最後の駅の向こう

何でもすぐ忘れる人の特に記憶に残しておきたいライブの簡易レポートと趣味のレビューの予定。あくまで予定。

20161010/9mm Parabellum Bullet TOUR 2016“太陽が欲しいだけ”@Zepp Tokyo 簡易レポート

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いよいよツアー東京公演。最近の9mmは大きい会場だとすぐ売り切れなかったり、当日券が出たりすることもしばしばありましたが今回は関東での公演がこの日だけだったためか、早々とソールドしていた気がします。

(後に豊洲での追加公演が発表されましたが)

9mmのツアーではお馴染みの会場であり個人的には自分の地元・東京での公演ということでツアーの中でも一番楽しみな日でした。

 

 

そしてこの日のゲストはHERE

そう、只今9mmのライブをサポートして下さっている、武田将幸さんのバンドです!

HEREとは全国流通盤が出る前から縁があったのですが、まさか彼らがZeppのステージに立っているところを観ることになるとは…

 

 

 

 

 

 

以下、セトリ・内容のネタバレを含みます

 

 

 

定刻になると、客電を落とさずにステージの照明が点く。札幌と同じく、卓郎さんがステージへ…に続き、この日は和彦さんも出てくる。

「札幌ではおれがひとりで出てきたけど、今日はHEREだからね…」とのんびりと話し出す卓郎さん

「ね、カズちゃん」と普段と違う呼び方で和彦さんに同意を求める。これには和彦さんもびっくり(しているように見えた)

札幌で言っていたのと同じく、今の9mmはライブ出来る長さが限られている話。

そう言えば、地元・仙台以外では9mmライブの際に喋らないことになっている和彦さんも卓郎さんと一緒に喋るが卓郎さんが「和彦は普段東京では喋らないからね…」とそのことに触れると「今はライブ中じゃないから」と。まあ、卓郎さんとのアコースティックライブの時は普通に喋りますしね和彦さん。笑

 

 

 

 

HERE

 

死ぬくらい大好き愛してるバカみたい

はっきよい

己 STAND UP

アモーレアモーレ

ゾッコンROCK ON

感情超常現象

 

 

SEが流れると順番に出てくるメンバーとサポートの壱さん、ハジメタル。

最後に出てきた尾形さんはマイクを手に取るなり「Zepp Tokyo盛り上がってますか!!!!?」

尾形さん、まだライブ始まってないです!笑 いきなり飛ばし気味なのがHEREらしい。

 

「日本で最もハイテンションなロックバンド、HEREです!!!」

 

 

「はっきよい」からは2人組ダンサー・IN-pishも加わり総勢8名の大所帯に。

(IN-pish、名前だけだと御存知でない方も多いかもしれませんが、アルカラ「癇癪玉のお宮ちゃん」MVに出演なさっている方達です)

元々HEREはかなり派手な動きで演奏するバンドで、曲のいいところでメンバーがステージ前方に一列になって出てきて演奏する張り出しスタイルなど良い意味でやりたい放題なパフォーマンスが面白いバンドなので

大所帯でいつものように動きまくるこのバンドにはZeppのようなでっかいステージがとても似合っている。

尾形さんはZeppの広いステージを所狭しと動き回っているし、上手後方でキーボードを弾いているハジメタルは、たまにステージ前方まで出てきては踊りまくっていたり、(ドラムなのでその場から動けない宮野さんを除く)メンバー全員がステージ前方に張り出してきた時に一緒になって出てきてはエアギターみたいな動きをしていたのがもう面白くて。

 

「アモーレアモーレ」途中では尾形さんがドラムセットからフロアタムを奪ってきて、IN-pishメンバーにタムを持たせて和太鼓のようにして叩いたり(前の方よく見えなかったのですが…)ステージを飛び出し、おそらくフロア最前列ぐらいに乱入、「君は足を支えて」「君はドラム持って」とその辺にいた人に指示を出し、客の上で先程と同じようにタムを叩く。このパフォーマンスにはこの日初めてHEREを観る9mmファンも大盛り上がり。

更にフロアを沸かせたのが、この曲のアウトロでまたもやメンバーが前方に張り出してきたとき。

何と卓郎さん&和彦さんが張り出しに乱入!!!

卓郎さん、完全にHEREメンバーになったかのように両手を前に構え、若干ドヤ顔。いつもニコニコしてる卓郎さんが珍しく、ドヤ顔。和彦さんは後ろを向いて自分の体を自分で抱きしめるような謎の立ち姿でキメる。お二人ともとても楽しそうで観てるこっちまで幸せな気持ちになる。

そして曲が終わると2人とも、あっという間にステージから消えてしまう。

 

尾形さんがMCで話していたように、実は以前から9mmとは何かと縁のあるバンドでHEREの1stアルバムに滝さんとかみじょうさんがコメントを寄せていたり、対バンも3回ぐらい?もっとやってましたっけ?それぐらいしていて。HEREのレコ発で、2013年にO-WESTで対バンした時の様子は9mmの映像作品「act O+E」初回盤の特典映像にも少し収録されています。昨年には東邦大学の学祭での2マンがありました。

以前にもHEREのライブ中に9mmメンバーが乱入したことがあって、その時の9mmメンバーは普段のステージ上の佇まいとは違って、少しはしゃいでいるようにも見えるくらい楽しそうにしていて、そんな様子が観られるのもこの2組の対バンの楽しいところなので今回もほんの少しだけだったけど、乱入するところが観られて良かった。

 

 

9mmのサポートでは、ツアーに入ってからは徐々に存在感を出し始めているとはいえ基本的には滝さんの後ろで黙々とサポートに徹している武田さんですが、本来は割と派手な動きでギターを弾きまくる武田さん。

MCの途中だったか、冒頭で卓郎さんが言ってたのだったか、「HEREを初めて観る人?」との問いかけに少なくとも私の周りにいた人たちはかなりの人数が手を挙げていたので、9mmファンに普段の武田さんの姿がお披露目できたことは非常にいい機会だったと思う。

かなり短いセトリではあったけど、その短い間ですっかり9mmファンを引っ張って、最初は少し様子見をしていたようなフロアの雰囲気もすっかりなくなるぐらいの終始ハイテンションなライブでした!

 

 

武田さんダブルヘッダーということで、なのでしょうか?この日HEREの物販では武田さんの姿が大きくプリントされたTシャツを販売していました。そして終演後にはHEREメンバーと共に物販に立ち、自らTシャツを売っていました。2ステージをこなして、物販と最後の最後まで大活躍の武田さんでした。本当にお疲れさまでした…!

 

 

 

 

 

 

 

9mm Parabellum Bullet

 

 

太陽が欲しいだけ

Supernova

インフェルノ

Kaleidoscope★

スタンドバイミー★

Lost!!★

Black Market Blues★

Talking Machine

生命のワルツ★

 

Discommunication(卓郎/和彦/ちひろ/武田 の4人で)

 

 

★が付いているのは滝さんがシンセを弾いていた曲です

 

 

 

 

太陽で始まるのは先日の札幌と同じ…

だったのですが次の曲、Supernova!!!?

最近では通常のライブでも聴く機会がかなり減ってしまっていただけに、このタイミングでセトリに入るなんて想像すらしなかった…

また、イントロや間奏での卓郎さんと滝さんによるツインリードが、今回トリプルギター編成ということで原曲にはないトリプルリードのアレンジになっていたことに非常に感動しました。もしかしたらもう二度と聴けないアレンジだったかもしれません…理由は何であれ現在、普段とは違ってトリプルギターというギター好きにとっては最高の編成でライブをしているのですから、それを最大限に生かしたアレンジはとにかく素晴らしいと思います。シンセの曲も同様ですが今回のツアーではこういうところは今だからこそ聴けるものだと思って純粋に楽しんでいきたいです。

 

 

「スタンドバイミー」の前には札幌と同様に、「太陽が欲しいだけ」というタイトルにしてしまったからなのか?ツアー中ほとんどの日が雨だという話を。

「でも“お前の瞳の奥にある太陽が欲しいだけ”…だからね?」と。

 

最近のライブでは毎度そんな感じですが、この日もやはり動けない滝さんの分まで和彦さんが動き回っているように見えましたが、ラスト「生命のワルツ」の時にフロアに向かって「かかってこいや!!」と言わんばかりに指をクイッと向けていました。

 

 

 

アンコール、滝さんは現れず。

卓郎さん曰く「滝が一緒にライブ出来る時間は終わってしまった」「ウルトラマンのように」

 

この日のアンコールはDiscommunicationだったのですが、実は発売日が2007年10月10日で、つまりこの日でちょうどメジャーデビュー9周年という節目だったんです。そのことにも触れ、そういう話をしたんだからやらない訳にはいかないでしょ、と。

Discommunicationを聴いて9mmを好きになってから早9年か…と、とても感慨深い気持ちで観ていました。

 

 

 

アンコールで演奏前に卓郎さんが話したこと。

「滝の代わりは、いない」

「9mmにとっては滝の代わりはいないんだよ」

「みんなにも代わりのないものが見つかるといいね」と。

 

これまで滝さんに関して何か話す時の卓郎さんは、なるべく心配をかけないようにするためか、普段のMCと変わらずのんびりとした口調で軽い比喩を交えて話していたけれど、この時の卓郎さんは真っ直ぐな表現で、表情にもとても切実さがあらわれているように見えて…

 

「武田くんはサポートしてくれてるけど、9mmの大ファンでもあるからそのへんとの葛藤もあって…笑」

と、滝さんの代わりはいないと言い切ってしまったけれど、ここ数ヶ月間全力で9mmをサポートしてくださっている武田さんへのフォローと気遣いも忘れない。卓郎さんの優しさが窺えるひと言。

 

 

もちろん9mmは誰が欠けても成立しないし、メンバーもファンもそれは分かりきっていたことだけれど

メジャー9周年という節目を迎え、今のバンドの現状もあり、改めてそのことを噛みしめているからこその心からの言葉だったのだろうと。

会場にいた全員がこの言葉に心打たれたに違いない。私だってそうだ。

 

卓郎さんの口から直接、この言葉が聴けて良かった。