迎え、今のバンドの現状もあり、改めてそのことを噛みしめているからこその心からの言葉だったのだろうと。

会場にいた全員がこの言葉に心打たれたに違いない。私だってそうだ。

 

卓郎さんの口から直接、この言葉が聴けて良かった。

 

20161008/9mm Parabellum Bullet TOUR2016“太陽が欲しいだけ”@Zepp Sapporo 簡易レポート

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6〜7月は止むを得ず中止(アコースティックライブに変更)となってしまった9mmのアルバム「Waltz on Life Line」リリースツアー後半戦。ワンマンの予定だったのが滝さんの具合を考慮して、ゲストを迎えた2マン形式に。

滝さんのことがあるのでセトリにアルバムの曲がどれだけ入るのか、そもそもツアー仕様のセトリが組めるのか?

 

 

 

 

以下、セトリ・内容のネタバレを含みます

 

 

 

 

定刻になると客電を落とさずにステージの照明が点く。どうしたのかと思いきや卓郎さんが登場。

 

前回北海道に来たのはライジングで、その時の出番は夜中の3時だったのでものすごいテンションだったという。

「おれたち今…色々調べて貰えば…セトリとかね、分かるけどできる曲数とかのマックスが限られてて。」

「今日はWiennersが出てくれるんだけど、Wiennersは2014年のカオスの百年で、その時の体制の最後のライブをやってくれて。新しいメンバーになってからライブ観るのは初めてで。だから今日初めて観る人もいると思うけど、おれも同じだから。笑」

ライジングの時みたいな感じで、今日も頼むぜ、まだ18時だけど(笑)って。

「おれ呼び込みとかやったことないからさ…Wiennersの発音の仕方聞いてみたら、(語尾を上げたり下げたりせずに)ウィーナーズ  だって。でもMCの人は(「ウィ」を強調して)ウィーナーズ!!っていうからおれもMCみたいに言うね」

 

Wienners!!!!」

 

と卓郎さんが叫ぶと暗転。

 

 

 

Wienners

 

「俺たちは今週アルバム、GOKOHをリリースして、知らない?笑 知ってくれてる人ありがとう。で、ツアーも始まるんだけど」

「このタイミングで9mmに、ツアーの札幌に出てくれないかって言われて。少しでも9mmの力になれるなら、って、今日は30分間全力でやります!!」

私もWiennersを観るのは2年前のカオス以来、新メンバーになってから初めて観ました。サエさん、可愛らしい高い歌声でやっぱりこのバンドには可愛い歌声は必須なんだな、と。

 

Wiennersを初めて観る人が多いからか最初は大人しく見守っている人が多かったけど玉屋さんがもっと前来いよ、などと煽ったりして徐々に盛り上がってくる。

 

リズム隊はどちらかというとパンク寄り、それにシンセの爽やかなピコピコサウンドとボーカルの掛け合いが乗る、底抜けに明るいナンバーが次々と繰り出されてくる。卓郎さんが彼らを「爆裂ポップバンド」と紹介していたのが正にぴったり。何故か「西遊記みたい」とも言ってたけど。笑

 

今月、自身のツアーでも札幌に来るらしいです。そのタイミングで、サポートを快諾する彼らの心意気。そう言えば以前にWiennersのアルバム出た時に滝さんがコメント寄せていたし、元々結構親しいのかな。

 

正直、30分間では物足りない!サポートアクトじゃなくて完全に2マンという形で観たかった!!それぐらい楽しかった!!

 

 

 

 

 

9mm Parabellum Bullet

 

太陽が欲しいだけ

Discommunication★

Kaleidoscope★

インフェルノ

反逆のマーチ★

スタンドバイミー★

Lost!!★

火祭り★

The Revolutionary

生命のワルツ★

 

Talking Machine(卓郎/和彦/ちひろ/武田 の4人で)

 

★が付いているのは滝さんがシンセを弾いていた曲です

 

 

客電が落ち、お馴染みDigital Hardcoreと共にいつもの巨大なバックドロップが上がる。去年のツアーも今年の野音も、それぞれのライブ用に作られたやつを使っていたので普段のあのロゴのバックドロップがこんなに大きな会場に掲げられるのを見るのは実は久し振りで、すっかり見慣れた光景だけどやはり血が騒ぐ。

 

 

いきなり、滝さんが以前何処かのインタビューで自ら難しいと言っていた太陽が欲しいだけ から始まる。これが弾けるくらい回復したことが喜ばしい限りだし、もしかしたらこの曲できないかもしれないと思っていただけに驚かされる。

 

Kaleidoの華やかなリフにはシンセがお似合いだったし、

スタンドバイミーはシンセがきっと合うだろうなと想像はしてたけど本当にあの可憐で儚いメロディーに優しいシンセの音がよく合う。柔らかく降り注ぐ照明も曲のあたたかさを現していて、とても美しかったし

色々あった結果のシンセとはいえ、演出と捉えて聴いても大変素晴らしい、美しいメロディーの多いWOLL仕様のセトリに相応しい気さえしました。

 

滝さんのシンセ率が増えてますね。

反逆やLost!!は前ギターで弾いてなかったっけ…?

フェス用セトリより長いから、無理せずにやるということなのか。

全体を通して大人しくて、ギターも振り回さないしシンセは弾かなくていいパートの時には小まめに水分補給をし、軽く頭を揺らしてリズムに乗る程度で黙々と弾いていた。しばしば、穏やかな表情を浮かべながら客席を観たり、たまにかみじょうさん達の方を向いたりしている様子を見てなんだか安心したような、やはり少し寂しいような。

 

 

夏はあまり目立たないようにギターを弾いていたようにも見えた武田さん、Kaleidoや火祭り、反逆のあの特徴的なイントロやワルツの超絶アウトロまで、滝さんと一緒に ではなく完全にひとりで弾いている部分が多くてほんとにこの人凄いな…と圧倒されっ放し。

火祭りの間奏では元気よく前に出てきてソロのあの凄まじい部分弾いていたり(ライターは使ってないけど)。HEREのスーパーギタリスト・マー君の本来の姿が垣間見えてテンション上がりましたね。

 

北海道でのライブなだけに、武田さんは石狩郡新篠津村の出身という話題になりライジングの会場は石狩だから、近いから新篠津村って何度も言ったよ、HEREのボーカル、尾形さんも新篠津村なんだよと地元MCもしっかりやってました。

武田さんに対しておかえりー!と言う声が飛ぶ中、卓郎さんが「みんな、おかえりって言うの好きだね(笑)」

 

普段よりMC多めだった今回。

Wiennersが温めてくれたからってのもあるけど、最初からこんなにガツンガツンと盛り上がってくれてみんなありがとう!」と嬉しそうな卓郎さん

 

太陽が欲しいだけ、というツアータイトルにしてしまったためなのか?ツアー中、番外編的立ち位置の高知以外雨が降っているらしい(あとから米子が晴れていたと訂正) そんな中観にきてくれてみんなありがとう、と言った後で

「アルバムには雨の曲もあるんだけど…次の曲は雨が止んだあとの曲」と言ってスタンドバイミーを。

 

卓「Wiennersは今月ツアーで札幌に来るのに…って宣伝してないよね?」

客「言ってた!!」

卓「よかった、おれが聞いてなかっただけか(笑)」

「(今月札幌に来るのに)こうしておれたちに力を貸してくれました!」

Wiennersもそうだし武田さんもだし、見に来てくれるみんなのおかげでこうやってライブができる、このツアーでそのことを実感しているという卓郎さん。

 

終盤かな、客が掲げたタオルが視界に入ったと思われる卓郎さん、「タオル逆になってるよ(笑)」と話しかける。他のバンドならよくあることかもしれないけど、9mmは普段のライブでは客いじりをほとんどと言って良いほどしない。とても珍しい光景を見た。

 

「もうあと何曲かで終わりなんだけど、今日までの人生を全部ここに置いていくから」

 

「でもみんなの分も貰っていくからな!!!!!」

 

に続く生命のワルツの頼もしさ!Cメロ後に勢いよくぐるぐる回るのが恒例の和彦さん、いつもより多めに回っていたようにも見えました。

 

 

 

アンコールはやれるのか…?と思っていたら滝さんを除く4人がステージへ。

最後にこの4人で1曲やると言って演奏されたのはこれもやると思わなかったトーキン!!最後の最後にこの曲が来ると最高に幸せな気持ちになる。

 

 

 

限られた時間と曲数で、全力でライブをする9mmの姿、しかと見届けました。

正直物足りなさもあるであろう客たちのために、できる範囲でアンコールも入れてくれて。

失礼な話だけど、今は緊急事態といった状況だからセトリに期待をしていなかったんです。やってくれるならどんなセトリでも嬉しいし。

でも実際はやれる限りアルバムの曲も詰め込んで、Revolutionaryも入れて、フェスセトリとは完全に変えてきていた。

フェスも曲が固定とは言え曲順変えたりとかできる範囲で色々やっていたけど。

 

本編ラスト、生命のワルツが終わって、無意識にステージに向かって「ありがとう!!」と叫んでしまった。叫ばずにはいられなかった。

 

9mmのそういうところが、心から大好きです。

 

20161002/a flood of circle「A FLOOD OF CIRCUS大巡業2016」@新代田FEVER 簡易レポート

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ツアー東京公演2日目。思い出したら都度追記します…2日連続だと記憶力が限界です…

 

 

 

2016年10月2日、佐々木亮介さん、30歳のお誕生日!!!

おめでとうございました!!!!!

 

 

 

 

 

以下、セトリ・内容のネタバレを含みます

 

 

 

 

Bentham

 

2日目ということでこの日のMCでは間違えることなく「おはようございます!Benthamです!!」

序盤からもっと前来いよと客を煽っていましたが、2日間来ている人がやはり多いらしく前日に比べると盛り上がり方が明らかに違う。最初の数曲は初日と大体同じだった気もするし、初日に初めてBenthamを観た、というフラッドのファンも勝手が分かってきた、という感じ。

後から友人に聞いた話だと2日目の方がBenthamのファンが多いように見えたそうなので、それもあって盛り上がってたのかもしれないけれど。

 

この日も中盤辺りで「昨日いた人はこの後の流れ分かるよね?Benthamの曲の中で、フラッドをパクったんじゃね?と言われている曲があるんですけど昨日フラッドのファンの皆さんに本当に似ているのか聞き忘れたからもう一回」

と、「TONIGHT」を少し演奏して初日にも披露したフラッドの「The Beautiful Monkeys」カバー

「Benthamは、(曲調が)他の人たちと被らないように…ってことに重きを置いてるんですけど」

「どうしてもここの中で(ギターのネックを指さしながら)作るとね…」コードが似てしまったりすることもあるよね、という感じの話を。

フラッドへの(愛だったかリスペクトだったか忘れてしまったけどそんなような表現)が出たのかも?と。

「まあ、ひとつ前の曲も“KIDS”ってタイトルなんですけどね」と誰かが言ってしまって咎められていた。笑

 

そしてこの日は佐々木さんの誕生日という事でBenthamからプレゼントを渡すために佐々木さんをステージに呼び込む。きっちりラッピングされた箱(中身はウイスキー)などを渡される。ウイスキーを貰って嬉しそうな佐々木さん、その場でボトルから直で少し飲む。この後ライブをやろうという人が、ウイスキーを、原液で…笑

「もう一回(The Beautiful Monkeys)やろうよ」と佐々木さんが言うので急遽もう1回!

間奏に入ったあたりまでだったけどこれは嬉しかった!

ちなみにこの2回目も1回目と同じくまず「TONIGHT」からきっちり演奏し始めたので、佐々木さんが歌に入れず一瞬あ、そこからやるの?みたいな表情をしていた…気がする

 

その後のMCでは初日に出てきた「Bentham加入前の辻さんが佐々木さんとBenthamのライブを観に行った話」の続きを話し始める。「ライブの転換中ってみんな分かると思うけど会場、薄暗いでしょ?そんな中で佐々木くん何してたと思う?…本読んでた(笑)」

という佐々木さんらしいエピソード。

 

「手の鳴る方へ」での須田さんによるコール&レスポンスはもうこれしかないでしょう、「佐々木亮介、おめでとう!!」

置いて踊っていたり、何の曲か忘れてしまったけど小関さん、フロアにダイブしてたり(普段のライブでもそんな感じなんですか?)終盤はメンバーのテンションもかなり上がっているように見えました。

 

 元々付き合いが長いこと、フラッドの曲をカバーしたことやMCでのエピソード(ライブやる時によくフラッドのTシャツを着ているという話もあった気がする)からもBenthamメンバーのフラッドへの愛が伝わってきて、ツアーの幕開けがこのバンドで良かったと思いながらこの日のライブを観ていました。

 

 

 

 

a flood of circle

 

前日と同じように転換を挟むのですが、この日はひと通り楽器の準備が出来た後、最後にフラッドのマネージャーが佐々木さんのマイクスタンドに小さな薔薇を飾る(本物か造花かどちらかは分からず)という粋な演出。

ステージに上がりマイクの前に立った佐々木さんはすぐ気付いて笑いながら薔薇の花を指先で軽く突いていました。嬉しかったのかな。

(その後のMCで薔薇を観て「LUNA SEAみたいだね」「そっちのTONIGHTやろうか」と、ネタにもしていました。そもそも佐々木さんLUNA SEA通ってきた人だったのか…??)

 

 

フェルディナン・グリフォン・サーカス

Rodeo Drive

Blood Red Shoes

Quiz Show

GO

Sweet Home Battle Field

コインランドリー・ブルース

FLYER’S WALTZ

ロックンロールバンド

KIDS

シーガル

ストライド

Boy

BLUE

 

TONIGHT(Benthamカバー)

Dancing Zombiez

 

 

フラッドが2デイズやると、セトリは大枠は同じで何ヶ所か順番入れ替えたり違う曲にしたり、というパターンが多くて、今回もそんな感じ。

入ったばかりのテツさんに配慮したため、と言うのもあるかと思うけど。

 

2曲目には前日のセトリになかったRodeo Driveが。「くたばるまで戦うだけ」と言う歌詞が、このバンドの生き様を体現していて何度聴いても血が滾るような思いがする。序盤でもうこの曲を出してくるなんて、相当気合入ってるのかな、と。

 

Sweet Home~で、さっき飲んだウイスキーで喉焼けそう…というフリがあり客席を焼野原に、というような煽りが入ったかと思うけどよく覚えてない(うろ覚えでほんとにすいません)

そして初日はテツさんの首にタンバリンを掛けていたけどこの日は姐さんに。姐さん、少し会釈するような姿勢でタンバリンを掛けてもらう姿が何だか優雅で美しい。その光景は今でもよく覚えてる。

 

KIDSの時だったか、「(サーカスだから)本当は空中ブランコとか呼びたかったけど…呼べないからその代わりにみんなが飛べばいい!」と言うし曲中も「飛べ飛べ!!」と煽るものだから会場がFEVERじゃなかったらダイバー続出してただろうな。FEVERはステージとフロアの間が狭いから、飛んだ人は前に着地できず後ろに戻されていて、普段よりダイバーが少ない気がした。でもロックンロールバンドからのKIDSで、佐々木さんにそんなに煽られたらテンション上がるに決まってるから飛びたくもなりますよ多分…笑

 

 

本編が終わり、あれ、今日はBenthamのカバーやらないの?と思っているとアンコールでメンバーが出揃った後、会場の照明が全部消される。何かと思いきやバースデーケーキをもった小関さんが登場

ケーキには灯のともったロウソク。ちゃんと「3」「0」のロウソクも乗っている。

ナベちゃん、姐さん、テツさんが即興で演奏を付け会場にいるみんなでハッピーバースデーを歌う。

からの「TONIGHT」 さっきのお返しと言わんばかりに小関さんも「お邪魔します!!」と言って一緒に歌いだし、

曲の最後の方では勢いよくダイブ。大好きなフラッドが自分たちの曲をカバーしてくれて、しかも自分も一緒に歌うことが出来て、本当に嬉しかったんだろうなと。

 

そういえばどのタイミングで言っていたか忘れたけどナベちゃんが、盛大に祝われる佐々木さんが羨ましかったのか文句を言い始めて(これも何て言っていたのか失念してしまった)、でもナベちゃんの誕生日もあんなに祝ったのに!と反論されてすかさず「すいませんでした!」と謝ってしまうという一幕も。

 

 

この日もそうだし、ここ最近のライブでは多少表現を変えていてもほぼ毎回言っている

「ここにいる人たちをひとり残らず連れて行く、もっといい景色を見せる」

という佐々木さんの言葉。フラッド始めて10年経ったけどまだまだやれる、そして「ベストライド」で毎回敢えて歌詞を変えて歌っている「俺“たち”のベストはいつも今なんだよ!!」の叫び。もうそれだけで毎回、このバンドについてきて良かったと思えるし、間違いなくもっといい景色を見せてくれる、って信じられる。

まだまだ「最高」を更新していって欲しい。ずっとついていくから。

 

 

 

そして、Benthamについて。

今回のツアーで初めて、Benthamのライブを観ました。

大好きなバンド、KEYTALKの後輩という事で勿論名前は知っていたし、KOGAさんからCD出し始めた頃に試聴したこともある。しかし音源やPVだけをチェックする限りでは、(失礼を承知で言います)最近の傾向である聴きやすい感じのポップな曲調という印象で止まっていて、特に気になった訳ではなかった。

その一方でライブがすごいという評判を何処かで聞いていたので今回フラッドの対バンで観られる事は楽しみにしていました。

 

そして迎えた初日、Benthamの1曲目が始まると音源からの印象と余りにも違い過ぎて、

「衝撃を受けた」

と文字にすると月並みになってしまうけれどたった1回のライブで、始まってものの数分でそれまでの印象が全部良い意味で、良い意味でぶっ壊れた。ここ何年かそんな経験、してない。決して大袈裟に言っている訳ではないです。こんなに良いバンドだったことを知らずにいたなんて!

きっと私みたいにライブを観たこともなく、ちょっとどこかで耳にした時の印象だけで大して注目していない人がたくさんいるのかもしれない。もちろんまだまだこれから大きくなっていくバンドだとは思うけど。

それで、今回観る機会がなかったら、ずっと本当のBenthamを知らずにいたんだなあと思うと今回の対バンは本当にありがたい機会だった。

 

20161001/a flood of circle「A FLOOD OF CIRCUS大巡業2016」@新代田FEVER 簡易レポート

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今年結成10周年を迎えたフラッドの、今年2本目のツアーであり

11月23日に開催を控えている自主企画「A FLOOD OF CIRCUS」へと続く対バンツアー。東京は2日間、両日共にBenthamを迎えての公演。

まずは初日。翌日に30歳の誕生日を迎える佐々木さんにとっては、20代最後のライブ。

 

 

 

 

 

以下、セトリ・内容のネタバレを含みます

 

 

 

会場であるFEVERの入口は小さな旗が連なった飾りと、アルファベット型の風船で「A FLOOD OF CIRCUS」と綴られ、何となくサーカスっぽい装飾。会場で流れるBGMもサーカスを意識したような音楽(佐々木さんは「運動会みたい」と言っていた。TDLワールドバザール~プラザ辺りでかかってそうなやつ)

ステージには特製のバックドロップ、サーカスのテントの屋根に「A FLOOD OF CIRCUS」と書かれているとても可愛いデザイン。

 

 

 

Bentham

 

「こんばんは…あ、間違えた!おはようございますBenthamです!!」というMCにフラッドへの愛が早速感じられる。

何曲か演奏した後、

「Benthamの曲の中で、フラッドをパクったんじゃね?と言われている曲がありまして…今日はフラッドのファンの皆さんに本当に似ているのか判断して貰おうと思います!」

と言って自分たちの曲である「TONIGHT」を少し演奏…してからフラッドの「The Beautiful Monkeys」をそのまま1曲丸ごとカバー!あの荒々しい曲を見事な完成度で、そしてかなりの熱量で弾き切る

これにはBenthamを初めて観たであろうフラッドのファンも大盛り上がり。

この2曲、イントロのコード進行が全く一緒なんですね。TONIGHTは初めて聴いたけれど、イントロの部分は確かに似てました。笑

 

この日初めてBenthamのライブを観る人も恐らく多かったからなのか、ライブ中何度も客を煽りフロアを盛り上げていた彼ら。「手の鳴る方へ」では曲の途中でのコーラスの練習に加え、須田さんによる

「フラッドBentham大巡業!FEVER!!」

というコール&レスポンスで更に盛り上げる。

 

「今回のツアーで対バンするバンドの中で一番フラッドのライブを観ている」

と語っていたが、それもそのはずで先日行われたスペシャアプリの生配信でも言っていたけれど小関さんはバンドを組む前に、佐々木さんが通っていたスタジオで働いていたのでその頃からの付き合いだという事、またBenthamが結成された後、Bentham加入前の辻さんと佐々木さんが一緒にBenthamを観に行っていた程の仲で、いつかBenthamのライブにフラッドを呼びたいと思っていたら今回呼んでもらえたのでとても嬉しいと話していた。

 

 

Benthamのちゃんとした感想は2日目の方で書かせてもらおうと思いますが、音源やPVのポップな印象とは全然違う、とにかくその熱量とキレのある演奏にただ驚かされ、彼らへの印象が良い意味でガラッと変わった、そんなライブでした。

また、実は開場前にクロークに預けるために荷物をまとめていると、Benthamのリハが音漏れしていて、「The Beautiful Monkeys」聞こえちゃったんですよね。そうか今日カバーやるのか、と楽しみになった反面折角の見せ場を先に知ってしまった残念さがあったのですが、

本番ではただカバーするだけではなくひとネタ仕込んでくれていたおかげでそうきたか!と余計びっくりしたし、かえって楽しめた気がします。

 

 

 

 

 

a flood of circle

 

 

フェルディナン・グリフォン・サーカス

スカイウォーカー

ロックンロールバンド

Quiz Show

TONIGHT(Benthamカバー)

Sweet Home Battle Field

コインランドリー・ブルース

FLYER'S WALTZ

Blood Red Shoes

Dancing Zombiez

シーガル

ストライド

Diamond Rocks

BLUE

 

世界は君のもの

KIDS

 

佐々木さんが「サーカスへようこそ!」と言ってからの、フェルディナン。

そう言えばこのツアーにぴったりの曲もうあった!笑 ライブでは久し振りに聴いた気がします。

スカイウォーカー~ロックンロールバンドの流れで一気に勢いを付け、「次は何でしょう…」という佐々木さんの煽り。この辺りは先月のLOFTでのライブと全く同じなのでこの後の曲はすぐに分かったけれど、

Quiz Show大好きなので「次は何でしょう」と意味ありげに煽られた瞬間もうソワソワしてしまう。

以前はそのまま佐々木さんの「問題です」の一言が続いていたが、音源と同じようにカウントを始めるようになっている。

 

「マジで打ち合わせをしてなかった」という話を挟んで演奏されたのは、Benthamがフラッドのパクリだと言われる、と先程ネタにしていた「TONIGHT」のカバー!Benthamがあのネタを仕込んでいることを知らずにこの曲を練習してきたという事か。自分たちの曲とコードが近いから、カバーしやすかったのかな、などと勝手に考えてしまう。

 

 

今回のイベントの名前「A FLOOD OF CIRCUS」について

フラッドがシェルターに出始めていた頃に当時の店長である西村さんに可愛がってもらっていて、当時シェルターのライブで一緒だったbloodthirsty butchersの吉村さんがフラッドの事を「a flood of circus」だと勘違いしていて、でも大好きな先輩だったから、勘違いされて悔しいとかは思わなくて、今回タイトルにした、と。

そして今回の会場であるFEVERは、実は西村さんがシェルターを辞めた後に作ったライブハウスだという。

 

また自分たちは他のバンドのように地域密着型のフェスは開催できないから、それならもうフェスごと巡業してしまおう、と言うのが今回の“CRICUS”の由来でもあるという。目指しているのはロラパルーザ(アメリカで行われているツアー形式のフェス、らしい。今調べた。間違ってたらすいません)なのだそう。

 

 

Sweet Home Battle Fieldではいつものように佐々木さんがギターを置いてタンバリン片手に歌い、途中でタンバリンを無造作にテツさんの首にかけ、間奏が終わるとマイク片手に客たちの上へ。正座のような体勢で大勢の客に支えられながら、この日も手の届く範囲のお客さんの手を順番に握りながら歌う。

 

このライブで初めて告知された、11月23日に発売されるシングルの曲「FLYER'S WALTZ」を初披露。イントロはタイトル通りの3拍子で、その後は威勢のいい4拍子へ。

ここ最近の新曲は「青く塗れ」「BLUE」共に明るい感じの曲だったけど、この曲は「Blood Red Shoes」あたりを思い起こさせるような、魂を奮い立たせるようなナンバー。

だと思っていたら次の曲がBlood Red Shoesで良い流れだなーと。

 

しばらく定番曲が続いた後の「Diamond Rocks」には驚きました。加入直後から定番曲でなかったQuiz Showやコインランドリーを弾きこなすテツさん、この曲も既に出来るのか。個人的な話になりますが最近よく聴いていたのでこのタイミングで聴けるとは思わず、嬉しい。

 

アンコールでは「世界は君のもの」これも最近のセトリにはなかなか入らない曲で予想外過ぎて思わず嬉しい悲鳴を上げてしまう。

「太陽の子供たちに捧げる」と言ってからのこの日のラストはKIDS、最後の最後で盛り上がるしかないこの曲を入れてきた事に、明日もあるけど出し惜しみは一切しない、というフラッドの気合を感じた。

 

気合…と言えば、佐々木さんもめっちゃ気合入ってる、革ジャンに鋲打ってきたとか言ってた気がする…

お店のインスタで上がってたから多分それでしょうか。

見たこと無い革ジャンだなー ツアーに合わせて新調したのかな、なんて思いながらライブ観てたから何となく覚えている。

 

 

9月からサポートに入っているテツさん。個人的にはLOFTのライブに続き、この日がテツさん加入後2回目のライブだったけれど、入ったばかりとは思えないくらい既に馴染んでいるように見えました。

マーシャルのベースアンプ使ってるって…マーシャルってベースアンプ出してたんだそれよりベースアンプでギター鳴らしても大丈夫なんだ… そのお陰なのかは分かりませんがテツさんのギターの音はかなり大きくて、荒々しい歪み方で、またそれがとても素敵でフラッドの曲によく合う。

佐々木さんもライブ中ニコニコしながらテツさんの方を見ていたり、テツさんがソロ弾いてる時に拳で軽く突っつきながらちょっかい出していたり、ものすごくかわいがっているみたいだったので

過去最高のサポートギターだと思っていたキョウスケ君が抜けて不安だったけど、その不安を一瞬で払拭するような良いギタリストが入ってくれてよかったなと。このまま正式にメンバー入りしたらいいのに。

 

 

 

ツアー初日、そして小さい会場という事でいつも以上の熱気で、佐々木さんもその盛り上がりをみて嬉しそうに笑いながら何度も「最高!」と言っていた。

 

佐々木さんはBenthamについて、小関さんの話にもあったように彼らがバンドを始める前に出会ったこと、まだメンバーではなかった辻さんとBenthamのライブを観に行っていたこと、そして小関さんと須田さんは年下だけど、辻さんと鈴木さんは年上だからどういじったらいいか分からない、的な事を言っていました。笑

Benthamがどういうバンドなのかもよく分かったし、翌日はもっとすごいことになりそうと大いに期待をさせてくれたツアー初日でした。

 

2日目に続く

20160801/9mm Parabellum Bullet×KINOTO 15TH ANNIV! proudly presents“ジャイアン・メイデン”@渋谷club乙 簡易レポート

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今回は文字通りの「簡易」レポートです

MCほとんどうろ覚えです。合っているか自信がない

 

 

 

ライブハウス 渋谷乙 15周年おめでとうございます!!

 

15周年記念として開催されているたくさんのライブのひとつとして9㎜もワンマンをやることは告知されていました。

しかしライブ日程がなかなか発表されず。

7月16日にようやく発表された今回のライブは恐らく病み上がりの滝さんを考慮してか、ゲストを迎えての2マンという形に。

 

そのゲストが何とcinema staff

9mmとは残響レコードの先輩後輩として長い付き合いのバンド。(9mmは3年前に独立しましたが)

この2日後には乙でワンマンをやるシネマ。

そしてOAとして発表された謎の「9mm staff」の表記…

 

タイトルの「ジャイアン・メイデン」を名付けたのはかみじょうさんらしい。久野さん(だったかな?)から「ネーミングオブザイヤー」と褒め称えられていました。ジャイアンとは乙の店長・じゃいあんさんのこと。じゃいあんさんは本当は「菅原さん」なのだそうです。

 

 

 

最初にステージ上に用意されていたのがシネマの機材に加えアコギが2本。

開演を少し過ぎたころ、ステージに登場したのは卓郎さんと飯田さん。9mm staffとはこのお二人でした。

お二人が登場するとフロアの押しがいきなり起こり、少しびっくりした様子のお二人がフロアの心配をする。ここはゆったり観るところだよ(笑)というような感じで。

 

 

◎9mm staff

 氷の世界

 バラ色の日々

 

卓郎さんの弾き語りでお馴染みの氷の世界は、飯田さんがこういう歌謡曲的なメロディーを歌っているのが何だか新鮮で。

 

卓「9mm staffって言うとこの中の何人かは本当にスタッフが歌うんじゃないかって思ったんじゃない?そう思われたらもうしてやったりだよね」

飯「もう歌わなくてもいい」

卓「(シネマはゲストだから)ゲストスタッフだねって。それただの関係者だから(笑)ステージに上がらないでーってなる」

と、そんな感じのやりとりをしていたと思いますが、勝手知ったる仲だからかMCも終始和やか。

私も9mm staffって9mmマネージャーの某どすこい氏が歌うと思いましたから…

 

「9mmは乙には2005年頃から出ている」と卓郎さんが言うと、飯田さんも、シネマも乙には前から出ているけどいつから出てたか調べていなかったらしく「たぶん2005年くらい」と濁し、卓郎さんに「その頃まだ岐阜…名古屋?にいたでしょ」と言われる。

 

バラ色の日々、卓郎さんの歌声がイエモン独特のメロディーに本当に合うなあと思いながら聴いていました。

 

長身の卓郎さんと並んだ飯田さんが、卓郎さんとほぼ同じくらいの身長に見えたのが意外。

自分たちは「9mm staffなんて余興の名前(笑)」なんて言っていたけど、とても余興なんて呼べない贅沢なひと時でした。

弾き語りで聴くと、言わずもがな分かりきっていることではあるけど改めて飯田さん…何て美声なんだ…。

外食みたいに、たまにこのお二人でイベントに出て頂きたい。

 

 

 

続いてはcinema staff

初めて間近でシネマの機材を見て、辻さんのボードの大きさに驚く。滝さんと変わらないくらい?

 

cinema staff

 望郷

 theme of us

 希望の残骸

 Talking Machine(9mmカバー)

 great escape

 西南西の虹

 

ウィーダスン、9mmのバタリアンTシャツで登場。

 

1曲目から所狭しと暴れ回り柵にも登る辻さん。

MCから察するにシネマファンが少ないと踏んだのか、定番曲中心のセトリ。

 

久野さん、客席に向かって

「暑いですねー」

「よくチケット取れましたねーおめでとうございます!」

 

飯田さんが、シネマは調べたら2007年から乙に出ていると、先程のMCを補足。

当時の思い出話で、東京の人は冷たいと思っていたので岐阜の人みたいに優しい、東京にこんなにビール奢ってくれる人がいるなんて、と。

9mmから今回のライブの話が来たのが何と2週間前で、丁度スケジュールが空いていたので快諾したという。「8月1日に「やります」」と食い気味で答えたそう。確かその時だったと思うけど、卓郎さんがステージ袖から出てきてMC聞いてた。

 

今回のライブに誘ってくれた9mmに何が返せるか?と「2週間寝ずに考えて(笑)曲で返そうと。カバーやります」

と三島さん。まさかあれをやるのか…と構えているとDVDでしか聴いたことのないあのイントロが…

 

 

 

 

シネマのトーキン来た!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

「望郷」初回盤のDVDに収録されている、9mmの大定番曲Talking Machineのカバー!!!!!!

 

淡い期待が無かったとは言わないけれど、目の前で聴ける時が来るなんて…!!

 

原曲よりもクール?でシュッとしたアレンジに飯田さんの声が合う。間奏のあのリフをギターとベース重ねて弾くのが堪らなくかっこいい。完全にシネマの曲になっている。これがなかなか聴けないなんて勿体無いから、普段のライブのレパートリーに加えて欲しい…!

 

great escape→西南西の流れで更に押しが強くなり上がる手が増えるフロア、そして西南西では辻さんがギター置いてダイブしたり、三島さんもベースごと降ってきたりと、メンバーのテンションもだいぶ上がりまくって自分たちの出番を締める。(三島さんがベースごとダイブしてきた時には、下手したらネック折れるんじゃないかと思ってすごい心配になってしまったけど、大丈夫でした。よかった。)

 

 

 

転換が挟まり9mmの機材が次々と登場。

ドラムはスネア替えたりチャイナ追加したりしつつ、セットは変えない。かみじょうさん、PHXじゃないのね。スペース的に無理だったのか。

滝さん側にはいつものメサブギーと大きなボードに加え小さなシンセと、シンセ用マイク。

ステージ後方、ドラムセット横にもうひとつボード。滝さん復帰後から加わっているサポートの武田さん(HEREのGt)のスペースが出来上がる。アンプは見えなかった…何を使ってたんだろうか。

卓郎さんのマーシャルはベースアンプの右側に。

ベースアンプは三島さんの時からヘッドだけ変えた仕様で、和彦さんのボードとマイクは壁側ギリギリの位置に置かれる。

 

 

9mm Parabellum Bullet

 インフェルノ

 Discommunication(滝シンセ)

 Vampiregirl(滝シンセ)

 Answer And Answer

 新しい光

 Black Machine Blues(滝シンセ)

 生命のワルツ(滝シンセ)

 

卓郎さんはシネマの新しいTシャツを着て登場。

 

1曲目は最新シングル、インフェルノ 滝さん、あのイントロのタッピングができるくらい回復されたのですね…!といきなり嬉しくなる。

ディスコミュでは突然ドラム以外の楽器の音が全て止まり、さすがに中断。乙のブレーカーが落ちたらしい。

和彦さんが卓郎さんに何か耳打ちした後、卓郎さんが「今からみんなにペダル漕いでもらって…(自家発電のイメージか)」「今入った情報によると少しずつ復旧してるようですねー」などとのんびり話しながら繋ぐ。

 

割と直ぐに復旧し「もう一回インフェルノから…はやらないけど(笑)」とディスコミュからライブ再開。

 

滝さんはディスコミュ中断の時に直ぐ裏に引っ込んでしまったり、小まめに酸素補給をしたり、スペースの狭さのせいかもしれないけれど普段の半分くらいの動きで弾いたり、無理しないように気をつけているように見えた。でも時折元気よく両手を上げたり、いつもみたいに前に出てギター弾いてる姿も見られてひと安心。

 

その分?和彦さんが壁を蹴って勢いをつけたり、狭いスペースを目一杯使って暴れていて、あとは曲の途中など、ピックをやたら投げていたり。卓郎さんも前に出たり、下手に来てくれたりしました。

 

短いセトリではあったけど、卓郎さんが途中で仰っていた「インフェルノの歌詞にあるみたいに命を燃やし尽くすようなライブをする」という言葉通り、今の9㎜が出せる限りの全力を尽くしたライブ。

 

サポートの武田さんは、普段HEREでは割と派手に動きながらギターを弾く人ですが今回は後方で黙々とサポートに徹していました。2年前の滝さん骨折時にも助けてくれたので(そして9mmモバイル会員)これまた安心でした。武田さんありがとうございます。

武田さんが入ると「10mm Parabellum Bullet」になるという話を以前していたようですね。

武田さんは残響レコード所属・名古屋の暴れインストバンドmudy on the 昨晩のサポートもしてくれてましたからね。残響とも縁深い人です。

 

 

 

アンコールは無く、最後に乙の店長・じゃいあんさんが少し挨拶をしてイベントが終了。

150人キャパの乙に170人詰め込んだってよ。そりゃ暑いよ(笑)でもそのおかげで観られる人が増えたんだから(自分も含むであろう)その対応にも感謝です。

どっちのバンドのMCだったか失念しましたが、イベントに合わせセンター街でメイデンのTシャツを買ってくるもジャパンツアー的なTシャツを買ってきてしまったと。確かにじゃいあんさんの背中には「MAIDEN JAPAN」と書いてありました。笑

9mmのお客さんが5人くらいの時からライブを観ていて、9mmはその後多くの人に知ってもらえたけど、ライブハウスに出ている人達の中には、いいバンドだけどまだ知られていない人達がいるから、観に来て欲しいと仰っていました。そう言われてみれば、箱のイベントに行く機会もかなり減ったので気が向いたら観に行くのもいいかもと思わされる。

 

 

 

この次の日にはPeople In The Box、その次はシネマのワンマンが行われていて、どちらもかなりレアなセトリだったようです。滝さんのことが無ければこの日はきっと9mmのワンマンで、もし予定通りなら馴染みのライブハウスという事でレア曲祭りになってたのではないか、と考えると少しだけ残念に思うところはあります。

 

しかしまたステージに立てるようになった滝さんを見届けられたこと、馴染みのライブハウスで楽しそうに演奏する9mmメンバー、そして何より一度は観たかったシネマとの対バンを観ることができた嬉しさはそれ以上に大きかったです。

 

シネマは6月のワンマンにも行けなかったのでライブハウスで観るのが久し振りで、大きい場所だといい意味でゆったり聴けるバンドだけど今回はセトリも熱くてあんなに盛り上がって、三島さん辻さんが至近距離で暴れ倒すのにも圧倒され、カバー以外は定番曲だったから賛否あるかもしれないけど個人的にはかなり良いと思った。シネマ…かっこいいな…と。

 

卓郎さんと飯田さん共通の、ライブではお馴染みのやつ、

「いけるかあああああああーーーー!!!!!!!」

が続けて聴けたのもとても嬉しい。

 

 

今回がはじめての乙でした。

シネマは自分たちのファンが少ないのではないか的なことを言ってたけど、シネマも9mmも両方好き、というお客さんがほとんどだったように思えた。だからもっと大きな箱でもまた対バンしてくれたら嬉しいな。

 

感無量の2マンでした。

ありがとうございました。

 

 

 

20160709/9mm Parabellum Bullet TOUR 2016“太陽が欲しいだけ”改め 菅原卓郎・中村和彦・かみじょうちひろ アコースティックライブ@長野CLUB JUNK BOX 簡易レポート

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4月にリリースされたアルバム「Waltz on Life Line」を引っ提げ、ツアーを開催している…はずだった9mm。

しかし6月の野音ワンマンからの滝さんの腕の不調により、ツアー6月・7月公演の中止を余儀なくされてしまいました。中止になった日程は代わりにアコースティックライブを開催、6月の公演は卓郎さんと和彦さんのふたりで廻り、7月はかみじょうさんも加わって3人で廻ると、公式で発表があった通り。

 

以下、セトリ・MCのネタバレを含みます。

 

 

 

 

長野と言えばかみじょうちひろさんの地元。ということで和彦さんのように地元だからMCもするのかな?という期待が大いにありましたが…。

 

会場にはほぼ満員と言っていい程のお客さん。開演まで割と静かなBGMが流れ、お馴染みの登場SE・Digital Hardcoreが流れる事もなく、少しBGMの音量が大きくなり客電が徐に落とされメンバーが登場。

(後で卓郎さんが話していたけど今回のBGMはレディオヘッドレッチリの新譜を交互にかけているとのこと)

 

 

The Revolutionary

黒い森の旅人

氷の世界

Lady Rainy

太陽が欲しいだけ

Black Market Blues

 

(teenage)Disaster

 

 

曲を演奏する前に、滝さんに関しては今発表されている事がメンバーも分かっている事の全てだと話す卓郎さん。今まで何度も指が攣ってきたことも原因があるかもしれないから検査をしている、と。

卓「これまではおれと和彦の東北コンビで廻ってきたけど、今日から長野さん(かみじょうさん)が加わったから。今日から北国トリオで(笑)9㎜ではないけど、9㎜の歌は届けられるから来ました」

卓郎さん曰く「長野」と書いて「かみじょう」と読むらしい。

 

 

1曲目は弾き語りやアコースティックライブでは最早、定番となっているカントリー調の元気なアレンジでThe Revolutionary。

このアレンジと言えば卓郎さんの吹くハーモニカ…ですが曲が終わると卓郎さんから何と今日ハーモニカを忘れたというまさかの告白が。

スタジオから帰る時に、普段はギターケースに入れるハーモニカをバッグに入れてしまったこと、忘れないように…と荷造りしていて、荷物のそばに無かったからちゃんと入れたと思いきや入ってなかったと。

マネージャーさんが楽器屋に買いに行くことで何とかなったそうで。

卓「ハーモニカが2種類売っていて、マネージャーからどっちにしますかって写真が送られてきて。それであっ…安い方で…って。あ、お金払ってない(笑)」

「なかなかハーモニカ来ないからそしたらサライでも歌うかって(笑)」

卓「その後目薬を刺そうと…突き刺そうと(笑)して目薬を出そうとしたら…これですよ(忘れたはずのハーモニカを掲げながら)」

荷物にちゃんと入ってたんですね…。笑

 

 

「青森では「青い森の旅人」でやったけど…今ので何の曲か分かるよね(笑)長野も森が多いけど「長野の森の旅人」でやるわけにもいかないから」という前置きからの黒い森。先月の野音では卓郎さんひとりで歌った曲。メロディーの美しさがアコースティックサウンドに合っていて、今回はリズム隊がいるから音の重さが良い感じに加わって更に素敵です。

 

先日、NHKの番組「The Covers」に出たことにも触れ、番組内で披露した「氷の世界」を。

最近の弾き語りでは必ずと言っていい程披露されていて、すっかり卓郎さんの持ち歌のように馴染んでいる。

 

卓郎さんのデモが弾き語り状態で、ハイハットがここで開けたり…閉めたり…(「いやハイハットってそういう楽器だから(笑)」という突っ込みが入り、かみじょうさんがハイハットを鳴らす)ベースは中村さん…お願いします…とコードだけ伝えて丸投げ、ギターもアルペジオみたいな感じで、とほぼ丸投げだったという話からのLady Rainyはリズム隊が至ってシンプルなアレンジで歌を引き立たせているようで、やはりアコースティックでやるのがぴったりな曲。

卓郎さんは自らの丸投げプロデュースを「リックルービン(レッチリのプロデューサー)みたいに、こうしろって言わないで好きなようにやらせる」方式で、と例える。リックルービンさんは、マキシマムザ亮君を倍にしたような見た目の方だそうです。

 

 

他の会場のセットリストがもうネットなどに流れている、だから1曲追加するというようなことを言って演奏された太陽が欲しいだけ は、スウィングのような少し跳ねたリズムのアレンジ。原曲の圧倒的なエネルギーが無いかわりに、じわじわとあたたかくなるような優しさを感じるような曲調に。

まさかこの曲をアコースティックでやってしまうとは想像もできなかっただけに、しかもこの公演で初披露という事でこれは嬉しい限り。

 

アレンジを考えるにあたって、Discommunicationのように3拍子でやったらどうかと、マネージャーさんから提案があり、やってみたけどしっくり来なかったという裏話が。(ここで少しだけDiscommunication披露)3拍子バージョンも歌ってくれたけど、卓郎さん曰く「長渕みたい」な変なインパクトのある感じになってました。終わりたくなくなるんだって、楽しそうに歌ってたけど。「たいよーうがほしーいだけー」みたいな感じでした。

それを見た和彦さん、爆笑。「楽屋でやってたの思い出して…あれやる気だ!って(笑)」

 

 

ここで20日にリリースされる新曲「インフェルノ」の話へ。

卓郎ちひろでアニメ誌のインタビューを受けるにあたり、参考にしようと滝さんが受けたインタビューを読んでみたら、この曲を伸ばしてしまう事は“濃厚なとんこつラーメンを水で薄めてしまうようなものだ”と言っていてああなるほど、と思ったそうです。まさかインフェルノのアコースティックやるのか!?と一瞬思ったけどさすがにそれはなかった。

 

最後はもうすっかりお馴染みになったBMBのアコースティック。ただ長野ではアコースティックライブは初めてのため、客にリフを歌わせるという説明のところでどよめきと笑いが起こる。

「最後にやる事が増えたよ(笑)」とお客さんを煽る卓郎さん。

普段のライブよりは控えめだけど恒例の「いけるかーーー!!!?」もここで。

お客さんがリフを歌ってる時にかみじょうさんが何か言ってたけど残念ながら聴き取れず…。

当たり前だけどアコースティックだと客席も落ち着きがちになる。そこに合唱や手拍子が入るこの曲が来ると会場がひとつになって盛り上がるから、ライブを熱く楽しく締めるためにアコースティックの時にはこの曲が欠かせない。

 

 

アンコールで出てきた卓郎さん。長野県歌「信濃の国」の一節を歌うと客席がすかさず大合唱。卓郎さんは「(歌詞の)善光寺~」の部分が好きなんだよ、と。

本編で喋りすぎてこの時点で10分押していたそうです(笑)

卓郎さん「忘れ物番長のおれが言うのもあれだけど、今日のチケットはなくさないように持っていてください。失くさないようにずっと握ってるのはダメだよ。親に預けるのもね。捨てちゃったわよってなるから(笑)」

アンコールはこれもまさかの(teenage)Disaster、普段の9mmライブでも聴ける機会が減ってしまっただけにびっくり。そう言えばMTVアンプラグドでやってたっけ。

 

本編終了後と、アンコールが終わって退場する前にいつものように何度も客席に向かって手を上げ、笑顔で客席を見渡し、マイクを通さずに「ありがとう!」と叫ぶ卓郎さん。和彦さんもピックを投げたり、アンコール後は(よく見えなかったけれど)かみじょうさんも前に出てきて何かやっていて、客席から笑いが起きていた。

 

 

 

アンコール含め僅か7曲。でもライブは1時間20分くらい。

1曲終わる毎に卓郎さんのワンダーなMCが始まり、9mmライブでは仙台でしか喋らない和彦さんがたくさん喋り(東北コンビの弾き語りでは喋るけど)更に今回はかみじょうさんも加わって3人でゆるいトークが繰り広げられ…と普段では絶対に観られない光景が。

あまりにもトークが長く、覚えていられないくらいの量だったので記憶にある限りで書いていきます。順不同。ちょっと違ってたらすいません。これでも多分いくつか忘れている

 

 

ライブ序盤は卓郎さんに話を振られても何故か口笛で返していたかみじょうさん。何度も話しかれられ、

ち「俺、口笛キャラでやろうと思ったのにー」

卓「じゃあブログも口笛でやりなよ」

ち「イタい人だと思われるじゃん」

 

話が脱線しまくりグダグダになる中、かみじょうさんが「早くライブやろうよー!」というようなことを言っていた気がする。何とか脱線しているのを戻そうとするリーダー。

 

 

卓「おれ、長野に着いてから頭が痛くて…たぶん高山病だと思うんだけど」「長野は標高高いでしょ?おれたちみたいに東京で這いつくばってる人からしたら高いよね(笑)」

卓「かみじょう君の地元は何m?」

ち「860mくらい」

卓「ほら、スカイツリーよりも高いんだよ?(笑)」

ちなみに卓郎さんは高山病だと思っているけど、高山病については「岳」という漫画で読んだ知識だけらしい。高山病って頭痛くなるんでしょ?程度の説明。この時だったかインフェルノのくだりだったか忘れましたが卓郎さん曰く和彦さんはそんなに漫画読まないそうです。

 

前述のハーモニカの話と、“ツアー中に2回くらいサングラスを忘れる”エピソードからの、卓郎さん。

卓「(忘れ物が多いので)そそっかしくてね…サザエさんと同じ病気かも」

和「サザエさんは病気じゃないから(笑)」

 

長野トーク

◎かみじょうさん予備校の友達と夏の上高地に行って、清流の中にパンイチで飛び込んだけど水温が2~3度しかなかったらしい。

ち「上高地はあれだよ…やべえよ」

ち「生まれてきたことを後悔するぜっ!」

卓「(清流の話を聞いて)それやっていいの?」

ち「一応…国立公園に指定…?されてるから良くない…と思う」

 

◎和彦さんがかみじょうさんに、かみじょうさんプロデュースの曲「火祭り」が地元・長野の祭りがモチーフになっている話を振る。

卓「?あ、プロデュースね。プロレスに聴こえた(笑)」

ち「長野は(大きいから)北信、中信、南信ってなってて、あれは南信の文化だからここにいる人たちはおおーってならないよ。折角話振ってくれたのにごめんな和彦お前良いやつだな後でビール奢ってやんよモルツ?琥珀エビスか?」(銘柄うろ覚え)

 

◎長野出身の元9㎜スタッフさんの話

そのスタッフさんの話を聞いているうちに、長野のローカルCMの曲を覚えてしまったメンバー。

スタッフさんは酔っぱらうとその曲を振り付きで歌い始めるそうです、という話。

何のCMソングなのだろうか…。

 

◎Gjallarhornのリリースツアーで、松本でライブをした時の事。

卓郎さんと滝さんは大学の卒業がかかった試験の直後で「もし(試験がダメで)追試になるようなことがあれば俺東京に帰る」と大変心配していた滝さん。泊めてもらっていたかみじょう家で、弟さんのパソコンを借りて確認していたらしい。結局大丈夫で、滝さんは大喜びだったと。卓郎さんは8割方大丈夫だと思い込んでいて、そんなに深刻に考えていなかったそう。

名付けて“滝くん危機一髪”

卓「おれと滝がダメな学生で、ここの二人(和彦ちひろ)が優秀で」

ち「お前本当ひどかったよな(笑)」

卓「滝とおれは同じ学部だったからノート貸し借りしたりね」

ちなみにかみじょうさんの同期には、なかなか卒業できなくてかみじょうさんと一緒に入学したのに3つ下の和彦さんと同じタイミングで卒業した人がいたという話が。(かみじょうさんは大学院に進んだので6年で卒業して、その人は8年かかって卒業したという話)

 

メンバーの実家のもてなし話

以前はツアーの時にはメンバーの実家に泊まることが多かった9㎜。どの家でもメンバーは手厚くもてなされるようで、長野のかみじょう家では大量の野沢菜を振る舞われた。

卓「見たこともない野沢菜の量で(笑)」

和「一家にこんなに野沢菜あるんだ…って(笑)」

(誰が言ったか忘れた)「地獄のもてなしを…」

ち「生まれてきたことを後悔させてやるよっ!」

また仙台の中村家では打ち上げ後、深夜に帰宅したら和彦さんのお母様が御馳走を用意して待っていたらしい。

和「母ちゃんにもう帰って寝るだけだからって言っといたんだけど」

和彦母「何飲む?(プシュッ)」と出迎えて答えも聞かず缶を開けていたそう。

というのも和彦さんにとって9mmメンバーは大学の先輩であり、親御さんにとっては「息子の大学の先輩が来る!」という状況であったためだという。

 

 

3人のグダグダなトークを聞いていたら、かつてDVDの副音声でメンバー全員でトークやってた事を思い出した。

今ではメンバー全員でインタビューを受けたり、プロモーションをすることが非常に稀になってしまったので数年前までは当たり前のように見聞きしていた光景に近いものがまた観られるなんて、何年経ってもやっぱりもの凄く仲良いんだな、と非常に嬉しかったです。

…なんて冷静に振り返っているけど、本当に面白すぎて。東北コンビは弾き語りでは喋るけど、かみじょうさんがこんなに饒舌に喋ってるところを生で観られるなんて!貴重か!こんなに面白いんだったら普段のライブでもみんなで喋ってよ!!って思ってしまう。トークの部分だけでもCDに収録してリリースして欲しいくらい。笑

 

 

ツアー中止が発表されて、もちろん残念ではあったけどその直後にアコースティックやると告知があって。

卓郎さんがブログで「これは9mmのツアーではないけれど9mmの歌は届けられる」「もしよければアコースティックライブを観に来てください。楽しませます」と言ってくれたこと、直前で卓郎さん&和彦さんにかみじょうさんも加わってアコースティックやるという初めての編成になることが発表されて、これはこれで純粋に楽しみになった。

まだ完全に中止になるか振替公演ができるか分からないから、チケットがある人はフリーで観てください、チケットは回収しません(ドリンク代すら取られなかった)という対応。

そしてライブではアルバムの曲を早くもアコースティックで聴かせてくれたこと、できる曲が少ないから、たっぷりのトークで大いに楽しませてくれたこと。

ライブを観ていたら不思議なもので、滝さんがいないのにあのリフやコーラスが聴こえるような気がして(曲に合わせて勝手に脳内再生でもしていたと思われる)やっぱり寂しさはあったけど、卓郎さんの言っていた通り物事を良い方に考えるなら、普段なら絶対に観られない特別なライブを観ることが出来た。

メンバーとスタッフの皆様の心遣いのおかげで何ヶ月も前から楽しみにしていたこの日を本当に楽しく過ごせました。

 

 

 

信濃の国

すいません、知らなかったので帰ってから調べました。長野県歌なのですね。

昨日集まった長野県民の皆様、地元の県歌を歌えるなんて素晴らしい…と客席の大合唱を思い出して感動してしまった東京都民です。


信濃の国合唱 歌詞と解説付き