最後の駅の向こう

何でもすぐ忘れる人の特に記憶に残しておきたいライブの簡易レポートと趣味のレビューの予定。あくまで予定。

20161008/9mm Parabellum Bullet TOUR2016“太陽が欲しいだけ”@Zepp Sapporo 簡易レポート

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6〜7月は止むを得ず中止(アコースティックライブに変更)となってしまった9mmのアルバム「Waltz on Life Line」リリースツアー後半戦。ワンマンの予定だったのが滝さんの具合を考慮して、ゲストを迎えた2マン形式に。

滝さんのことがあるのでセトリにアルバムの曲がどれだけ入るのか、そもそもツアー仕様のセトリが組めるのか?

 

 

 

 

以下、セトリ・内容のネタバレを含みます

 

 

 

 

定刻になると客電を落とさずにステージの照明が点く。どうしたのかと思いきや卓郎さんが登場。

 

前回北海道に来たのはライジングで、その時の出番は夜中の3時だったのでものすごいテンションだったという。

「おれたち今…色々調べて貰えば…セトリとかね、分かるけどできる曲数とかのマックスが限られてて。」

「今日はWiennersが出てくれるんだけど、Wiennersは2014年のカオスの百年で、その時の体制の最後のライブをやってくれて。新しいメンバーになってからライブ観るのは初めてで。だから今日初めて観る人もいると思うけど、おれも同じだから。笑」

ライジングの時みたいな感じで、今日も頼むぜ、まだ18時だけど(笑)って。

「おれ呼び込みとかやったことないからさ…Wiennersの発音の仕方聞いてみたら、(語尾を上げたり下げたりせずに)ウィーナーズ  だって。でもMCの人は(「ウィ」を強調して)ウィーナーズ!!っていうからおれもMCみたいに言うね」

 

Wienners!!!!」

 

と卓郎さんが叫ぶと暗転。

 

 

 

Wienners

 

「俺たちは今週アルバム、GOKOHをリリースして、知らない?笑 知ってくれてる人ありがとう。で、ツアーも始まるんだけど」

「このタイミングで9mmに、ツアーの札幌に出てくれないかって言われて。少しでも9mmの力になれるなら、って、今日は30分間全力でやります!!」

私もWiennersを観るのは2年前のカオス以来、新メンバーになってから初めて観ました。サエさん、可愛らしい高い歌声でやっぱりこのバンドには可愛い歌声は必須なんだな、と。

 

Wiennersを初めて観る人が多いからか最初は大人しく見守っている人が多かったけど玉屋さんがもっと前来いよ、などと煽ったりして徐々に盛り上がってくる。

 

リズム隊はどちらかというとパンク寄り、それにシンセの爽やかなピコピコサウンドとボーカルの掛け合いが乗る、底抜けに明るいナンバーが次々と繰り出されてくる。卓郎さんが彼らを「爆裂ポップバンド」と紹介していたのが正にぴったり。何故か「西遊記みたい」とも言ってたけど。笑

 

今月、自身のツアーでも札幌に来るらしいです。そのタイミングで、サポートを快諾する彼らの心意気。そう言えば以前にWiennersのアルバム出た時に滝さんがコメント寄せていたし、元々結構親しいのかな。

 

正直、30分間では物足りない!サポートアクトじゃなくて完全に2マンという形で観たかった!!それぐらい楽しかった!!

 

 

 

 

 

9mm Parabellum Bullet

 

太陽が欲しいだけ

Discommunication★

Kaleidoscope★

インフェルノ

反逆のマーチ★

スタンドバイミー★

Lost!!★

火祭り★

The Revolutionary

生命のワルツ★

 

Talking Machine(卓郎/和彦/ちひろ/武田 の4人で)

 

★が付いているのは滝さんがシンセを弾いていた曲です

 

 

客電が落ち、お馴染みDigital Hardcoreと共にいつもの巨大なバックドロップが上がる。去年のツアーも今年の野音も、それぞれのライブ用に作られたやつを使っていたので普段のあのロゴのバックドロップがこんなに大きな会場に掲げられるのを見るのは実は久し振りで、すっかり見慣れた光景だけどやはり血が騒ぐ。

 

 

いきなり、滝さんが以前何処かのインタビューで自ら難しいと言っていた太陽が欲しいだけ から始まる。これが弾けるくらい回復したことが喜ばしい限りだし、もしかしたらこの曲できないかもしれないと思っていただけに驚かされる。

 

Kaleidoの華やかなリフにはシンセがお似合いだったし、

スタンドバイミーはシンセがきっと合うだろうなと想像はしてたけど本当にあの可憐で儚いメロディーに優しいシンセの音がよく合う。柔らかく降り注ぐ照明も曲のあたたかさを現していて、とても美しかったし

色々あった結果のシンセとはいえ、演出と捉えて聴いても大変素晴らしい、美しいメロディーの多いWOLL仕様のセトリに相応しい気さえしました。

 

滝さんのシンセ率が増えてますね。

反逆やLost!!は前ギターで弾いてなかったっけ…?

フェス用セトリより長いから、無理せずにやるということなのか。

全体を通して大人しくて、ギターも振り回さないしシンセは弾かなくていいパートの時には小まめに水分補給をし、軽く頭を揺らしてリズムに乗る程度で黙々と弾いていた。しばしば、穏やかな表情を浮かべながら客席を観たり、たまにかみじょうさん達の方を向いたりしている様子を見てなんだか安心したような、やはり少し寂しいような。

 

 

夏はあまり目立たないようにギターを弾いていたようにも見えた武田さん、Kaleidoや火祭り、反逆のあの特徴的なイントロやワルツの超絶アウトロまで、滝さんと一緒に ではなく完全にひとりで弾いている部分が多くてほんとにこの人凄いな…と圧倒されっ放し。

火祭りの間奏では元気よく前に出てきてソロのあの凄まじい部分弾いていたり(ライターは使ってないけど)。HEREのスーパーギタリスト・マー君の本来の姿が垣間見えてテンション上がりましたね。

 

北海道でのライブなだけに、武田さんは石狩郡新篠津村の出身という話題になりライジングの会場は石狩だから、近いから新篠津村って何度も言ったよ、HEREのボーカル、尾形さんも新篠津村なんだよと地元MCもしっかりやってました。

武田さんに対しておかえりー!と言う声が飛ぶ中、卓郎さんが「みんな、おかえりって言うの好きだね(笑)」

 

普段よりMC多めだった今回。

Wiennersが温めてくれたからってのもあるけど、最初からこんなにガツンガツンと盛り上がってくれてみんなありがとう!」と嬉しそうな卓郎さん

 

太陽が欲しいだけ、というツアータイトルにしてしまったためなのか?ツアー中、番外編的立ち位置の高知以外雨が降っているらしい(あとから米子が晴れていたと訂正) そんな中観にきてくれてみんなありがとう、と言った後で

「アルバムには雨の曲もあるんだけど…次の曲は雨が止んだあとの曲」と言ってスタンドバイミーを。

 

卓「Wiennersは今月ツアーで札幌に来るのに…って宣伝してないよね?」

客「言ってた!!」

卓「よかった、おれが聞いてなかっただけか(笑)」

「(今月札幌に来るのに)こうしておれたちに力を貸してくれました!」

Wiennersもそうだし武田さんもだし、見に来てくれるみんなのおかげでこうやってライブができる、このツアーでそのことを実感しているという卓郎さん。

 

終盤かな、客が掲げたタオルが視界に入ったと思われる卓郎さん、「タオル逆になってるよ(笑)」と話しかける。他のバンドならよくあることかもしれないけど、9mmは普段のライブでは客いじりをほとんどと言って良いほどしない。とても珍しい光景を見た。

 

「もうあと何曲かで終わりなんだけど、今日までの人生を全部ここに置いていくから」

 

「でもみんなの分も貰っていくからな!!!!!」

 

に続く生命のワルツの頼もしさ!Cメロ後に勢いよくぐるぐる回るのが恒例の和彦さん、いつもより多めに回っていたようにも見えました。

 

 

 

アンコールはやれるのか…?と思っていたら滝さんを除く4人がステージへ。

最後にこの4人で1曲やると言って演奏されたのはこれもやると思わなかったトーキン!!最後の最後にこの曲が来ると最高に幸せな気持ちになる。

 

 

 

限られた時間と曲数で、全力でライブをする9mmの姿、しかと見届けました。

正直物足りなさもあるであろう客たちのために、できる範囲でアンコールも入れてくれて。

失礼な話だけど、今は緊急事態といった状況だからセトリに期待をしていなかったんです。やってくれるならどんなセトリでも嬉しいし。

でも実際はやれる限りアルバムの曲も詰め込んで、Revolutionaryも入れて、フェスセトリとは完全に変えてきていた。

フェスも曲が固定とは言え曲順変えたりとかできる範囲で色々やっていたけど。

 

本編ラスト、生命のワルツが終わって、無意識にステージに向かって「ありがとう!!」と叫んでしまった。叫ばずにはいられなかった。

 

9mmのそういうところが、心から大好きです。