最後の駅の向こう

何でもすぐ忘れる人の特に記憶に残しておきたいライブの簡易レポートと趣味のレビューの予定。あくまで予定。

20170625/9mm Parabellum Bullet“TOUR OF BABEL”@日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール 簡易レポート

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MCで卓郎さんも仰っていましたが、ツアーファイナルです。

この後にモバイル会員イベントを控えているため、ファイナルという感じがあまりしませんでしたが、それはまた別…ということで、ファイナルです。

神奈川と神戸でサポートギターとして参加した為川さんに代わり、武田さんと同じくHEREのギタリストである三橋隼人さんが参加。


ビレッジホール、入ってみるとこれまでで一番小さい会場で、その分ステージとの距離も近くて観やすい。今回のツアーは全て上手側という偏りまくった座席だったのですが、この日は惜しくもドラムセットが丸被りしてしまった三橋さんを除いては、ステージ全体が良く見える席でした。


また、全体的に年月を重ねた雰囲気と内装もあってか、卓郎さんがこの会場が一番BABELっぽい、とも仰っていました。

 


 

1部“LIVE OF BABEL

 

ロング・グッドバイ

Story of Glory

I.C.R.A

ガラスの街のアリス

眠り姫

火の鳥

Everyone is fighting on this stage of lonely

バベルのこどもたち

ホワイトアウト

それから

 

2 OUTSIDE OF BABEL

サクリファイス

The Revolutionary

ダークホース

The Lightning

黒い森の旅人

キャンドルの灯を

インフェルノ

Black Market Blues

ハートに火をつけて

Cold Edge

Punishment

 

Discommunication

新しい光

 

 

神奈川・神戸とは違いステージに幕がなく、開演のブザーが鳴ると暗いステージにメンバーがぞろぞろと登場、スタンバイが終わるとロング・グッドバイのイントロが鳴り響きメンバーの背後から強い光が当たる。きっと神奈川・神戸の、幕の裏側はこんな感じだったのでしょう。

 

I.C.R.Aツインギターは武田さん&三橋さんがそれぞれ担当。

 

ガラスの街のアリス、武田さん三橋さんでメロディーをオクターブで弾いていて、流石の息ぴったりな演奏。

 

眠り姫では三橋さんがアコギ、武田さんがコーラス。

 

火の鳥 曲の頭であれ、何か違うぞと思ったら原曲より半音下げて演奏が始まる。確かに卓郎さん、サビの高音が結構キツそうだったから下げることにしたのか

ひとつ前の曲、眠り姫が半音下げチューニングだから全員楽器を持ち替える必要もない。

 

Everyoneでは初めてかみじょうさんがコーラスしている時の表情がちゃんと見えて(今まではシンバルの陰に隠れて見えなかった)力強く歌うかみじょうさんの姿がやっと観られて嬉しいです。コーラスのパートでは手数が減るから、とはいえ忙しい曲の合間の、つかの間の手数の少なさなのにそこにコーラスを入れるという…

 

バベルのこどもたちの間奏、和彦さんがシャウトする時に卓郎さんがサポート陣のスペースの真ん中まで下がっていた。ここが和彦さんの見せ場だから、なのかなと。ここの音圧、和彦さんの切実ささえ感じられるようなシャウトに毎度圧倒され、絶望の中に叩き落とされたような感覚があり、完全に曲の空気感に支配されるよう。

 

神奈川と神戸で大きな違いがあったので注目していたホワイトアウトの照明は、ステージの上からミラーボールが現れ、そこに左右から光を当てると白い細い光が放射状に放たれていく。息を呑む美しさ。これが3会場の中で一番雪舞う景色に見えた。

 

それから は「悪魔のささやきは〜」の部分、赤く暗い照明の中で卓郎さんだけが切れかけの電球のような小刻みに点滅するようなスポットライトに照らされ、曲中の「わたし」の心の中に放り込まれたような空気で、アルバムの世界観をこんなにも視覚でも感じられることに毎回感動させられるところ。ここと、卓郎さんがまくしたてる中盤のパートで陰鬱な気分に完全に支配され、それがあるからこそ「わたしはあなたと乗り越えたいのさ」の一言が発する希望が引き立っているのかなぁと、そう捉えました。


 

アナウンスを挟み第二部へ。

 


The Revolutionaryはイントロ序盤で弦楽器隊の4人が真ん中に集まってネックを振り上げる、その姿がただただかっこよくて、ただかっこいいというそれだけなのに泣けて泣けて。文章にするとおかしなテンションの人みたいですが、自分でもびっくりするくらい突然に視界が滲むという。

アウトロで和彦さんがかみじょうさんの近くまで移動して、リズム隊2人が向かい合ってアイコンタクトを取りながら演奏してたのがとてもよかった。

後ろでは卓郎さんが武田さん三橋さんのところへ行って3人でギターを弾いていたのがまた良かった。

 

The Lightning間奏、前半では武田さんと三橋さんが4小節ずつ交互にリフを弾くという今回ならではのパートの振り方、また原曲にないツインリードのアレンジが出たのも確かこの曲の間奏だったかと思いますが、ここでも元々同じバンドで活動するおふたりならではの息ぴったりなところがちゃんと見せ場としてあるのが素晴らしい!ギター3いるとこういうアレンジ出来るのが本当に良い!

 

黒い森の旅人 のツインリードは武田さんと卓郎さんだっただろうか卓郎さんがソロ弾く時の、ビブラートのかけ方が大好きでどこまでも伸びていくようなビブラートがとても聴いていて気持ち良い。卓郎さんのギターの上手さが分かるところ。

  

今回もBlack Market Bluesから卓郎さんがハンドマイクで歌う。その次のハートに火をつけて でも同様で、イントロなどでゆるく踊る卓郎さんが見るからに楽しそうで見てるこっちまでワクワクする。

 

ハートに火をつけて の間奏で最近やっている弦楽器隊が左に横移動するところで、左にずれた後に卓郎さんがおどけた表情を浮かべていたのが可愛らしかったです…ちょっと目を見開いて口も「あれー?」と言いたげに開けているところ。

 

メンバー紹介、まずサポートおふたりを

「もはや後ろHEREじゃん!」

「日本一ハイテンションなロックバンド、HERE!」と紹介、名古屋城のしゃちほこのかわりにこのふたりを置こう、とワンダーなMCをしつつまず武田さんを左のしゃちほこ、またお馴染みの

「誰よりも9mmを愛する男」と紹介。速弾きも取り入れたハイテンションなソロを披露。

次に三橋さんを右のしゃちほこと紹介。ものすごくキレのあるロックンロールなソロを披露。これがめっちゃかっこよくて。大きな歓声が上がる。

 

「次はどっちかな〜」と言いながら和彦さんを見たり、かみじょうさんを見たりキョロキョロする卓郎さん


で、次は和彦さん。卓郎さんが20歳の頃から一緒にいるが、出会って2年くらい経った時には今くらいの髪の長さだったらしい。今回はひたすら髪の長さをいじり、神奈川・神戸同様スローでグルーヴィーなソロを披露。


そしてかみじょうさん。普段は要塞に隠れて見えないと言われるけれど、今回は要塞ごと前に出ました、と。スティック回しも入れながら圧巻のソロを披露。

 

最後は卓郎さんということで和彦さんが徐にマイクを握り、

「おい!!!」

とまた喧嘩腰で話し始める。

「やっぱりギター持つのかよ!弾きたがりか!!!」

と食ってかかり、ここでも

「山形一の弾きたがり!!!」と紹介。

卓郎さんソロ、各地で元ネタにしてる曲があるんですか?今回もわからず。ギタリスト菅原卓郎としての見せ場があるのがやはり嬉しい。

 

ハー火からまたドラムで少し繋ぎCold Edgeへ。赤から一気に青くなる照明の切り替わる様さえかっこいい。

 

本編ラスト、静かなイントロが流れただけで大歓声。

5人編成のPunishmentの半端ないキレと、間奏の5人並んで演奏するあの光景。間奏に入ると武田さんと三橋さんが顔を合わせてタイミングを計り、同時に飛び出てきたところが「くるぞくるぞ……きたー!!!」という感じで観てるこっちがテンション上がりました。

最近はセトリに入ることがすっかり減ってしまったとはいえ、やっぱり9mmライブの終盤と言えばこの曲だし、あのイントロの爆速カッティングを聴けば一瞬で血が騒ぐ。

 

本編終了後かみじょうさんが、ありがとうと言いたげに頭上で合わせた手を前後にぴょこぴょこ動かしながら、同時に足も跳ね上げるようにぴょこぴょこ動かしながら可愛らしく退場していった。(この日一番笑った)

毎度ライブの時に密かに楽しみにしている、かみじょうさんの退場シーン…ですがライブハウスだとなかなか見えなかったりするので、こういうところが良く見えるのも指定席の楽しみのひとつ。

 

 

新しい光のアウトロ、卓郎さん和彦さんがサポート陣のところへ行き、後列で4人揃ってネックを振り上げたのが最高にかっこよかったけれど、そのせいでかみじょうさんひとり前列に残されるという、ちょっと面白い光景になっていて。

いや、今思い返せばかみじょうさんを目立たせるためか?

 

 

 

以下、またMCを箇条書きで

 

場内アナウンスがベルセルクのガッツ役、岩永さんであると紹介。開演前のアナウンスは岩永さん、第2部に入る時はガッツとして読んでいる。ガッツではなく岩永さんとして読んでくださいとお願いしたが、ガッツはこういうことは言わない、“ありがとうございます”とか言わないから、と原稿を書き換えてくださっていたらしい。

 

OUTSIDE OF BABEL」という副題を考えたのは和彦さん。

 

BABELの外側だけど、9mm4人が作っているから、他の曲とも繋がっているから、と。どうつながってるかを考えるのはみんなだから、とも。

 

 

 

この日は滝さんが観にいらしていて、しかも2階席1列目のど真ん中に座っていたので2階席がざわついていたのか?途中で卓郎さんも滝さんが来ていることに触れる。「滝が来てます…ひとりにばれちゃったらもうみんなにばれたのと一緒だからね。笑」と。その紹介をしていた時に2階席に目を遣るとそこにはいい笑顔の滝さんが。

 

また、滝さんがいないから9mm見ないという声もあることを言いつつ、今の9mmについて、客席に「どう思う?」と問いかける。客席から返ってきたのは、あたたかい拍手。

 


インフェルノに入る前だったか、去年のツアーの名古屋公演で、卓郎さんがライブの途中でもうダメなんじゃないかと思ってしまって、でも客席のみんなを見たらそういうことじゃないんだな、と思い直したという事があったのだと。

 

しかしアンコールの時には今日は楽しかった、次に名古屋に来るのが楽しみになった、と仰っていた。

去年の名古屋公演は観に行っていないのでその時の様子を知らなかったのと、自分が観に行った仙台公演では滝さんの調子がとても良いと卓郎さんが仰っていたので、卓郎さんのこの発言にはかなり驚いてしまった。

ライブの後で、去年名古屋公演を観た方達の声を耳にしたが、卓郎さんの言っていたような状況が客側から観ても分かる程だったことが窺えて、それを実際に目の当たりにしたことがどれだけ辛かったか、そして今年の公演で、卓郎さんがそのことを包み隠さず話してくれ、今日は楽しかったと伝えたことでどれだけ救われたのかは想像に難くない。

 

このくだりを聞いて、去年の9mmが自分の想像を遥かに超える程深刻な状態だったことを、また知ってしまった。

その状態からできることを考え、結果あんなに素晴らしいアルバムを作り上げたことも、改めて知ることとなった。

 

去年一番辛い時に一切の弱音を吐かなかった卓郎さんが今年になってインタビューやライブのMCなどでぽつぽつと、去年活動休止も考えた、とかもうダメだと思った、などと仰るのは、今ではもう口に出せるくらいに現状を受け止められて腹括ってるんだろうなと。

その度に「ちょっとだけほっとして吐いた弱音」という一節が思い浮かぶし、その度にこの歌詞の切実さを思い知る。

そりゃ卓郎さんがあんなに頼もしく見える訳だ…今までだって頼もしいフロントマンだったけれど、それ以上に。

 


卓郎さんはBABELというアルバムについて、

 

「9mmが(今の状況の中で)BABELという素晴らしいアルバムを作れたということが、9mmも頑張ってるなと思って頑張ってもらえたら、と。辛いことがあったらBABELを聴いてください。36分しかないし!」

と仰っていた。

 

(BABELについてはまた追々書くかもしれませんが)このアルバムがリリースされ、聴き始めた頃、確かに音は大好きな9mm…のはずなのにどことなく得体の知れない怖さを感じていて、何故か少し辛い気持ちになってしまったりしていて、それは聴きこむほどに薄れていって、端々に希望を感じられるようにもなったけれど

ツアーで実際に目の前で聴いたら何か印象が変わるだろうかと期待をしていたので、BABELについて神奈川公演でも“みんなに力を与えるアルバムになるように”という言葉があったが、9mmが困難を乗り越えようとしている時にできたこのアルバムにそういう前向きな力があるのだという事を聞き、本当に力強い言葉をもらうことが出来たと思い、つい毎回感極まってしまいました。この言葉を卓郎さんから聞けたことが、本当に嬉しかった。

 

“TOUR OF BABEL”にて、収録曲を最初から最後まで順番に目の前で演奏される様を観て、生の音で聴き、これがどんなアルバムなのか、どういう思いが隠されているのかを卓郎さんから直接聞くことで、ようやくこのアルバムを隅から隅まで堪能できた様な気がしていますが、まだまだ聴きどころがたくさんあり、このツアーを思い出してはこれからもっと見つけてゆくのでしょう。

 

残るは“TOUR OF BABELⅡ”

滝さんがもうすぐステージに帰ってくる。

20170618/9mm Parabellum Bullet “TOUR OF BABEL”@神戸国際会館 こくさいホール 簡易レポート

              f:id:sleet_fog:20170710222309j:plain

ツアー2公演目、神戸です。

サポートギターを務める、為川裕也さんの地元だそうです。(厳密には地元ではないと仰っていたような気もするが)

かなり立派で綺麗な大ホール。バルコニー席も何ヶ所かあり、あそこで観られたらとても気持ちが良いだろうな、と思っていたら少し羨ましくなってしまった。

 

 

 

1部“LIVE OF BABEL

ロング・グッドバイ

Story of Glory

I.C.R.A

ガラスの街のアリス

眠り姫

火の鳥

Everyone is fighting on this stage of lonely

バベルのこどもたち

ホワイトアウト

それから

 

2 OUTSIDE OF BABEL

サクリファイス

The Revolutionary

Keyword

The Lightning

黒い森の旅人

キャンドルの灯を

インフェルノ

Black Market Blues

ハートに火をつけて

Discommunication

Punishment

 

Cold Edge

新しい光

 

ロング・グッドバイのイントロで、ステージの白い幕にメンバーの影が映り、直後幕が落ちると眩しいほどの照明に照らされ姿を現すメンバー。この最初の演出からもう素晴らしい。

 

I.C.R.Aアウトロでは、かみじょうさんの近くまで来てギターを弾く卓郎さん。

 

ガラスの街のアリスの「燃えないゴミと〜」の部分では歌いながら何かを投げ捨てるような仕草を入れる。

 

眠り姫ではアコギの音と為川さんの美しいコーラスが印象的で、そこが特に記憶に残っている。

 

火の鳥の演出、床を這うように広がるスモークは、神奈川では気付かなかったけれどお香のような、何かを燃やした?ような強めの匂いがして、普段使っているものと種類が違うのかと。空気より重くないとダメだからか?

 

Everyone〜ではやはりかみじょうさんもコーラス。

この曲は手数も多いしツーバス連打もあり更に身を乗り出す勢いでシンバルをミュートしたり、とにかく忙しい曲なのだというのを目の当たりにした。

 

ホワイトアウトの照明、神奈川では白い、幅の広い光の柱が天井へ伸びていくようにホール全体を染めていたのがこの日は無数の細い線を描き、(恐らく床近くの照明にミラーボールを当てていた)雪景色のようだった。美しかった。

 

 

 

アナウンスを挟み2部へ。

ちなみに、この日はアナウンスを「ベルセルク」ガッツ役の岩永さんが担当している…という解説は、ありませんでした。

 

 

神奈川で見逃したThe Revolutionaryの滝パートのコーラスは為川さんでした。

 

神戸のレア曲枠はThe Lightning、驚きすぎてイントロ聴いて悲鳴を上げてしまった。この編成でもそんなレア曲入れてくるなんて流石9mm…!

 

Black Market Bluesでは卓郎さんがハンドマイクで歌う。神奈川でも思ったが、ハンドマイクの卓郎さん、ゆるいステップを踏みながらとても楽しそう。

「階段」を「神戸国際会館こくさいホール」と変えて歌うも、長すぎて早口言葉のようになってしまう。

 

続くハートに火をつけて もそのままハンドマイクで。ここではやはり間奏がひと通り終わるとメンバー紹介へ。

 

「モバイル会員の人手を上げて?もう一回!(武田さんが全力で手を上げる)ここにもいた!」

と、武田さんが9mmモバイル会員であることを猛アピール。きっと、みんなもう知ってると思うけれど。笑

全力で手を上げる武田さんの仕草がとても可愛らしかった。

「誰よりも9mmを愛する男! HEREのスーパーギタリスト!武田将幸!!」

 

為川さんは神戸出身であること、こくさいホールにライブを観に来たことがあること、それが徳永英明さんであったことを紹介。ふたり並んで、お互いの顔が似ているアピールも。でも血縁ではないよ、と。

 

和彦さんの番になると、

俺の番来ちゃったか、と言いたげに胸に手を当て緊張している人?のような仕草を見せる。

9mmの中で一番オルタナな男!ひとりだけダークサイドにいる男他のみんなはフォースだけど

と言いたい放題の卓郎さん。和彦さんはそれが全く聴こえてなかったようで、卓郎さんが和彦んの近くで再度言い直す。

 

続いてかみじょうさん。

いつもこんなところでライブやらないからね?というようなことをここでも言い、

「今日は丸見えです!」と卓郎さんが言えば、両手で上半身を隠し、恥ずかしがるような仕草を。

 

 

和彦さん、マイクを持つなり

「おい!!!!

なんでギター持ってんだこの野郎!!さっき手ぶらだったじゃねえか!!弾きたがりか!!!」といきなり卓郎さんに食ってかかる。

何でそんなに喧嘩腰なの!さっき言われたい放題だったからなのか。この和彦さんのひと言でこの日一番笑った。

しかし卓郎さんがすかさず「弾きたがりだよ!」と返す。

「山形一の弾きたがり!オンヴォーカル!!アンドギター!!!菅原卓郎!!!!」

 

卓郎さんのソロが終わるとすかさず曲に戻る。ソロパートから突然元に戻るのが、まだ見慣れなくてびっくりしてしまう。

 

Punishmentで5人並んで演奏しているところは、先週全く同じ光景を観たのにやっぱり最高にかっこいい。かみじょうさんが前にいるからこその光景だから、観られるのはこのツアー限りだろうか…

 

 

 

どのあたりで入ったのか失念してしまったので、以下MCまとめて書きます。

 

「BABELは滝がアイデアを9割9分…8分…いや滝は9分だって言ってるけど。歌詞のイメージをメモでもらって。(しかし後半になると「~みたいな感じ?」とか、?が付いてしまうようになって、というような話)」

 

「Everyone…エビワン…遂にバンド名より長いタイトル付けちゃった」

 

「コンセプトアルバムみたいだから、普段のツアーのように曲をバラしてやるより、順番にやったほうがいいんじゃないか」というような話。

 

初めてのアー写みたいなものは神戸のライブハウスで撮った」

 

「裕也は10年前に9mm観に来てるんだよね、十三ファンダンゴに」

 

「サポートメンバーのふたりにも助けてもらっているけど、ここにいるみんなにも助けてもらっているよ。でもまだ力を貸してください」

 

BABELはおれたちの喜びや迷いや苦しみもすべて入っている」

 

語り口は失念しましたが、BABELの曲について、あの曲とあの曲が繫がってるんじゃないか、とか9mmの過去に出た曲とBABELの曲が繫がってるんじゃないか、とか、そういうことは無いんだけど、そういう説のようなものがあれば広めてほしい、おれたちはそれを見て楽しむ。と仰っていたので聴く側がそういうことして楽しんでも良いんだな、と。

 

「神戸に初めて来たのは2006年くらいだったよね、ちーちゃん?」といきなり話を振られ、全然違う方を向いていたかみじょうさんがびっくりしながら卓郎さんに顔を向ける場面も。

 

 

全体的に和やかな雰囲気のMCだったけれど、

 

「一番、滝とライブやりたいと思っているのはおれたちだからね」

のひと言が身に染みた。

こんなに嬉しい一言は無いと思った。

 

また、別の時だったかもしれないが

「9mmで観た素晴らしい景色をなくすわけにはいかない」

というような一言も有り、これもまた忘れられないひと言。

 

 

 

ツアー2本目でしたが、神奈川と見比べてみると当たり前かもしれないけれど会場が変わると、照明も微妙に変わるなと。

 

色合いなどは一緒だけれど、ホワイトアウトみたいに若干の違いが出て、それが面白い。照明を見るのが、ホール公演の楽しみのひとつなので。

 

勘違いかもしれないけれどこの日は神奈川より武田さんと為川さんもよく動いてたな、という気がしました。おふたりで後列の段の上でわちゃわちゃとした様子でギターを弾いていたのがすごい楽しそうで、観ていて楽しかった。

 

 

また、観ていて特に良いと思ったのが、ギターが3人いるので曲によっては卓郎さんがギターを弾かずに歌っている時があって、その時に歌詞を目で見える形で現すかのように手でちょっとした仕草を入れているのがとても良いなと。

ボーカリストとして、体全体で曲を表現している姿があの大舞台に映えていた。

特に、それから では、まるでホール内の全員を曲の中に引きずり込むような、1人でホールの空間を完全に掌握してしまう程の気迫を感じて、圧倒されて立ち竦んでしまう瞬間があった。あの曲の空気感を表現する様は、さながら歌劇のようだとも思った。

 

 

この日はまた上手で、かなり端の方の席だったのでステージ全体はあまり見えず。

その代わりかみじょうさんが一番近く、普段なら絶対にありえない、「ほぼ、かみじょうさんしか見えない」という状態で。貴重な体験ができました。

 

かみじょうさんの後ろに為川さんが見える、頭を動かしたら隙間から他のメンバーが見える、という感じ。

ハイハット側の横から見るような感じで、左足までよく見える。シルバーのやたらピカピカした靴まで!

但し残念ながら顔はチャイナに隠れて見えず、表情があまり分からなかったのは残念。

 

かみじょうさんの仕事量がどれだけ多いか、目の前で観て思い知りました。

基本的に手か足か、もしくは両方ともずっと忙しそうなのに更に手数が詰まっていない時はスティック回しを入れ、長めの休符が入るとスティックを投げる大技を決め…と、いつも後ろにいるなんてもったいない!と思うほど見せ場だらけ。

 

今回の編成で、かみじょうさんの手元が良く見えることをとても楽しみにしていたのでこの席が当たったことを本当に嬉しく思います。

今回のツアー、かみじょうさんを前に出そうと提案した方には最大限の賛辞をお贈りしたい。

 

20170611/9mm Parabellum Bullet“TOUR OF BABEL ”@神奈川県民ホール 大ホール 簡易レポート

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5月にリリースされたアルバム「BABEL」を引っ提げて行われる今年のツアーは、9mmにとって7年振りとなるホールツアーです。

 

事前に公表されている通り、滝さんに代わって各箇所サポートギタリストが2人参加するという布陣。

ツアー初日、神奈川県民ホールのサポートギタリストは、お馴染みHEREの武田さんと、folcaの為川裕也さん。

更に、ワンマンツアーは結果的に2014年の“Next Bullet Marks Tour”以来ということもあり、セトリに何が入るのか?曲数はどうなる?とそわそわしながら当日を待っていました。

 

神奈川県民ホール、初めて来たけれどロビーの床など、内装の一部が赤くて如何にも大ホール、といった感じだしBABELのツアーに相応しい会場だなぁと思っていたのは先行物販に並んでいた時のこと。

 

 

会場に入るとステージには白い幕

卓郎さんのマーシャルの、紫のライトがうっすら見える

定刻を過ぎてしばらくすると突然けたたましいブザー(音が大きすぎてびっくり)が鳴り、やたら良い声の場内アナウンスが流れ始め

また数分経ってから再度ブザー(2度目のびっくり)が鳴り場内が暗転

 

 

 

1部“LIVE OF BABEL

 

ロング・グッドバイ

Story of Glory

I.C.R.A

ガラスの街のアリス

眠り姫

火の鳥

Everyone is fighting on this stage of lonely

バベルのこどもたち

ホワイトアウト

それから

 

2 OUTSIDE OF BABEL

サクリファイス

The Revolutionary

ダークホース

Keyword

黒い森の旅人

キャンドルの灯を

インフェルノ

新しい光

ハートに火をつけて

Cold Edge

Punishment

 

Black Market Blues

Discommunication

 

 

場内が暗転すると「ロング・グッドバイ」のイントロのタッピングの音源が流れ、幕にメンバーの影が映る  そして落ちる幕  メンバーの背後にはBABEL仕様のバックドロップ

予告通り、前列下手から和彦さん、卓郎さん、かみじょうさんが一列に並びサポートのお二人は下手から武田さん、為川さんの順で後列の一段高いところに。

そこからBABELの曲たちを収録順に演奏。MCは一切無く、照明は場面によって赤一色だったり白一色だったりなどと普段のワンマンと比べるとかなりシンプル。

 

あまり手元が見えなかったので間違ってたらすいません、タッピングやコーラスの一部などは恐らく滝さんが弾いたり歌ったりしている音源を使っていたかと。

コーラスは基本的に為川さんが担当。

 

I.C.R.Aでは予想通り、「愛し合え」での一体感が半端ない。

 

ガラスの街のアリスは最近のライブでも欠かさず演奏されていたこともあり、すっかりライブ定番曲のテンションになる客席。

 

眠り姫では為川さんがアコギに持ち替える。まるで羽三枚のプロペラのような模様を描く照明。それが間奏に入った瞬間、花びらが散るかのようにぱっと細かい模様に変わる、という演出と同じく間奏の、深みのあるベースの音がホールの空間に広がっていく様がとても幻想的。

 

火の鳥、心なしか多めに焚かれた地面を這うように発生し上へ流れていくスモーク越しに歌う卓郎さんの姿に荘厳ささえ感じられた。しかし高音が続くため、卓郎さんの様子からサビの部分は少しきつそうにも感じられた。

 

Everyone〜のラストではかみじょうさんもコーラスに参加…してましたよね?この曲も最近のライブで披露されることが多いけれどラストのコーラスの部分の力強さはやはり胸を打つものがあります。

 

バベルのこどもたちの間奏は和彦さんのシャウトと共に炸裂する音源通りの重たい音、この部分を生で体感できることを一番楽しみにしていたのですがとにかく何かが音を立てて崩れるようなイメージが浮かぶ程の音圧に予想以上に圧倒され、ただ立ち尽くすしかなかった。素晴らしかった。

 

ホワイトアウトでは為川さんが再びアコギに持ち替える。アコギの音が入ることでこの曲のエレガントな雰囲気が強調される。タイトル通り、客席の頭上まで真っ白なライトが伸び、会場全体が白く染まる美しさに息を呑んだ。

 

それから の、あのフルピッキングのイントロの弾いたのは卓郎さん!イントロや間奏では照明が無数の渦を壁に描き、さながら「大きな嵐」のよう。

卓郎さん、「指と指の〜」の部分は歌いながら本当に両手の指の間に隙間を作った状態で掌を上に向け、「浮かれた世界を沈めていく」で何かを沈めるように手を下げる。

 

 

それから のアウトロで音源通りスパッと音を止め、演奏が終わるとステージから去ってしまうメンバー。

 

元々収録時間が短い上にMCも挟まなかったので、本当にあっという間に終わってしまった、BABEL再現。

 

 

ざわつく会場、しばらくするとまた良い声のアナウンスが

 

「たった今、第1部“LIVE OF BABEL”が終わったところだ。まもなく“OUTSIDE OF BABEL”が始まる」

 

と告げ、よりざわつく客席。

そして鳴り響くいつものSE「Digital Hardcore」

 

BABEL仕様のバックドロップに被さるように降りてきたいつものバックドロップ…のはずが、真ん中あたりがひっかかってしまったようでうまく下がらず、メンバー登場後に一旦バックドロップを床付近まで下ろし、(この時に誰かが下で直したのか?は見えず)再度上げ直すというアクシデントが。

 

まずはきっとセトリに入るだろう、と予想していたサクリファイス、からのThe Revolutionaryという流れ。

 

からいきなりダークホース!ライブで聴くのは少し久し振りな曲です。これはもしかしたらこの状況でもレア曲を少なからず入れてくるのでは…とここで確信。

 

などと考えているとここで早くもMCが入る。

 

やたら声の良いアナウンスは何と「ベルセルク」でガッツ役の担当されている岩永さんなのだそうで、それを聞いた瞬間客席から歓声が上がる。これは卓郎さん嬉しかっただろうな。「声だけで男前ってわかるよね!」と。

また、BABELの曲と今までの9mmの曲にはどこかつながっているようなところもある、というMCを挟み次の曲が

 

Keyword

 

最後に聴いたのは確か2015年9月のLIQUIDROOMのイベントではなかっただろうか。

久々の曲でも、間奏後の「捨ててゆくばかりの~」で自然に手拍子が巻き起こる。

 

Keywordが終わると和彦さんが何かに腰掛け(ているように見えたのですが)聞き覚えのあるイントロをつま弾く。柔らかいベースの音で奏でられたその曲は

 

黒い森の旅人

 

これも久し振りの曲で、ベースであのライブ版のイントロを弾いているのは今まで観たことがなかった。ライブ中はただ驚くばかりで終わってしまって、後から気付いたが普段なら滝さんが弾くはずのあの部分をサポート陣でもなく卓郎さんでもなく、和彦さんが買って出た、その意味。

 

和彦さんがアップライトに持ち替え、歓声が上がる。キャンドルも久々なのでここでツアーならではのレア曲3連発。

 

ここからは再びライブ定番曲を連発、最近は間奏でフロント3人が謎の横移動を始めたハートに火をつけて では、間奏が終わると歌に入らず、卓郎さんがギターを置いてマイクを手にし、何とここでメンバー紹介を始める。

 

誰から紹介しようかな、という感じでまずは

「何度も9mmを助けてくれた…誰よりも9mmを愛する男!9mmモバイル会員!武田将幸!!」

 

「おれに似ていると言われている…笑  でもおれの100万倍ギターが上手い男!為川裕也!!」

と、まずはサポートのおふたりを紹介。ちなみに紹介されたメンバーがそれぞれソロ回しを披露、という流れ。

 

次はそこのお兄さん…と和彦さんの方を見ると、卓郎さんと同じ方向に顔を向けてすっとぼける和彦さん。

「おめぇだよ!」と卓郎さんがすかさず突っ込み、

「我らがベーシスト…BABELのコメントで(THE BACK HORN)山田さんに“どこまでも伸びてゆく和彦の髪”と言われた男」と紹介、

また、最近マイクの高さが段々上がってきている疑惑を指摘されると、首を横に振って否定する和彦さん。

ソロ回しで弾いたのはスカっぽいリズムではなくスローでグルーヴィーな感じのメロディー。

 

次はかみじょうさんに近付き、

今までこんなところでライブしたことないよね?いつもよりスティックを回すところがよく見えますね、と。

卓郎さんがいける?と声をかけかみじょうさんがそれに頷き、ソロ回しへ。

 

最後に残った卓郎さん、どうする?と思っていると話し始めたのは、9mmでは仙台でしかマイク通して話さないはずの和彦さん!!

 

「身長2メートル…髪の毛も合わせて2メートル」

と、笑いを誘う紹介。卓郎さんがおれそんなにあったっけ?というようなことを言いながら髪の毛を上に引っ張る。卓郎さんのソロパートが終わると唐突に曲に戻る。

 

ハー火が終わるとそのままかみじょうさんが4小節ほどドラムを叩き続けて繋ぎ、Cold Edgeへ。ここのつなぎがかっこよかった…!

 

嵐の前の静けさのようなあのイントロ…の時点で思わず歓声を上げてしまったPunishment!!ギターが3人いるので、音源通りイントロはツインリードのアレンジ!このアレンジで聴きたかったPunishment…しかし普段はギター1本足りないので聴けることはないと思っていました。嬉しい!!

間奏では武田さんと為川さんも前に出てきて全員1列で演奏。ギター3本とベースで全員同じフレーズを弾くのもかなりの迫力があり、とにかくかっこいい。

 

これで本編は終了。卓郎さんと和彦さんは客席に挨拶をして去っていく。かみじょうさんは両手を頭の上に、うさぎの耳のようなポーズを取りながら退場。

 

アンコールのBlack Market Bluesでは卓郎さんがハンドマイクで歌う!2番に入ると和彦さんがサポート陣のいる一段高いところのセンターに立ちベースを高く掲げる。

 

この日のラストはDiscommunication  イントロではかみじょうさんが休符に入る度に右スティックを投げてみせる大技を披露。

アンコールはライブ定番曲だったけど、ディスコミュのアウトロで残った力を全て爆発させるかのように思い思いに暴れ倒す4人と、シンバル乱れ打ち状態のかみじょうさんの姿が安定の9mmといった光景で観ているこっちもテンションがすごい上がった。月並みな言葉だけれどやっぱり、9mmは最高にかっこいいな、という余韻のみを残してライブは幕を下ろした。

 

 

 

神奈川県民ホールについて、卓郎さんは内装の色合いからBABELのツアーの初日に相応しいよね、と仰っていた。

 

 

この日卓郎さんはMCで、去年と同じようにメンバー、スタッフ、そしてライブを観に来たファンに感謝の言葉を告げ、またこのような、傍から見たらアルバムなんて作れるのか、という状況でBABELというアルバムを作ることができたことを誇りに思う、と語った

 

「BABELが、みんなが何かと戦う時、…戦っているように見えない時でも…みんなに力を与えるようなアルバムになればいいと思います」

 

「おれは露骨に“頑張れ”とか言わないけど、みんなのことを心から応援しています」

 

座席指定ということもありいい意味で冷静な気持ちで途中までは観ていたのですが、この言葉を聞いた途端視界が滲んでしまいました。応援の言葉が単純に嬉しかったし、何と心強い言葉なんだろう、と。

 

 

 

BABELの曲たちをライブでやるとしたら、収録順に再現するのか。それとも今までのレコ発のように既存曲と混ぜるのか。ギターをひとり増やしてどうなるのか。

色々と予想がつかない、ということで楽しみにしていたツアーが遂に始まりました。

 

座席が上手側だったので、上手側で演奏するかみじょうさんがよく見えて普段のライブと違う景色がまた嬉しかった。

 

2部構成でやるのは本当に予想外だった…けれど、この形がBABELを演奏するには最も適していたでしょう。徹頭徹尾、統一された世界観とあのへヴィなサウンドを再現するためにギターを増やすのが必然だったことも、実際に目の当たりにして実感しました。

 

そして9mmのツアーでの最大の楽しみ、普段のライブではなかなか聴けないレア曲がこの状況でもお目に掛かれた、ということでサポートのおふたりにはどれだけ感謝しても足りないし、セトリが予想できない中でもいつものツアーのように大きな期待はやはりあって、そしていつものツアーのようにその期待を軽く超えてくるようなライブであったこと。単純にそれがとても嬉しかった。

 

 

初日という事でライブの構成に驚かされた部分が大きかったので、セトリがどういう感じか大体分かった上で観ることのできる残りの公演ではもう少し細かい部分まで目を向けられるであろう、それをとても楽しみにしています。

 

 

KEYTALK「PARADISE」 2017/03/15

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KEYTALKがオリコンウィークリーチャート2位を獲得した

 


4枚目のフルアルバムで勝ち獲った快挙である

 




ここ数年のKEYTALK人気は重々承知していたけれど、ここまではっきりとした数字で提示されるとやはり驚嘆の一言に尽きる。

メンバーの皆様、KEYTALKに携わる全ての皆様、本当におめでとうございます。

 


ところで、「KEYTALK」についてどんなイメージをお持ちですか?

 



以下、ディスりではなく事実として淡々と書いてしまうがここ数年で爆発的に若いファンが増え、ファン層にかなりの偏りがあるのは否定できない点、また良く言えば賑やかな雰囲気のPVや各媒体での取り上げられ方(何処とは言いませんけれども…)から、曲は知らないが何となく聴く気が起きない、といった偏見を持たれて避けられている面があるのも否定できません。

勿論、そんな目で見ている人ばかりではない事、たまたま自分がそういう声を耳にする機会が少なからずあった事、どのバンドにもイメージ云々の話は付き物だという事は承知しています。

しかし若いファンが増えるのはこれから長く聴き続けてくれる存在として非常に有難いこと。
目を引くPVや各媒体でのキャッチーな取り上げられ方は強い印象を与えることで記憶に残りやすいし、知名度を上げるには充分すぎる効果があったのは今回の結果が証明している。
たとえ良い曲を量産しようが、まず存在を知って貰わないと意味が無いのだから。


そんな状況の中、リリースされた「PARADISE」は、各メンバーで曲数に差はあれどメンバー全員が作詞作曲を手掛けた全17曲を収録。

思えば1年前にリリースされた2枚のシングル「HELLO WONDERLAND」と「MATSURI BAYASHI」が大変素晴らしかった。それぞれにメンバー4人の手掛けた曲を1曲ずつ、計4曲ずつ収録したこの2枚は自由に伸び伸びと制作されたことが窺えるような多彩な曲で構成され、この2枚を合わせて1枚のアルバムにしてしまってもいいくらいの作品だった。

(「HELLO WONDERLANDでは歌詞に意表を突かれる巨匠作のただひたすらにかっこいいパンクナンバー「One side grilled meat」、「MATSURI BAYASHI」では初期KEYTALKを彷彿とさせるようなフュージョンサウンドが筆舌に尽くしがたいほど素晴らしい八木氏作の「wasted」が、アルバムの選曲に漏れたことが惜しいくらいの名曲です、こちらも是非に)



結果的にその流れを汲んだ今作はKEYTALKがこれまでで一番知名度が高い状況、かつ良くも悪くも、ある固定のイメージが付いてしまった今、そのイメージをひっくり返す為にもこのタイミングで出したことに大きな意味があり、きっと良い影響をもたらすと勝手ながら信じている。

KEYTALKのファンとして、「売れた」昨今の状況は素直に喜ばしいし誇らしいことである。
ただ固定のイメージが生まれつつある現状に於いては、それはKEYTALKというバンドのほんの僅かな一面に過ぎないのだと声を上げずにはいられないし、そういう姿を知っている人達が微力ながら声を上げるべきだと思う。
ある一定のイメージが定着して、彼らの本当の姿が伝わらないのが悔しくて堪らない。

 

収録曲を全て聴いてみれば、大袈裟ではなく「この曲とこの曲本当に同じ人が作ったの!?」と思わされる程なので、KEYTALKに馴染みがなくてもひとつくらいは気になる曲があるのではないか、だから先入観を捨てて聴いて欲しいアルバムだと思っている。

 

また今作はアルバム全体の流れも秀逸で、前半にパンチのある曲が並び、後半に向かう程に従ってメロディーに深みのある曲へと移ってゆく。
序盤でしっかりと掴み、そのまま飽きさせずに引きずり込んでいくような感覚。

良いメロディーにじっくりと聴き浸りながら終わると、最初の目まぐるしい展開がまた聴きたくなって最初に…と繰り返し聴きたくなるような構成。
そんな大まかな流れがありつつも曲から曲への繋がりにはいい塩梅で緩急があり、中弛みしてしまうこともない。

曲数は多いですが4分を超える曲は一つもなく、ほとんどが3分台か2分台、何と1分余りの曲すらある。このおかげで大ボリュームでありながらもあっという間に終わってしまうような感覚もある。

 


以下、主観で聴きどころをつらつらと書いていこうと思います。現状、メンバーのインタビュー等をほとんど読んでいないのでそれ違うし、とかそれもうメンバーが言ってた、とかあるかもしれないですがあくまで個人の感想です。

 



1.Summer Venus   

詞・曲:首藤義勝

アルバムの1曲目は大体テンション高いナンバーを持ってくるという恒例のパターンだな、と聴き進めいくといきなり流れるEDM、一聴目はそりゃ大いに驚きましたよ。うわぁパリピじゃん…と。笑 (ディスってないですよ)
しかし音的には何の違和感もなくEDMパートをぶっ込んでくるあたりがKEYTALKのセンスの良さ。そしてEDMパートから繋がるサビの一気に広がるような開放感!!これを狙ってやったのか?

最初はただ驚かされるばかりだったけど何度も聴くとこれが癖になる。
初っ端はこれだけインパクトがある方が良いでしょう、間違いなく記憶に残るし。にしてもはっちゃけましたね義勝さん!
ただこういうノリが苦手な人が1曲目で聴くのを止めてしまうことだけが心配ではあります。
このノリが次で早くもひっくり返るので、とりあえず次の曲に進んで頂きたい。それだけを祈る。


2.ASTRO(10thシングル 2017/01/25リリース)

詞・曲:首藤義勝

Summer Venusで意表を突いたかと思えば、次の曲は勢いのあるバンドサウンドを前面に出したナンバー。ふたりの歌声は力強く、ギターは歌と並んで遠慮なくリフを弾きまくり、いい所で入ってくるタム回しも高揚感を煽る。これ!KEYTALKってこんなにかっこいいんですよ!いきなり雰囲気を変えてくるこの流れ良過ぎませんか?だから次の曲まで進んでくれって言ったじゃないですか。

何だか夢のような歌詞のSummer Venusから一転、現実に引き戻しつつも一度は夢破れた人物が再び希望を掴もうとするような歌詞も良いです。Summer Venusの最後の歌詞が「※青春に賞味期限はございません」、続くASTRO最初の歌詞が「夢終えた深夜の岐路に」と曲調だけでなく歌詞にもかなりの落差があるけど、そのお陰で詞の切実さが強調されているようにも感じられる。「息をするように願い続ける」という一節がとても好きなのですが、それなりに年齢と経験を重ねたからこそ出た詞ではないかと。それゆえにKEYTALKと同世代くらいのリスナーには刺さるところもあるのではないかと思います。(KEYTALKメンバーと同年齢の人間の感想です)

 

PVもとても良いので貼っておきます

www.youtube.com




3.ダウンロードディスコ   

詞・曲:小野武正

 

武正さんお得意の裏打ちのリズム。個人的にいつもの裏打ちナンバーより強く惹かれるのは何故か考えると、いつもと違ってマイナーコードだからか。

独特の語感で畳み掛け展開が目まぐるしく変わるメリハリのある曲なのでこれで2分以下なのが信じられない。

2番でボーカルのメロディーをなぞるようにギターが同じメロディーを重ねているところがいいです。KEYTALKではよくあるアレンジで、ボーカルが3人いるようで聴いててワクワクするところ。

「制約と閃きの瞬間に決意して僕は僕を刺す」という詞に武正さんのセンスを感じる。

 

 

4.MATSURI BAYASHI(8thシングル 2016/05/18リリース)

詞・曲:寺中友将

 

こちらも恒例の“祭り”ナンバー。シングルだった時はずば抜けてハイテンションな感じでしたがここまでのパンチのある曲たちに並ぶと変に飛び出ることもなくいい感じにおさまっている印象。

曲中に何度も出てくるベースのスラップが全体を盛り上げ、しっかりと長さを取っているギターソロの炸裂具合がありつつうっすらと哀愁を感じさせるメロディーが存在感を放っているところが巨匠らしい。

PVだとテンションの高さがフィーチャーされているけど、曲だけだとまた印象が違って上手く言えないけど祭りの日の夕方みたいないい雰囲気というか。

“テンションの高い夏の曲”というひとつの括りでも、義勝さん(Summer Venus)と巨匠(MATSURI BAYASHI)だとメロディーの作り方がこんなに違う、と考えながら聴くとまた面白い気がします。

 

 

5.パラサイト   

詞・曲:小野武正

 

ここでアルバムの空気が一旦変わる。

巨匠の声で勢いよくザクザクと畳み掛けてくると思えばいきなり小気味よいベースのメロディーで更に空気を変え、次いで義勝さんが細かく刻むように早口で畳み掛ける。まるで巨匠の声がハムバッカーで、義勝さんの声がシングルコイルみたいだな、と前々から思っていたのですが、そんな各々の声質に合うパートを振ることで曲調の変化を際立たせているように思えます。

ふわっとした歌い方で声を重ねる「パラサイト パラサイト」の部分が不穏な空気を出していてぞわぞわする。

武正さんはギタリストとしてもコンポーザーとしても、もっと世間から評価されるべきだと常々思っています…こういう曲を聴くと改めて。

 

 

6.HELLO WONDERLAND(7thシングル 2016/04/13リリース)

詞・曲:首藤義勝

 

心なしか、この曲が一番義勝さんの歌声が伸び伸びとしているような気がします。音域的に歌いやすいのでしょうか?

KEYTALKの真骨頂とも言えるさらっと転調を入れた人懐っこい4つ打ちナンバー。なので決して単純な構成ではないのですがこのバンドとしては王道、と言うべき安心感のあるアレンジで、ひとつ前のストレンジなアレンジのパラサイトと並ぶとこちらも対比されてお互いの特長を引き立たせています。

 

 

7.秘密   

詞・曲:八木優樹

 

ここで満を持して八木曲の登場です。

終始思いつめているような詞とどことなくダークな曲調は新境地と言っていいと思うのですが多用される「パラリラリーラーパーラッパー」というミスマッチなフレーズで肝心なところがはぐらかされるという非常にもどかしい歌詞…狙ってやってますか八木氏??おかげでダークさが良い具合に緩和されているとも思えるけれども。

3年前から曲を手掛け始めた八木氏ですが、出す曲が毎回メロディーが良いんだ…天才肌?今後もたくさん曲を作ってくれることに期待しています。

 

 

8.森羅万象   

詞・曲:小野武正

 

分かり易いメッセージではなく韻を踏んだり言葉の響きを重視するようで、やろうと思えばいくらでも深読みできてしまうような武正さん独特の歌詞の羅列が聴いていて心地よい。歌うのはとても大変そうだけど。それで言うと中盤のラップのような歌い方が良いですね。

爽やかさとお洒落コード(語彙力が足りない)のこの感じは初期KEYTALKを思い起こさせるようでもあります。

もしもこの曲でタイアップ取れたら、KEYTALKのイメージが変わっただろうか。

 

 

9.HOROBIRO   

詞・曲:八木優樹

 

勢い!痛快!以上。こういう曲も出来るんですよKEYTALK。

お、インストか?と思わせるようで途中からシャウトがなだれ込んでくる。

アルバムの中盤でこういう意表を突くような曲が入ると流れにメリハリがついていいですよね!ライブでもセトリの良いアクセントというか、強力な起爆剤になるのではないかと。フェスでやればKEYTALK知らない客をびっくりさせられるかも。

たった1分で終わるのが惜しいような、その潔さがまた良いような。

 

 

10.Love me(9thシングル 2016/11/23リリース)

詞・曲:首藤義勝

 

アルバムに入ることで良い意味で一番化けたのがこの曲だと思いました。

カオスなHOROBIROの後だから余計にイントロのあたたかいメロディーが目立っているのかもしれません。

歯切れの良いリフのおかげで甘ったるすぎない雰囲気、でもある願望に期待感を抱きつつも若干の遣る瀬の無さもあり切なげな歌詞、の絶妙さがとても良いです。やけにリアリティを感じるのですが…。

 

 

11.STAY   

詞・曲:寺中友将

 

Love meからこの曲へ、癖のないポップミュージックが繫がる流れ。序盤の曲調とあまりにも違いすぎていてこの部分だけで比べるとまるで別のアルバムであるかのよう。

奇を衒うアレンジもなく、素直に聴きやすい曲だと思うのですが内に秘めた熱さというか、そんな感じの独特のエモみがあります。エバーグリーンなポップスを彷彿とさせるような雰囲気と、英詞が混ざっているせいか洋楽っぽさがあるなという印象もあります。

転調や派手な曲展開が苦手、と言う人にお薦めしたい曲ですね。

 

 

12.Combat Song(7thシングル 2016/04/13リリース)

詞・曲:八木優樹

 

好きです。

 

 

 

 

すいませんもっとちゃんと書きます。

 

前2曲の流れでこのまま落ち着いて終わるのかと思いきや、ここでもうひと盛り上がりです。

ドラマーである八木氏が書いただけあってどっしりとしたドラムがぐいぐいと引っ張る、士気を鼓舞するかのようなメロディーにテンションが上がります。このまま突っ走るのかと思っていると途中で軽快なパートが繰り広げられる。これがまた高揚感を更に煽ります。本当に八木ちゃん天才なんじゃないか…

 

 

13.boys&girls(8thシングル 2016/05/18リリース)

詞・曲:首藤義勝

 

某朝の情報番組のテーマソングに半年間起用される、というバカでかいタイアップがついた曲。

と言う訳でどこまでも爽やかで、如何にも休日の朝にテレビから流れてくるような普遍的な優しいポップソング。

アレンジを詰め込むだけではなくて引き算も出来るバンドで、こういうタイアップにも対応できるバンドなんですよKEYTALKは。この曲やSTAYのような“普遍的な良い曲”があることでアルバムに奥行きというか、深みが出ているような気がします。

 

 

14.story   

詞・曲:寺中友将

 

こちらも恒例の、巨匠がひとりで歌うミディアムナンバー。

ツインボーカルは大きな魅力ですが、ソロで歌う曲があるのもそれぞれの歌声をじっくり楽しめて嬉しいです。巨匠の歌声は、この曲のようにゆったりしたテンポで丁寧に歌い上げるような曲調の時が一番美しい。完全に歌を引き立たせるような演奏、儚げなピアノのメロディーが寂寞感を際立たせる。

間違いなく、今作の大きな聴きどころです。こんなに落ち着いた、歌を響かせる曲もKEYTALKにはあるのだと知って欲しい。名曲。

 

 

15.ミルクティーは恋の味   

詞・曲:首藤義勝

 

イントロから可愛らしさが炸裂しています。ふわりとした歌い方も、歌詞の言葉遣いも可愛らしい。

本当にASTRO作ったのと同じ人の曲なんですか?と言いたくなるくらい、この曲が入ることで義勝曲の振り幅が大きいことに驚かされる。

そしてこの曲も心情の描写がやけにリアル…聴いてるこっちが何だか照れてしまうような。「切ない 一瞬のどきどき 嫌いになりたい 会いたい」とか。

この曲は義勝さんがソロで歌っています。繊細な歌声が軽やかな曲調にぴったりです。

 

 

16.スターリングスター(6thシングル 2015/10/14リリース)

詞・曲:首藤義勝

 

KEYTALK初の武道館ワンマンの直前にリリースされたんですよね。そのためか、煌びやかなアレンジで曲全体がきらきらと輝くような空気で溢れている。この曲もASTRO同様、色々な経験を積み重ねて長い道のりを歩んできたからこそ書けるような歌詞。バンドのこれまでのこととKEYTALKが多くの人に受け入れられている現状を思い起こしながら聴くととても感慨深い気持ちになります。

story、ミルクティーは恋の味と続いてじっくりと浸るように聴くような流れからまた少し変わって、この曲でキリッと締まるような感じがしてメリハリがついて良い流れだと思います。

 

 

17.Oh!En!Ka!

詞・曲:寺中友将

 

アルバムの締めくくりとして、元気な曲調でリスナーに向けてはっきりとしたメッセージを送るこの曲を持ってくることで最後まで聴く者を引き込んで離さない。スカッとした気分で終わることが出来ます。

スターリングスターもOh!En!Ka!も、もの凄いエネルギーを持った曲なので聴いているだけで励まされるような、前向きな力をもらえているような、月並みな言葉だけれどそんな気がします。

 

 

 

全部聴き終わると、どれだけ自由度が高く「何でもあり」なアルバムなのかがよく分かると思います。

この「何でもあり」がKEYTALKなんです。

 

インディーズから現在まで、KEYTALKが細かいジャンルに囚われずに様々な要素を取り込んで曲を作ってきたことはずっと変わっていません。所謂ギターロック、4つ打ち、ダンスロックからJ-POP、パンク、ハードコア、ジャズ、スカ、フュージョン、そしてEDMまで。

でも根底にあるのはメンバーの人柄通りの人懐っこさで、良い意味で馴染みやすい曲にまとめ上げている。

 

これがKEYTALKの本当の魅力だと、知ってもらいたいです。

 

 

少しでも興味を持ってもらえたら、もし購入に踏み切れなくてもレンタルでも試聴でもPVだけでも、少しでも聴いてみようと思ってもらえたら幸いです。

 

20170214/Club Lizard Yokohama 15th Anniversary!!~いままでありがとう~ 簡易レポート

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mynameis...

TEXASCOMMANDO

9mm Parabellum Bullet

 

 

ビルの老朽化に伴い、今年の3月で閉店することになったClub Lizard Yokohamaのイベントです。

横浜で結成され、リザードが“ホーム”である9mm、同じくリザードに縁のあるmynameis...とTEXASCOMMANDOの3マン。

もう周知の通り、この日は現在ライブをお休みしている滝さんが観に来ていて9mmのライブ中にモッシュダイブをしたという、とんでもない事が起きた公演です。

滝さんが元気になってステージに帰ってきた時に「そういえばこんなことがあった…」と思い出すのだろうと、いつか来るその日を期待してここに備忘録として置いておくことにします。

 

 

 

mynameis...を観るのは2回目で、2012年にリキッドで9mmと対バンした時以来。TEXASCOMMANDOは初見でした(ので両バンドの記述が少ないのは御容赦を)

mynameis...ではMCでボーカル宮島さんがリザードで結婚式をやった、との話を。

ライブ中に何度も高い所に立ちフロアを見下ろす様子とその表情に思い入れの強さを感じ、終始見入っていました。

TEXASCOMMANDOは1曲目からこの音好きだなあ、とすぐに思った。とても良かった。バンドとしては初めて観たけれど、あんまり初めてのような気がしなかったのはjamming O.P.のチャックさんがいたからか。

 

 

TEXASCOMMANDOが良かったので、次の転換中に物販を覗き、以前ジャミングとしてお会いしたチャックさんと再会できたことも嬉しく、しばしお話しているとチャックさんのすぐ後ろに滝さん!!!?

開演直前になんか滝さんに似た人が入ってきたような気がするけど本人だったらすぐ裏に行ってしまうだろう…なんて思っていたけど、途中まで気が付かなかっただけでずっとPAスペース~物販近くにいらしたようです。

 

 

 

9mmセトリ(順番違ってたらすみません)

 

(teenage)Disaster

Discommunication

Cold Edge

Lost!!

反逆のマーチ

Black Market Blues

新しい光

Talking Machine

 

Punishment

 

 

Lost!!と反逆、そしてPunishmentでは昨年の9mmのツアー広島公演でサポートを務めた、TEXASCOMMANDOの西堀さんも入っての編成。

 

 

 

ディザスターとトーキン、イエローアルバム収録曲をセトリの最初と最後に持ってきたのは結成当時からの馴染みの場所であるリザードに合わせて、という事でしょうか。ただでさえ久々にセトリに入ってきたディザスター、もうこれだけでこの日来た甲斐がありました。

 

今や9mmの曲を数多く弾きこなしてしまう武田さんですがCold Edgeはいつぞや大好きだと公言しておられただけあってこの日も流石の完コピ。その割に最近あんまりセトリに入らない気がするので武田さんがいらっしゃる間にもっとやってください!笑

 

Lost!!では「おれが向かってるのは…リザードに決まってんだろ!!!」

反逆では「闘ってるんだろ…横浜のみんなも(リザードのみんなも?ここうろ覚え)」と歌詞を変える卓郎さん。

 

 

MCではやはりリザードでの思い出話になり、

9mmのツアーでリザード公演をやった時にチケットの応募が8000も来たこと、逆に客の数が0(対バンの人しかいなくてむしろマイナス)という話を。卓郎さんは当時皿洗いのバイトをしてからリザードに来て、客がいない中でライブをやって、それが終わるとまた皿を洗いに戻ったという。

 

あと、9mm主催イベント「カオスの百年」の第一回公演(当時は“百年”ではなく“百年後”だった)のフライヤーが卓郎さんが引っ越しをする際に荷物から出てきたが、そのフライヤーが大学の視聴覚室みたいなところで作った経費のかかっていないやつ…という話を和彦さんに振りながら話す。

そんな話をしているとフロアから「対バンはー?」という声が。その声に「お前だよチャック!!(笑)」と返す卓郎さん。

 

 

後方で観ていたのですがステージが低いリザード、長身の卓郎さんすらほとんど見えず、ステージの様子は全くと言っていい程分からなかったのが少し残念。でもステージ左右に置かれた台に卓郎さん和彦さんは度々乗ってくれたのでその時だけお二人の表情は観ることが出来ました。

和彦さん、前髪を上げていた?分けていた?ので、おでこが見えるような髪型になっていたことに驚きました。

それで思い出したけれど、2013年のBreaking The Dawn Tourで和彦さんの衝撃の髪型(短髪を立てていたウニみたいなやつ)を観てやはり驚いたのもこのリザードでのことだったなぁ…

 

 

 

本編が終わり、アンコール待ちの最中。

周りが徐にざわつきはじめたと思ったら、自分より少し前の方に見覚えのあるもじゃもじゃ髪の男性…

 

 

滝さん!!!!!?

 

 

滝さん!!!!!!

                                                                             

 

 

後ろの関係者スペースにいたであろう滝さんがいつの間にかフロア上手の前の方に普通に立っていて、何やら隣のファンの方と話し込んでいる様子。直後、メンバーが再度登場し卓郎さんが喋り出すも落ち着かない様子のフロア。

 

そんな中で「リザードがなかったら9mmは無かった」と語り、

フロアにいる滝さんに気付いていたのか?「ライブに出なくなったメンバーが存在感を薄れさせるバンドが多いけど、9mmはますます存在感を増していく稀有なバンド」と続ける。

 

5月にリリースされるアルバムにも触れ、

「次のアルバムは全部滝がギターを弾いています」

「初めて9mmを聴いた時みたいにびっくりすると思う」と。

 

 

アンコールの曲は「西堀くんがやりたいから と見せかけて和彦がやりたい曲」でPunishment

ここで冒頭に書いた滝さんのモッシュダイブが起こったのです…!

 

アンコールでは自分はフロア真ん中~それより前のモッシュピットを動いてて、自分も周りもかなりの興奮状態でぐっちゃぐちゃになっていたためよく見えてない、あんまり覚えていないところはあるのですがもじゃもじゃ髪で体格の良いあの方が確かにモッシュピットにいて、その人がその後気づいたら飛んでたのは覚えている。

 

 

これまた久々のPunishmentが嬉しくてたまらなくて、しかも滝さんと一緒に9mmのライブを観、滝さんと一緒に9mmのライブでモッシュしているなんて幸せで楽しくてそして最高に意味が分からない。ライブが終わってもしばらく状況がよく分からない。

ライブが終わった直後、心なしかやり切ったように見える表情の滝さんがPAスペースにいらしたのを見かけた。

 

ちなみに卓郎さん曰くこの日の滝さんの乱入は「ギター弾いてないからセーフ」

リザード仕様のセトリも素晴らしかったし、西堀さんも入っての編成は今回に限らずまたやって欲しいし、滝さんの件を置いといてもこの日のモッシュピットはかなり快適でそれもまた良かった。

 

 

終演後はライブが終わったら買おうと決めていたTEXASCOMMANDOのCDを買うべく物販に並んだりなどでしばらくフロアに残っていると、とっくに裏に行ったと思っていた滝さんがまだ物販近くにいらして、関係者?やファンの方とお話しされていた。やっぱり楽しそうな様子で。

 

 

滝さんと「まさかあなたと9mmのライブを観ることになるとは」と笑い合う日が来るなんて。

 

 

 

終演後に知ったのは、滝さんがPunishmentでフロア中央にできたサークルを割りダイブをし、そのままステージに上がってコーラスまでしていたこと。

ステージ全く見えなかったので、コーラスする滝さん…観たかった…

 

Punishment前に滝さんがステージに向かって何か言っていたこと。それが「卓郎かっこいい!!」という言葉だったこと。

自分の近くにいるファンに「9mmかっこいいですよねー」と話しかけていたこと。

そして公式が上げた写真にいた、生き生きとした表情でダイブする滝さん。

 

自分のバンドのライブで、長く連れ添ったバンドメンバーにかっこいい!と言ってただのキッズに戻り盟友たちや自分のバンドのライブをその場にいた誰よりも楽しんでいた滝さん。9mm愛が溢れまくっていた、滝さん。控えめに言って最高過ぎる!

滝さんがとてもお元気そうで、終始全力で楽しんでいる様子が見られて安心した。見てるこっちが幸せな気持ちになった。滝さんの9mm愛を目の当たりにしたことが何よりも嬉しかった。

 

20161105/9mm Parabellum Bullet TOUR2016“太陽が欲しいだけ”@豊洲PIT 簡易レポート

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各地で色々なゲストとサポートギタリスト・武田さんの力を借りながら続けてきたツアーの追加公演です。楽しかったツアーが終わってしまう時が来ました。

 

 

最後のゲストはGRAPEVINE

私の知る限りでは9mmと対バンしていた記憶は無いし、仲が良いバンドという訳でも無さそうで何故9mmがバインを呼んだのか不思議に思っていました。その辺の話はきっとまた卓郎さんが前説で話してくれるだろうと期待をしながら当日を迎える。

強いて言うならボーカルの髪型が似てる対バンかなと割と本気で思っていた…

 

 

 

定刻になると客電を落とさずステージの照明が点く。出てきたのは卓郎さん。

 

追加公演で初めて観る人達のために、滝さんが6月ぐらいから腕の不調があり、9mmとしてライブができるMAXの時間が限られているけど、これまでの会場でも全力でやってきたのだということを改めて説明。

 

GRAPEVINEについて、対バンは今回が初めてなのだそうです。

卓郎さんがバインに出会ったのは中学生の頃、ミュージックスクエア(ラジオ番組)でよく流れていたからだと。

「大学に入ったら、滝も好きで、滝がスロウが好きなんだ!って言ってCDを見せられて、滝すぐ耳コピできるからスロウを弾いたり」

そして恐らく9mmと曲調が違うからか?卓郎さんが

「9mmのファンはどんな音楽でも受け入れてくれるって確信してるから」とフロアに話しかける。

更に話を続けようとするが上手くまとまらないようで

「最後だから今日はうまくいかないや。笑 でも先輩を待たせる訳にいかないからね」と言って前説を終わらせる。

 

 

 

 

GRAPEVINE

 

SEも無くメンバーが登場。


田中さん、出てくるなりフロアを見渡してひと言

「これが9mmのお客さんかー」

 


自分たちのことを「1970年代から活動してるんです」

とさらっと言ってみたり

「金戸さんは柿(柄)のシャツ着て…」

とメンバーの着ているシャツの柄をいじったり、意外とMCでふざける人達だったのか…

 

 

バインは1曲も知らない状態でこの日初めて観たのですが、確かに9mmとライブの空気は違えど、心地の良いノリで聴ける曲、といった印象でゆったりとした気持ちで聴いていたらあっという間に終わってしまいました。

周りの9mmファンの人たちものんびりと体を揺らしながら聴いていたり、時には聴き入っていたりといった感じで終始良い雰囲気だったと思います。

 


ライブが終わった後にTwitterバインファンの方の感想を読んだのですが、この日のバインはかなり攻めたセトリだったそうです。9mmが対バンにお呼ばれしてWildpitchあたりをやるような感じですかね…?

ゲストで、しかも短い持ち時間だったのにそんな良いセトリでやってくれたバインの皆様、ありがとうございます…!

 

 

 

 

 

9mm Parabellum Bullet

 

太陽が欲しいだけ

Discommunication★

モーニングベル

インフェルノ

ロンリーボーイ

スタンドバイミー★

反逆のマーチ★

Lost!!

The Revolutionary

生命のワルツ★

 

Talking Machine

 

 

★が付いているのは滝さんがシンセを弾いた曲です

 

 

 

 

転換が終わり客電が落ちると後ろから一気に押され、バックドロップがどこから登場したのかを見逃すという失態。

お馴染み「Digital Hardcore」が流れ、メンバーが順番に登場。

これまではずっとツアーTシャツを着ていた卓郎さん、この日は黒いシャツで登場。

田中さんの白シャツに合わせたのでしょうか…?結局、何でこの日だけ黒シャツなのかは最後まで語られず。

 

ツアーのセトリを全て見ていないので何とも言えませんが、太陽始まりワルツ終わりは固定だったのでしょうか?この日も太陽始まりでしたが、1曲目にあのイントロが来るのは何度見ても込み上げるものがあります。

 

続くDiscommunicationはシンセでしたが、滝さんはここでも少し頭を振りながらリズムに乗っていて、なんだか調子が良さそうに見えた。

 

この日は序盤でモーニングベルが!間奏での長いタッピングが聴きどころで、滝さんのコーラスも多いので結構疲れる曲なのではないかと思われますが、滝さん、コーラスも間奏も見事やり切った!!さすがにモーニングベルはやらないと思っていたのでいきなり驚かされました!ツアーの最後だから、滝さんからの「心配かけてごめんなさい」というメッセージだったのか?(決してそんなことを滝さんに言って欲しいとは思っていませんよ)

 

ロンリーボーイもそんなに早くないけれど間奏のギターソロは割と凄まじいし、モーニングベル→インフェルノ→ロンリーボーイ を連続でやった滝さん…スタンドバイミーでシンセを弾くために椅子に座った時、ドリンクを飲みながら一息、といった様子だったのでこのあたりはやはり大変だったのか。

 

これまでの公演のMCでもネタにしていたように、太陽が欲しいだけ というツアータイトルにしたせいで?あまりお天気に恵まれなかった今回のツアー(雨バンドだしな…)ですがこの日は快晴、最終日にしてやっと太陽が手に入りました。卓郎さんも、終わりよければ…だね、と言っていましたし。

また、WOLLの中でも美しい曲、という説明をここでもしていました。

 

反逆のマーチでは卓郎さんが「闘ってるんだろ おれたちは誰でも」の部分を「東京のみんなも」に変えて歌う。

 

 

そしてThe Revolutionary 間違いなくこの曲がこの日の最大のハイライトで、

イントロでは前に来てギター弾き始めるし…この曲は間奏での卓郎さんと滝さんによるツインリードのギターソロが最高にかっこいいですがその間奏、ソロを滝さんが弾き切った瞬間にフロアから歓喜の拍手と大歓声が巻き起こる!!間違いなくあの瞬間、会場にいた誰もが感動したであろうし、一体感が半端なかった。

更に最後の「世界を変えるのさ」の部分で滝さんが

「世界をーーーーー!!!!!!!!」

って、あらん限りの力で叫んだのが、泣けて泣けて。

滝さん、きっと大丈夫なんだ。いつもの滝さんだ。と思ったらもうね…

 

 

元気な時の半分くらいだったけれど、あんなに動く滝さんを観たの、野音以来か。

どの曲だったか忘れてしまったけれど間奏のソロを弾く前に、やるぞー!と言わんばかりに右手を高く掲げたり、ギターのネックを少し振り回したり。

しかし、まだ完全に感覚が戻っていないようで、足元の機材に躓いてしまい、後ろにいる武田さんが心配そうに様子を窺っていた場面も。

 

それと反対に、徐々に前に出てきてギターを弾くことも増えてきた武田さんが、この日はほぼ前に出ず、完全に後ろでサポートに徹していたのはやっと前に出てギターを弾けるようになった滝さんを目立たせる為だったのかもしれないな、と。

 

 

アンコールではまず卓郎さん、和彦さん、かみじょうさん…が出てくる。他の会場だと武田さんも出てくるのに、出てこない。

卓郎さんが何を話すのかと思ったら

「あーしまった…武田くんがすっかり体の一部になってて紹介するの忘れてた!!」

すると何と、フロアから

 

\たーけーだ!!たーけーだ!!/

 

と、まさかの武田コールが自然発生する。

しかし、しばらく経ってからそれをまあまあ、と言いたげな感じでフロアを落ち着かせながら制した卓郎さん。

 

 

「次の曲は(9mmの)4人でやります」

 

 

…何ですって!!!?

 

 

そして滝さんがステージへ…演奏が始まったのはTalking Machine!!!!

 

今までライブで何回も何回も聴いてきたこの曲。

大好きなこの曲を、“9mm Parabellum Bullet”の演奏で聴ける有り難み。

喜びが爆発するフロア。

この時の嬉しさは言葉ではとてもじゃないけど言い表せない…

 

 

アンコールが終わるといつものようにフロアに向かって長々と挨拶をする卓郎さんと和彦さん。

卓郎さんが最後にオフマイクで「ありがとう!!!」と叫ぶ瞬間は何度見ても胸を打たれる。

そして卓郎さん、

「これからもよろしくな!!」

と言って去っていく。

 

 

これで終わりか…と思っていると徐にステージにスクリーンが下りてくる。

 

ツアーのダイジェスト映像に乗せて、各公演の日程がエンドロールのように流れてくる。

アルカラのツアーファイナルみたいだな、なんて思いながら観ていると

 

「2017年春 7thアルバムリリース決定!!」の文字。

 

アルバム…だと!!!?

またもや大歓声が巻き起こるフロア。

 

確かに滝さんが最近、曲をたくさん作っているとは言っていたけど、

こんなに早くアルバムが出るなんて!!

卓郎さん、これからもよろしくってそういう事だったの!?

 

ツアー中、来年になったら9mmは活動を休止してしまうのではないかという覚悟さえしながら観ていたのに、それどころかもうアルバムを出すと。ツアー終わって寂しい気持ちが一気に吹っ飛んだ。

 

 

各会場で前説としてメンバーが出てきて、今の滝さんの現状を直接説明してくれたのはワンマンのつもりでチケットを取った各地のファンへの配慮だと思うし、ゲストとして出てくれたアーティストの紹介は、自分たちを助けに来てくれたゲストの皆様が少しでもアウェーにならないように、という心遣いだったと思う。(今回のMCで卓郎さんがゲストの事を「急な救難信号に応えて駆け付けてくれて」と言っていた)

そして卓郎さんはツアー中、サポートしてくれた武田さん、助けてくれたゲストにはもちろん、会場に駆け付けたファンにも何度も感謝の言葉を伝えていた。

 

でも卓郎さん、ありがとうと言いたいのはこちらも同じです。

 

滝さんが骨折した時、そして今年の野音以降

9mmのライブが、普通に観られるのは当たり前じゃないんだという事を実感している。

やれる範囲で、全力のライブを見せてくれてありがとう、こちらこそありがとう。

 

「これからもよろしく」

と、たったひと言だけどそれで不安がなくなりましたよ。

こちらこそ。これからも、末永くよろしくお願いします。

 

 

そして武田さん、武田さんには感謝してもしきれません。

結局、武田さんはWOLLの大半の曲を弾きこなしました。武田さんがいてくれたからこそ、「アルバムのリリースツアー」仕様のセトリでのライブが観られました。ツアー後半戦の公演が全て開催できました。

サポート始めた頃は武田さんのこと知らない人も多かったであろう、それが今や9mmファンにすっかり受け入れられて。あの武田コールがそれを物語っている。

武田さん、本当にありがとうございます。

 

ただひたすら、感謝の気持ちでいっぱいのツアーでした。

 

 

 

 

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と、レポを書きました。11月8日のことです。

推敲のため、上げないでおいたら翌日の11月9日、滝さんが当面9mmのライブ活動を休止するとの発表がありました。

ジストニアの「疑い」ということで、混乱を招かないために公表を控えていたこと、ツアーが終わったタイミングで改めて公表して、更に滝さんは無理せず休養すること。あくまでも「滝さんがライブを休む」だけであって9㎜はこれからもこの4人で9㎜だということ。

どれも最善の判断だと思います。来年には滝さんの作った新しい曲が聴けることも決まっています。

 

卓郎さんがZepp Tokyoで「滝の代わりはいない」と言ったことも、きっとこれが終わればしばらくライブしないからと追加公演で大いに動き回り魂を削った演奏、そして無理をしてでもアンコールで出てきてくれた滝さんの行動もこれですべてが繫がった気がします。

滝さんにはしばらくゆっくり休養して欲しいとも心から思ってはいます。

 

ただ、滝さんの姿をしばらく見ることが出来ない事、休養しても治るかどうか分からないという状況であったことがやはりショックです。受け止めるまでにすこし時間がかかってしまいそうです。

どうして滝さんが…

 

 

滝さん、ツアー最後までやってくれて本当にありがとうございました。

少しでも早く9mmのライブに帰ってこれることをただ祈るばかりです。

そしてそんな状態でも9mmを続ける決断をして下さった皆様に、心からの感謝を。

 

20161022/9mm Parabellum Bullet TOUR2016“太陽が欲しいだけ”@仙台PIT 簡易レポート

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和彦さんの地元、仙台での公演です。

和彦さんが「9mmのライブ」のMCで喋るのは仙台でやる時だけ。

なので、9mmを仙台で観ることは長年の夢でありました。ファン歴9年にしてようやく叶いました。感無量です。


今回のゲストはMy Hair is Bad

名前は知っていましたが曲は全く聴いたことがない、何ならメンバー構成すら知らないという状態で当日を迎える。

初めて観るバンドは敢えて予習をせずに観るのが好きなので。







以下、内容・セトリのネタバレを含みます





定刻になると客電を落とさずにステージの照明が点く。

「こんばんはー」と言って出てきたのは和彦さん、のみ。あれ、札幌東京と違うパターンだな?と思っていると


「仙台担当の中村です」


なるほど。

続けて「ただいまー」とフロアに挨拶。


「長町(仙台PITの最寄駅)にはあんまり来たことがなくて…2〜3回ぐらいしか来たことない、生涯で。だからアウェーかなと思ったけど。笑」

と、地元トークを少し。


「ワンマンを楽しみにしてくれた人には申し訳ないけど、ギターの、滝くんの具合がね…だから、フルでできなくて…」

「あっという間に終わっちゃうけど、でも全力でやるから、仙台頼むぜ?」


また、対バンのマイヘアについて。

「マイヘアは先日ライブを見たけど、絶対こいつら変なやつだなって。笑  挨拶に行ったら(大人しい的な)で、俺たちもライブ凄いけど普段はそうでもないとか言われてたからね。」だから自分たちと似たようなものを感じるらしい。


なんかMCっぽくなってきたね、と笑いながら言ったりしながら、袖で待機していると思われるマイヘアのメンバーを「(呼んで)大丈夫?」と気遣いながら、

いよいよマイヘアをステージへ呼び込む。





My Hair is Bad



前述の通りで曲を知らないため、曲については詳しく書けません。すいません。7曲ぐらいやってたかな?


最初の曲で早くも「9mm!呼んでくれてありがとう!」と叫ぶ椎木さん。


「9mmは俺たちからしたらレジェンドだから、

卓郎さんがちょっと冗談を言いに楽屋に来てくれるんだけど、上手く笑えなくて。危ない橋を渡ってるみたいで。ちょっと間違えたら大変だ…って」

それな、畏れ多いとそういう反応になりますよね…わかる…と、何だかマイヘアに親近感が湧いてしまうMC。


「俺たちの歳、24〜5っていうのはクラスの頭良くてギター上手いやつらがこぞってコピーしてて、俺たち頭あんまり良くないギターもあんまり上手くなくてパワーコードエルレガーデン弾いてた。上手いやつらは徐々に辞めていって、俺たちは音楽続けて、9mmのツアーの前座に呼ばれるくらいになった」


「9mmはレジェンドだから、俺たち25のガキが9mmより爪痕残すなんて無理だし9mmよりかっこいいライブできるなんてありえない!でも、ありえないことをやるのがロックバンドでしょ!!?」

と、音楽を続けてきたからこんなに大きいステージで、9mmのツアーのゲストでライブできるという喜びをぶちまける。

また9mmに感謝を告げ、後で直接言いに行きます、とも。


ただ周りがみんな9mmのコピーやってた時に、「俺はひねくれてたから9mmなんて有名なバンド聴かないし、って言ってた」という事まで素直に暴露してしまう。笑  

それは隠しといても良いんじゃないか?笑  


最後の曲が終わるとまた「9mm、ありがとう!!」と感謝の言葉を。



マイヘア、とにかく熱いバンドで。スリーピースだけどサウンドもしっかりしていて、山本さんは足を振り上げながら結構動き回りながら弾いてて、椎木さんも歌わない部分では前に出てきて楽しそうな笑顔浮かべながらギター弾いてたり。


「今は9mmの番か??俺らの番か!!?違う、お前らの人生、お前らの番だろ!!!!」

かなりの熱量でぶちまけられたこの言葉には聞いていて込み上げるものがありました。


色々開けっぴろげにまくし立てながらギターを掻き鳴らす姿はかなりのインパクトだった。自分の思ってる事とか、音楽に対してかなり熱い人なんだなと。私もそうだけど、周りのお客さんもずっと、食い入るように聴いていた。


全く知識がない状態で観たので、これがマイヘアの第一印象になります。

歌詞があんまり聴き取れなかったのがすこし残念…多分音響の関係で…私の居た場所が悪かったので仕方ないですが。

また何処かで観る機会があるといいな…と思うところ。






9mm Parabellum Bullet



太陽が欲しいだけ

反逆のマーチ★

インフェルノ

迷宮のリビングデッド

スタンドバイミー★

Answer And Answer

Lost!!★

Talking Machine

生命のワルツ★


Cold Edge(卓郎/和彦/ちひろ/武田 の4人で)



★が付いているのは滝さんがシンセを弾いた曲です




客電が落ち、SEが流れ始め…これまでの会場とは違い、バックドロップが上から降りてきました。

これがもの凄くかっこよかったんですよね…


手を高く上げ頭の上で手を叩きながら入ってくる滝さん。少し元気そうに見えました。





WOLLの曲で唯一、ライブで聴けていなかったリビングデッドがここでようやく聴けた…!仙台まで来て良かった…!!やはり和彦さんの地元だからでしょうか。

間奏のベースソロでは和彦さんにスポットライトが当たり、しっかりと見せ場を目立たせていました。


今回はツアー中雨が…のくだりは無く、その代わりに卓郎さんが

「みんなアルバムの感想色々あると思うけど、一番美しい景色を切り取ったと思ってる曲です」

と言ってからのスタンドバイミー

今まで気付かなかったけど、この曲は卓郎さんブリコルールじゃなくてスナッパー?TYG?を弾いてるんですね。

穏やかな笑みを浮かべながら歌ったり、アウトロではメロディーの美しさに浸るようにギターを弾いていた卓郎さんの姿が忘れられません。



トーキンの2番、「何べんやっても」のところでいつも滝さん和彦さんがドラムの乗ってる台に上がって同時にジャンプするやつ、滝さんの代わりに武田さんがやっていました。あれ大好きなので武田さんがやってくれて嬉しい!



終盤、お馴染み卓郎さんの

「いけるかーーーー!!!!?」

に対して和彦さんが声は出さずに

「来いやー!」

って口動かしてるように見えた。



本編が終わりメンバーが退場する時に、最初と同じようにフロアを見ながら手を高く上げ頭の上で手を叩きながら去っていった滝さん。ライブ中の様子はよく見えなかったのですが、滝さん、やはり少し元気そうだな?それなら何よりだとぼんやり考えながら見ていました。




あれ、本編で和彦さん喋ってないぞ?と思っているとアンコールで出てきた卓郎さんが

「和彦が何やら準備し始めたよ?笑」

と言うので下手を見ると、マイクをいつもの低い位置から普通の高さに直して和彦さんが話し始める。

和「さっき喋っちゃったからね」

卓「4割ぐらいになっちゃったね笑」(客の反応について言っていたのか?)



アンコールで1曲だけやりますと話し始めた和彦さんを遮る卓郎さん。ここでマイヘアの話をさせてくれ、ということで。

「何でマイヘアにライブ出てもらったか言ってなかった」と、アンコールでやっと対バンのきっかけの話を。

マイヘアとの出会いは、RSRの美味しいケータリングのコーナーで会って。(スカパラの方も一緒だったらしい)そこでCDを貰ったのだそうです。それだけの出会いだったけど、ツアーに出てくれないかと声を掛けたら、出てくれたのだと。



マイヘアのおかげで今日ライブが出来たと、改めて感謝を告げる。

和彦さん、卓郎さんに向かって「(マイヘアが)レジェンド扱いまでしてくれてね(笑)」「いつもより機嫌いいもんね(笑)」と楽しそうに話しかける。


和彦さんがアンコールの話に戻ろうとすると卓郎さん、あれ、そこに戻るんだ?と言い「(中継風に)スタジオの中村さんにお返ししまーす」とふざける。


ひと通り話し終わるとマイクをいつもの位置に戻す和彦さん。それを見た卓郎さん、おれもそれでやろうかなと呟くと和彦さんのマイクに向かい

「いけるかーーーー!?」

「いけるかーーーー!!!!!?」

と何と和彦さんのあのマイクで叫ぶ!!!これは多分初めて見ましたよ???卓郎さん!!



アンコールの曲、Cold Edgeは武田さんがどうしてもやりたかった曲だそうです。今回のツアーではまだ1回もやっていない曲で、仙台公演まで取っておいた…訳ではないらしいのですがやるなら仙台で…という事に。

この曲も和彦さん作曲なので、マイヘア前やアンコールのMC、本編でやった湖とリビングデッドも合わせて今回は完全に和彦祭でしたね。

シャウトの部分では「仙台ー!!!!」と叫んでいました。

そして武田さん、見事な完コピでした!ソロめっちゃかっこよかったです!素晴らしい!!




アンコールで卓郎さんが話していましたが、この日は滝さんの調子がとても良かったそうです。メンバーもびっくりするぐらい。

滝さん元気そうだなと思っていたらその通りだったという。

少しずつ回復されているのでしょうか、卓郎さんからそんな報告が聞けたのが非常に嬉しい。



ツアーも残り僅かになりましたがこのまま何事も無く完遂できることを祈ります。