最後の駅の向こう

何でもすぐ忘れる人の特に記憶に残しておきたいライブの簡易レポートと趣味のレビューの予定。あくまで予定。

20161105/9mm Parabellum Bullet TOUR2016“太陽が欲しいだけ”@豊洲PIT 簡易レポート

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各地で色々なゲストとサポートギタリスト・武田さんの力を借りながら続けてきたツアーの追加公演です。楽しかったツアーが終わってしまう時が来ました。

 

 

最後のゲストはGRAPEVINE

私の知る限りでは9mmと対バンしていた記憶は無いし、仲が良いバンドという訳でも無さそうで何故9mmがバインを呼んだのか不思議に思っていました。その辺の話はきっとまた卓郎さんが前説で話してくれるだろうと期待をしながら当日を迎える。

強いて言うならボーカルの髪型が似てる対バンかなと割と本気で思っていた…

 

 

 

定刻になると客電を落とさずステージの照明が点く。出てきたのは卓郎さん。

 

追加公演で初めて観る人達のために、滝さんが6月ぐらいから腕の不調があり、9mmとしてライブができるMAXの時間が限られているけど、これまでの会場でも全力でやってきたのだということを改めて説明。

 

GRAPEVINEについて、対バンは今回が初めてなのだそうです。

卓郎さんがバインに出会ったのは中学生の頃、ミュージックスクエア(ラジオ番組)でよく流れていたからだと。

「大学に入ったら、滝も好きで、滝がスロウが好きなんだ!って言ってCDを見せられて、滝すぐ耳コピできるからスロウを弾いたり」

そして恐らく9mmと曲調が違うからか?卓郎さんが

「9mmのファンはどんな音楽でも受け入れてくれるって確信してるから」とフロアに話しかける。

更に話を続けようとするが上手くまとまらないようで

「最後だから今日はうまくいかないや。笑 でも先輩を待たせる訳にいかないからね」と言って前説を終わらせる。

 

 

 

 

GRAPEVINE

 

SEも無くメンバーが登場。


田中さん、出てくるなりフロアを見渡してひと言

「これが9mmのお客さんかー」

 


自分たちのことを「1970年代から活動してるんです」

とさらっと言ってみたり

「金戸さんは柿(柄)のシャツ着て…」

とメンバーの着ているシャツの柄をいじったり、意外とMCでふざける人達だったのか…

 

 

バインは1曲も知らない状態でこの日初めて観たのですが、確かに9mmとライブの空気は違えど、心地の良いノリで聴ける曲、といった印象でゆったりとした気持ちで聴いていたらあっという間に終わってしまいました。

周りの9mmファンの人たちものんびりと体を揺らしながら聴いていたり、時には聴き入っていたりといった感じで終始良い雰囲気だったと思います。

 


ライブが終わった後にTwitterバインファンの方の感想を読んだのですが、この日のバインはかなり攻めたセトリだったそうです。9mmが対バンにお呼ばれしてWildpitchあたりをやるような感じですかね…?

ゲストで、しかも短い持ち時間だったのにそんな良いセトリでやってくれたバインの皆様、ありがとうございます…!

 

 

 

 

 

9mm Parabellum Bullet

 

太陽が欲しいだけ

Discommunication★

モーニングベル

インフェルノ

ロンリーボーイ

スタンドバイミー★

反逆のマーチ★

Lost!!

The Revolutionary

生命のワルツ★

 

Talking Machine

 

 

★が付いているのは滝さんがシンセを弾いた曲です

 

 

 

 

転換が終わり客電が落ちると後ろから一気に押され、バックドロップがどこから登場したのかを見逃すという失態。

お馴染み「Digital Hardcore」が流れ、メンバーが順番に登場。

これまではずっとツアーTシャツを着ていた卓郎さん、この日は黒いシャツで登場。

田中さんの白シャツに合わせたのでしょうか…?結局、何でこの日だけ黒シャツなのかは最後まで語られず。

 

ツアーのセトリを全て見ていないので何とも言えませんが、太陽始まりワルツ終わりは固定だったのでしょうか?この日も太陽始まりでしたが、1曲目にあのイントロが来るのは何度見ても込み上げるものがあります。

 

続くDiscommunicationはシンセでしたが、滝さんはここでも少し頭を振りながらリズムに乗っていて、なんだか調子が良さそうに見えた。

 

この日は序盤でモーニングベルが!間奏での長いタッピングが聴きどころで、滝さんのコーラスも多いので結構疲れる曲なのではないかと思われますが、滝さん、コーラスも間奏も見事やり切った!!さすがにモーニングベルはやらないと思っていたのでいきなり驚かされました!ツアーの最後だから、滝さんからの「心配かけてごめんなさい」というメッセージだったのか?(決してそんなことを滝さんに言って欲しいとは思っていませんよ)

 

ロンリーボーイもそんなに早くないけれど間奏のギターソロは割と凄まじいし、モーニングベル→インフェルノ→ロンリーボーイ を連続でやった滝さん…スタンドバイミーでシンセを弾くために椅子に座った時、ドリンクを飲みながら一息、といった様子だったのでこのあたりはやはり大変だったのか。

 

これまでの公演のMCでもネタにしていたように、太陽が欲しいだけ というツアータイトルにしたせいで?あまりお天気に恵まれなかった今回のツアー(雨バンドだしな…)ですがこの日は快晴、最終日にしてやっと太陽が手に入りました。卓郎さんも、終わりよければ…だね、と言っていましたし。

また、WOLLの中でも美しい曲、という説明をここでもしていました。

 

反逆のマーチでは卓郎さんが「闘ってるんだろ おれたちは誰でも」の部分を「東京のみんなも」に変えて歌う。

 

 

そしてThe Revolutionary 間違いなくこの曲がこの日の最大のハイライトで、

イントロでは前に来てギター弾き始めるし…この曲は間奏での卓郎さんと滝さんによるツインリードのギターソロが最高にかっこいいですがその間奏、ソロを滝さんが弾き切った瞬間にフロアから歓喜の拍手と大歓声が巻き起こる!!間違いなくあの瞬間、会場にいた誰もが感動したであろうし、一体感が半端なかった。

更に最後の「世界を変えるのさ」の部分で滝さんが

「世界をーーーーー!!!!!!!!」

って、あらん限りの力で叫んだのが、泣けて泣けて。

滝さん、きっと大丈夫なんだ。いつもの滝さんだ。と思ったらもうね…

 

 

元気な時の半分くらいだったけれど、あんなに動く滝さんを観たの、野音以来か。

どの曲だったか忘れてしまったけれど間奏のソロを弾く前に、やるぞー!と言わんばかりに右手を高く掲げたり、ギターのネックを少し振り回したり。

しかし、まだ完全に感覚が戻っていないようで、足元の機材に躓いてしまい、後ろにいる武田さんが心配そうに様子を窺っていた場面も。

 

それと反対に、徐々に前に出てきてギターを弾くことも増えてきた武田さんが、この日はほぼ前に出ず、完全に後ろでサポートに徹していたのはやっと前に出てギターを弾けるようになった滝さんを目立たせる為だったのかもしれないな、と。

 

 

アンコールではまず卓郎さん、和彦さん、かみじょうさん…が出てくる。他の会場だと武田さんも出てくるのに、出てこない。

卓郎さんが何を話すのかと思ったら

「あーしまった…武田くんがすっかり体の一部になってて紹介するの忘れてた!!」

すると何と、フロアから

 

\たーけーだ!!たーけーだ!!/

 

と、まさかの武田コールが自然発生する。

しかし、しばらく経ってからそれをまあまあ、と言いたげな感じでフロアを落ち着かせながら制した卓郎さん。

 

 

「次の曲は(9mmの)4人でやります」

 

 

…何ですって!!!?

 

 

そして滝さんがステージへ…演奏が始まったのはTalking Machine!!!!

 

今までライブで何回も何回も聴いてきたこの曲。

大好きなこの曲を、“9mm Parabellum Bullet”の演奏で聴ける有り難み。

喜びが爆発するフロア。

この時の嬉しさは言葉ではとてもじゃないけど言い表せない…

 

 

アンコールが終わるといつものようにフロアに向かって長々と挨拶をする卓郎さんと和彦さん。

卓郎さんが最後にオフマイクで「ありがとう!!!」と叫ぶ瞬間は何度見ても胸を打たれる。

そして卓郎さん、

「これからもよろしくな!!」

と言って去っていく。

 

 

これで終わりか…と思っていると徐にステージにスクリーンが下りてくる。

 

ツアーのダイジェスト映像に乗せて、各公演の日程がエンドロールのように流れてくる。

アルカラのツアーファイナルみたいだな、なんて思いながら観ていると

 

「2017年春 7thアルバムリリース決定!!」の文字。

 

アルバム…だと!!!?

またもや大歓声が巻き起こるフロア。

 

確かに滝さんが最近、曲をたくさん作っているとは言っていたけど、

こんなに早くアルバムが出るなんて!!

卓郎さん、これからもよろしくってそういう事だったの!?

 

ツアー中、来年になったら9mmは活動を休止してしまうのではないかという覚悟さえしながら観ていたのに、それどころかもうアルバムを出すと。ツアー終わって寂しい気持ちが一気に吹っ飛んだ。

 

 

各会場で前説としてメンバーが出てきて、今の滝さんの現状を直接説明してくれたのはワンマンのつもりでチケットを取った各地のファンへの配慮だと思うし、ゲストとして出てくれたアーティストの紹介は、自分たちを助けに来てくれたゲストの皆様が少しでもアウェーにならないように、という心遣いだったと思う。(今回のMCで卓郎さんがゲストの事を「急な救難信号に応えて駆け付けてくれて」と言っていた)

そして卓郎さんはツアー中、サポートしてくれた武田さん、助けてくれたゲストにはもちろん、会場に駆け付けたファンにも何度も感謝の言葉を伝えていた。

 

でも卓郎さん、ありがとうと言いたいのはこちらも同じです。

 

滝さんが骨折した時、そして今年の野音以降

9mmのライブが、普通に観られるのは当たり前じゃないんだという事を実感している。

やれる範囲で、全力のライブを見せてくれてありがとう、こちらこそありがとう。

 

「これからもよろしく」

と、たったひと言だけどそれで不安がなくなりましたよ。

こちらこそ。これからも、末永くよろしくお願いします。

 

 

そして武田さん、武田さんには感謝してもしきれません。

結局、武田さんはWOLLの大半の曲を弾きこなしました。武田さんがいてくれたからこそ、「アルバムのリリースツアー」仕様のセトリでのライブが観られました。ツアー後半戦の公演が全て開催できました。

サポート始めた頃は武田さんのこと知らない人も多かったであろう、それが今や9mmファンにすっかり受け入れられて。あの武田コールがそれを物語っている。

武田さん、本当にありがとうございます。

 

ただひたすら、感謝の気持ちでいっぱいのツアーでした。

 

 

 

 

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と、レポを書きました。11月8日のことです。

推敲のため、上げないでおいたら翌日の11月9日、滝さんが当面9mmのライブ活動を休止するとの発表がありました。

ジストニアの「疑い」ということで、混乱を招かないために公表を控えていたこと、ツアーが終わったタイミングで改めて公表して、更に滝さんは無理せず休養すること。あくまでも「滝さんがライブを休む」だけであって9㎜はこれからもこの4人で9㎜だということ。

どれも最善の判断だと思います。来年には滝さんの作った新しい曲が聴けることも決まっています。

 

卓郎さんがZepp Tokyoで「滝の代わりはいない」と言ったことも、きっとこれが終わればしばらくライブしないからと追加公演で大いに動き回り魂を削った演奏、そして無理をしてでもアンコールで出てきてくれた滝さんの行動もこれですべてが繫がった気がします。

滝さんにはしばらくゆっくり休養して欲しいとも心から思ってはいます。

 

ただ、滝さんの姿をしばらく見ることが出来ない事、休養しても治るかどうか分からないという状況であったことがやはりショックです。受け止めるまでにすこし時間がかかってしまいそうです。

どうして滝さんが…

 

 

滝さん、ツアー最後までやってくれて本当にありがとうございました。

少しでも早く9mmのライブに帰ってこれることをただ祈るばかりです。

そしてそんな状態でも9mmを続ける決断をして下さった皆様に、心からの感謝を。