最後の駅の向こう

何でもすぐ忘れる人の特に記憶に残しておきたいライブの簡易レポートと趣味のレビューの予定。あくまで予定。

20210119/9mm Parabellum Bullet&THE BACK HORN“荒吐20th SPECIAL -鰰の叫ぶ声 - 東京編”@昭和女子大学 人見記念講堂

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 1月19日・20日の2日間にわたり開催された、THE BACK HORN9mm Parabellum Bulletによるライブ。ARABAKI ROCK FEST.の20周年を記念した企画で、本来は昨年4月にバクホン&9mmの総勢8人で荒吐のHATAHATA STAGEに出演し、その後5月9日・10日に東京の人見記念講堂でライブをする予定だったがどちらもこの状況で延期となってしまった。

東京編は昨年4月の時点で延期後の日程が1月19日・20日に決定しており、延期に伴う払い戻しでキャパが50%を下回ったため、有観客と生配信にて開催されることになった。昨年の時点で延期の報せを聞いた時には、来年にはこの状況も収まり無事にライブが開催されるだろうと思っていたので、まさかここまで状況が悪化するなんて…。

 

会場では感染対策として、来場者は入口で個人情報を記入したシートを提出、消毒・検温の実施、チケットの半券は自身でもぎり入場、そして市松模様のように一席飛ばしに配置された指定席で観覧するという形式。そのため空席には「この座席はご利用いただけません」の貼り紙を、使用する座席には元々書かれている番号の上にこの日のために配置を変えた席順に対応する番号が貼られていた。

この日は前半の40分が9mmのライブ、後半が9mm&バクホンによる合同バンドとメンバーをシャッフルしたバンドでのライブ、という流れ。ステージには既に2バンド全員分の機材が並んでおり、その後ろには格子状の骨組の照明機材とともに荒吐のHATAHATA STAGEと同じバックドロップが掲げられていて、本家荒吐のステージをそのまま東京に持ってきたようだった。

 

18時過ぎに場内が暗転、お馴染みのSEであるDigital Hardcoreが流れ9mmメンバーとこの日のサポートギター、武田さんがステージに登場。

 

太陽が欲しいだけ

Answer And Answer

白夜の日々

サクリファイス

Supernova

The World

名もなきヒーロー

新しい光

Talking Machine

ロング・グッドバイ

 

太陽が欲しいだけ からライブがスタート。「さあ両手を広げて全てを受け止めろ」の部分では客席から無数の手が上がり、この一節を歌い切った卓郎さんも笑顔で両手を上げていた。アウトロでは滝さんがモニター前に飛び出しながら轟音を出し、和彦さんは派手に回るように動いていた。続いてAnswer And Answer 、滝さんが続けてモニター前やお立ち台でギターを弾き続ける。間奏では和彦さんがモニターを軽々と飛び越えてステージ前方まで出てきていた。開幕から2曲続いたカラッとした明るさの曲たちを、清々しい気持ちで聴いていた。

白夜の日々ではステージが眩い白に包まれ、その中を煌びやかなメロディーが流れてゆく様子が美しかった。「流されずに 生きるために 君に会いに行くよ」の一節が、この状況下でも出来る限りの最善を尽くしてライブを開催してくれた彼らの姿と重なって聴こえた。最後の一音が鳴り終わるとかすかに残った余韻が空間いっぱいに広がって消えていった。

音が止まりステージが暗くなる中、卓郎さんが「ありがとう!」と言うと客席から拍手が巻き起こる。歓声を上げることができない代わりに拍手をし続けた。それは他の人も同じだったようで、長い間拍手が鳴り止まなかった。

 

ステージが明るくなり、卓郎さんが話し始める。「みんなの長い拍手でちゃんと気持ちが、声が届いてるので。なかなかこれまでのライブとは違いますけど、その調子で楽しんで下さい。」卓郎さんが話している間、滝さんがギターで何となくバイオリンのような音を奏でていた。

「9mmは今年初ライブなので、新年一発目をみんなと過ごせてとても嬉しく思います。今日も明日もここに来た人も正解だし、今日来ない、家で観ようと思った人も正解だと思うからそれぞれの場所で余すところなく楽しくやってください。」この言葉に再び大きな拍手が起こった。

 

卓郎さんが「次の曲は昔ここで9mmがやった時におれがイントロを弾こうとして盛大にミスった曲」と紹介してから始まったのは、サクリファイス。ステージが真っ青な空間に変わる。昨年のライブで演奏された時もそうだったが、原曲よりキーを下げての演奏。1サビ後のパートを滝さんと武田さんがオクターブで引いているように聴こえた。間奏後、真っ青なステージに差し色で赤が入った瞬間の鮮やかさがとても良かった。最後のサビでは滝さんが卓郎さんのパートを追いかけるようなコーラスが入れられていた。

サクリファイスのアウトロから音を切らずにそのままSupernova へ! この繋ぎ方が本当に綺麗で、思わず歓声を上げそうになってしまった。久し振りに聴けたのでそれも嬉しかった。終盤では和彦さんのシャウトと同時に滝さんが広いステージを動き回り何度もギターのネックを振り下ろしていた。The Worldでは間奏あたりで放射状に広がる光がいくつもステージを彩っていた様子がクリーンのアルペジオにとても合っていた。「目を凝らして焼き付けてみる 明日も僕らが生きていく世界を」の一節はやはりどうしても今の状況を重ねながら聴いてしまう。最後にかみじょうさんが左右のシンバルに両手を静かに落として音を止める様子が見えた。演奏が終わると暗くなるステージの中で卓郎さんが丁寧にお辞儀をしていた。

 

滝さんがギターで重たい電子音のような不思議な音を奏でる中、卓郎さんが会場である人見記念講堂についてここは本当に素晴らしいホールですね、内装も美しいし、と話し始める。

「9mmの演奏が終わったら、9mmとTHE BACK HORNが合体して“鰰の叫ぶ声と”いうバンドとして登場しますので、楽しみにして頂いて。すごいよ!」「THE BACK HORNとおれたちのことを好きでいてくれるみなさんは、いつかこういうことが起こるんじゃないかと思ってたかもしれませんが、今日がその日だということで。」

「今日はおれたちと“鰰の叫ぶ声”、明日はTHE BACK HORNと“鰰の叫ぶ声”なので先攻と言いましたが、まだ俺たちの攻撃は少し残ってるから。いってもいいですか?」

 

卓郎さんの「いけるかーー!!!!」から名もなきヒーローへ、 ステージ後方の照明が青とピンクの強い光を放っていて、ホールの大空間の天井まで薄っすらと染め上げていた。サビの「また明日」で真っ赤な照明に切り替わるのはこの曲での定番の流れ。「勝ち目が見当たらなくたって 逃げたくないから笑ってんだろ くじけそうな心をふるいたたせて」の一節が、この状況で沈みきった心を引っ張り上げてくれるように力強く響いた。最後のサビの、優しく広がる滝さんのファルセットが心地よかった。

名もなきヒーローのアウトロからカウントも入れずそのまま新しい光へ!照明も一瞬名もなきヒーローと同じ青とピンクを入れた後に真っ白な光に変わっていて、その流れも2つの曲がひとつになったようで良かった。2回目のサビ後にステージ中央を挟むようにして和彦さん・卓郎さんと武田さん・滝さんがギターやベースのネックを立てるという綺麗なフォーメーションを見せる。声が出せない客席、最後のサビでは歌声の代わりにいくつもの拳が上がった。

滝さんが飛び跳ねながらギターを弾き、卓郎さんがマラカスを振るライブアレンジの繋ぎからTalking Machineへ。曲に入る時の「1,2,3,4!!」は卓郎さんがマイクから少し離れ、 オフマイクに近い状態で思いっきり叫んだ。「踊れー!!」と卓郎さんに煽られれば、体を動かさずにはいられない!2サビに入る瞬間に滝さんと和彦さんが同時に大きくジャンプ、かみじょうさんも大きく頭を振りながらの演奏。アウトロの入りで卓郎さんが「踊れ踊れ踊れー!!」と更に煽り、滝さんの動きも一層大きくなっていった。

最後の曲はロング・グッドバイ、イントロでこの日一番の轟音を叩き付ける。1サビ後に滝さんがタッピングする瞬間に上側の後ろの照明、アウトロでは和彦さんが思いっきり体を屈めてベースを弾いた後に思いっきり蹴り上げるように立ち上がってぐるぐると回ったり、滝さんも最後に大ジャンプを決めていた。

 

演奏が終わり拍手が巻き起こる中、卓郎さんがステージ中央でお辞儀をする瞬間に拍手の音が止まり、卓郎さんのお辞儀を見届けると再び大きな拍手の音が巻き起こっていた。滝さんと武田さんは早々に退場し、卓郎さんに続いて和彦さんが客席に向かって拳を向けるようにしながら退場、最後にかみじょうさんが客席に大きく手を振って袖に消えていった。

 

広々としたステージを最大限に生かすように、和彦さんと滝さんが終始大きく動き回っていた。下手の和彦さんはすっかり伸びた髪を振り乱しながら何度も回ったり、大きくジャンプしたり。上手の滝さんはお立ち台に上ったりステージ端まで行ったり、ギターのネックを振り回したり。上手の壁に滝さんのすらっとした影が大写しになる様子も大きい会場ならではの光景だった。

この日、9mmがステージに登場する際にいつも通りAtari Teenage Riotの「Digital Hardcore」が流れたが、実は昨年は配信ライブ・有観客ライブともにこのSEは使われなかったため、Digital Hardcoreで入場するといういつもの光景を観られたのは何と1年振りだった(権利関係など何らかの都合で流せなかったのではないかと思っている)。それも嬉しかったところ。

卓郎さんがサクリファイスの時に「昔ここでイントロをミスった」と言っていたが、それは2017年7月の“TOUR OF BABEL Ⅱ”での出来事。その公演は当時ライブ活動をお休みしていた滝さんがアンコールで一時復帰を果たし、ロング・グッドバイと新しい光を演奏したライブでもあった。今回再び同じ場所で新しい光もロング・グッドバイも演奏され、卓郎さんの思い出話も出てきたので2017年当時を思い出しつつ、2021年に同じステージで滝さんが元気に演奏している姿を観られることを本当に嬉しく思いながら聴いていた。

 

 

9mmのライブが終わり、休憩・換気タイムを挟んでからロビーに出ていた客が自席に戻り再び場内が暗転すると、三味線の音が流れ始める…それは荒吐で使用されているSEだった。それに合わせ9mmとバクホン、両バンドのメンバー8人がステージに登場。拍手は途中で三味線のリズムに合わせた手拍子に変わる。前列は下手から和彦さん・岡峰さん・卓郎さん・将司さん・栄純さん・滝さんの順に並び、後列には左にかみじょうさん、アクリル板のようなものを挟んで右に松田さん、という並びでドラムセットが2台。和彦さんは髪を一つに結び、卓郎さんはアコギを構えていた。

 

松田さんとかみじょうさんが同時にドラムを叩き始め、栄純さんと滝さんがイントロのリフをオクターブで弾く、コバルトブルーからこの特別な編成のライブがスタート。歌い出しは将司さん、「変わらないこの世界~」の部分からは卓郎さんと滝さんが2人で歌声を重ねる。サビでは将司さんの勇ましい歌声と卓郎さんのしなやかな歌声が重なる。ギター3本、ツインベースにツインドラムという大所帯の編成には高揚感が止まらなかった。

2曲目はハートに火をつけて。将司さんの歌声と栄純さんのギターの音が乗るといい意味で不穏さが出ていて、もうバクホンの曲なのでは?という雰囲気さえあってそれが堪らなくかっこよかった。序盤で岡峰さんが、自分の弾くところを忘れてしまったようで途中で気付いて弾き始め、それを横で観ていた和彦さんが手を叩いたり岡峰さんを指さしながら爆笑するという微笑ましい場面があった。間奏後には卓郎さんが「手触りだけの“人見記念講堂”は」と歌詞を変えて歌っていた。

 

演奏が終わるとステージが暗転。しばらくして照明が点くとステージには卓郎さん、和彦さん、栄純さん、松田さんが残っていた。

「おれたちが“鰰の叫ぶ声”です!」と自己紹介をする卓郎さん。この名前は、荒吐のボスである菅さん(主催のGIP・菅真良さん)が名付けたらしい。その話をしながら「菅」原卓郎さんと「菅」波栄純さんが、ややこしいよねーと言い合っていた。“鰰の叫ぶ声”は2つに分裂するんですよ、9mmとバクホン、ではなく混合バンドに…この4人は便宜上“黒組”という名前である、と話を続ける卓郎さんと松田さん。(それを聞いて栄純さんがもう本番なのにまだ便宜上なんだ?と返していた。)そしてステージから退場した残りの4人が“白組”とのこと。9mmのライブ中は白シャツ1枚だった卓郎さんが後半になって黒いロングジャケットを着て出てきたのは、黒組だからということか。

卓郎さんが「だから、黒白(こくはく)歌合戦ですよねー」と言うと松田さんが「過去に決闘披露宴(2014年開催)という2マンもやったし、“披露宴”とか“こくはく”とか、何か縁があるんですよね」と続け、それに対して卓郎さんが「何でLOVE寄りなんですか!」栄純さんが「ラブコメ感あるのかな」とそれぞれ返すなど、しばらく3人のほんわかしたやり取りが続いた。

 

「お互いの曲を演奏していきます」と卓郎さんが言ってからの1曲目は9mmの曲、Vampiregirl 松田さんのドラムの丁寧さのおかげか普段よりほんの少し淑やかさを感じさせていたのが新鮮で、とても良かった。間奏に入ると上手では栄純さんがアドリブも混ぜながらソロを弾き、下手では和彦さんがモニター?に座ってベースを弾いていた。終盤では和彦さんがいつものように大きくぐるぐると動き、栄純さんも大きく頭を振っていた。

続いてはバクホンの曲、罠 卓郎さんの歌声は9mmの時よりも柔らかく、それがかえって曲にどろどろとした凄みと何とも言えない美しさを出していた。

 

演奏が終わると卓郎さん・和彦さん・栄純さん・松田さんが退場し、入れ替わりに将司さん、岡峰さん、滝さん、かみじょうさんが登場。滝さんは変わらず黒いTシャツだったが、先ほどまでそれぞれ黒っぽい服を着ていた岡峰さんとかみじょうさんが白いロンTを着て出てきた。将司さんは最初から白いシャツを着ていたので4人中3人が白を着ているという出で立ち。

最初に話し出したのは将司さん。「どうも白組です…大事なことはもう卓郎が全部言ったね。皆さんご存じの通り、心が白組と心が黒組ということで…」と言うと客席から堪えきれず笑い声が漏れる。

岡峰さんが「滝くんとちーちゃんは喋らないの?(無言で同意する2人)じゃあ白は全然喋らないね。黒組のドラムの人凄い喋るからね…“黒いドラム”っていいね。」と言った時に、確かに普段両バンドでMCをやる人達がみんな黒組だったことに気付く。喋り慣れていない将司さんと岡峰さん、時折話し始めが被ってしまい譲り合う場面もあった。

1人だけ黒い服だった滝さん、岡峰さんは「滝くんに、俺ら白着るけど…まあ着なくてもいいんだよ」と声を掛けていたらしい。滝さんは将司さんが「白あんま着ないもんね?」と聞くと大きく頷き、岡峰さんが「何か(理由が)あるんでしょ?」と聞くと首をブンブンと横に振っていた。「好みの問題なんだ?」と聞かれると再び大きく頷く滝さん。それを見た岡峰さんが、「今後差し入れできるようになったら滝くんに白い服をあげてください」と言っていた。

将司さんが、岡峰さんが最近髪を切ったことに触れると岡峰さんが下手2人とも長いと重たいでしょ、というような言葉を返していた。将司さんはライブが始まる前、和彦さんに「明日は光舟と同じ髪型にするんでしょ?」と言ってシカトされたらしい。

 

話がひと通り終わると演奏へ。1曲目は9mmの曲、The Revolutionary  将司さんはギターボーカルでの演奏。強い頼もしさのある歌詞は将司さんの勇ましい歌声にぴったりだった。間奏のツインリードは滝さんが将司さんのところまで行って2人で向かい合って弾いていた。最後の「世界を変えるのさ おれたちの思い通りに」でありったけの力を込めて叫ぶ将司さんと滝さん。

続いてはバクホンの曲、戦う君よ 将司さんはいつものようにハンドマイクに戻っていた。コーラスパートが多いこの曲、将司さんと滝さんの歌声が重なるのをたくさん聴けたのも嬉しかった。終盤で将司さんが「綺麗事じゃなく美しい日々 探し続けていこうぜー!!!」と変えて歌っていた。

 

将司さんが黒組の4人をステージに呼び込み、再び8人が揃う。それぞれのパート同士でお互いを称え合うように笑顔で向かい合ったり、オフマイクで何か話したりしていたので誰からだったか、自然と「マイク通してよ」という声が飛んだりもしていた。「白組見てテンション上がっちゃったよ」と言いながら栄純さんが滝さんと嬉しそうに笑い合っていた。

将司さんと卓郎さんが話し始める。たまたまではあるが、黒組の4人はかつて荒吐BRAHMANコピーバンドとして出演したことがある、という話。主催の菅さんに東北出身者で何かやってよ、と言われたのがきっかけとのこと(卓郎さんが菅さんの真似をしながら)。今回の組分けは公正にじゃんけんで決めたのに結果そうなったので不正を疑われたが、それじゃ全員で話し合わせないとダメだから逆に難しいよという話に落ち着いていた。

 

松田さんが「荒吐が作ってくれた機会なので、順番が逆になって東京編が先になってしまったけど、荒吐が開催出来たら東北の地でもまたやりたいですね。」と言っていたが、本当にどうにか、今年の荒吐が開催されて再びこの8人でのステージが観られますように。(ちなみに松田さんが話し始めた時に将司さんが「おっ、黒いドラムが」と話しかけていたがスルーされていた)

 

再び8人での演奏、将司さんが「人見――!!」と思いっきり叫んでから演奏されたのは、刃!イントロではかみじょうさんがスティックを2本まとめて両手で持ち、持ってシンバルを叩いていた。ここでもリフをオクターブで弾いていた栄純さんと滝さん。この8人がステージに並んで刃を演奏する様子は月並みな言葉になってしまうが壮観、そして圧巻だった。この曲で声を一切上げられないというのが、本当にもどかしかった。

最後の曲はBlack Market Blues 、卓郎さんが「人見記念講堂に辿り着いたなら!!」と歌詞を変えて歌っていた。中盤だったか、一際大きく動き回っていた滝さんがステージの上手端、シールドの届くギリギリのところまで来てくれた。普段和彦さんがこの曲のイントロで屈んでベースを弾いたり、2番の入りでベースをアンプに近づけてノイズを出したりしているが、それを岡峰さんが真似して和彦さんと一緒にやっていたのが2人の仲の良さを窺わせる、嬉しい場面だった。

 

演奏が終わり滝さんを筆頭に順番に退場していく中、卓郎さんが「気をつけて帰って下さい、また会いましょう!」と挨拶。和彦さんが袖に消える前に客席に一礼、最後にかみじょうさんが手を振って退場していった。

20時までに終わらなければならないこともあり、アンコールは無かった。終演のアナウンスが流れると再び大きな拍手が巻き起こった。

 

 

この日卓郎さんがMCで9mmとバクホンについて、「似てる、というわけではなくて何かが近いんだなと思った。音楽的に親戚。」と表現していた。かつて栄純さんと滝さんが別の機会でそれぞれライブに出られなかった時にお互いの代打をした話が出た時には、将司さんが「親戚の助け合い」とも言っていた。実際8人が一緒にステージに立って演奏する様子を観ながら、“親戚”という例えの絶妙さを実感した。この2組が一緒に演奏するなら楽しいに決まってる、と当日まで期待を膨らませていたが、それを軽く飛び越えてきたライブに翌日の公演への更なる期待が高まった。

 

 

◆鰰の叫ぶ声(全員)

コバルトブルー

ハートに火をつけて

◆黒組(菅原卓郎・菅波栄純・中村和彦・松田晋二)

Vampiregirl

◆白組(山田将司・滝善充・岡峰光舟・かみじょうちひろ)

The Revolutionary

戦う君よ

◆鰰の叫ぶ声

Black Market Blues


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