最後の駅の向こう

何でもすぐ忘れる人の特に記憶に残しておきたいライブの簡易レポートと趣味のレビューの予定。あくまで予定。

20220718/キツネツキ“こんこん古今東西ツアー 其の二”@F.A.D YOKOHAMA (メモ)

キツネツキのデモCD第3弾「キツネツキスリー」レコ発ツアーの初日公演。

対バンはMASS OF THE FERMENTING DREGS かつて9mmとはEMIのレーベルメイトだったり、現在マスドレのメンバーとして在籍しているオグさんが卓郎さん&滝さんと大学の同級生だったりと縁深いバンド。

この日は上手側前方で観られてマスドレではオグさん、キツネツキでは滝さんがほぼ自分の真ん前という位置でステージ全体もよく見ることができた。



MASS OF THE FERMENTING DREGS

 

ずっと知っていたしCDも何枚か聴いたことはあったが多分ライブは初めて観たのではないかと。自分は初見のバンドを予習なしで観る派なので、 マスドレも予習なしで観てみた。

序盤は穏やかで温かみのあるメロディーの曲が入り、中盤ではShe is inside,He is outsideや かくいうもの(あたりがセトリに入っていたかと思う)などで凄まじい爆音の演奏。こうやって聴き比べるとメンバーチェンジなどを経て結構曲調が変わったようにも思えるが双方混ざったセトリが大変良かった。

「長い曲やります」と前置きされてから始まった曲が本当に長く、吉野さんが一定のビートを刻む中オグさんとなつこさんがセッションかのように音を重ねていき途中コーラスを入れつつも歌はあまりなくインストのような曲展開、これがめちゃくちゃ気持ち良かった!最後の曲もインストで(ベアーズ?)なつこさんが叩いたカスタネット2つをフロアに投げ入れるとまたものすごい音の渦を生み出してライブを締めた。

 

明るい花柄のワンピースを着たなつこさんは演奏中や曲間で明るい笑顔を何度も浮かべ終始可愛らしい印象がありつつ、演奏が盛り上がると結構ダイナミックに動いてて凄まじくかっこよかった。観ていて何度も釘付けになった。オグさんのことはほぼ真正面の位置で観られた。自分は元々Qomolangma Tomatoが好きで、チョモではたくさん観てきたオグさん、マスドレでギター弾くのを初めて聴いたけれど、弾き方なのか馴染みのオグさんの音だなあと無意識に感じる瞬間がちょいちょいあって嬉しい気持ちになった。

 

オグさんだけでなく、なつこさんも卓郎さん滝さんと同い年であるマスドレ。吉野さんだけ年齢が上だとふたりからいじられていた。

かつてレーベルメイトだった9mmとマスドレ、9mmが「黄色いアルバム(=Gjallarhorn、インディーズ1stアルバム)」を出した時のツアー神戸公演で対バンして、その後9mmがEMI側に「神戸に面白いバンドがいる」と紹介したのがきっかけでEMIの人がマスドレ観たところ気に入ってEMIへ入ることになったとのこと。当時の話をしていた中でMySpaceにaudioreafと随分久しぶりに聞く単語が出てきたので、聞きながら懐かしさについ笑ってしまった。



■キツネツキ

 

この日は基本的に卓郎さんがギター、滝さんがドラムの2ピース編成。卓郎さんはEdwardsのTricksterフェンダーアンプ、と普段と違う機材だった。今までと違うアンプだからか、卓郎さんご本人が転換時に念入りにサウンドチェックをしていた(ライブ中、曲間でも何度か音確認していたように見えた)。

 

キツネツキのテーマ

101匹おおかみ

odoro odoro

小ぎつね

証城寺の狸囃子

It and moment

よるのにじ

ちいさい秋見つけた

Ozizo3

---------ここからアンコールまでゲスト:小倉直也

ふたりはサイコ

ケダモノダモノ

GOHONG-ZONE

 

キツネツキのテーマ3

てんぐです

Intro〜きつねのよめいり〜

まなつのなみだ2019

C.C.Odoshi



自分の位置的に、滝さんがドラム叩くところを今までで一番近くで観られたので、どれほど滝さんのアタックが強いかを目の当たりにしてびっくり スネアの音が馬鹿でかくて楽しい演奏だった。

新曲の101匹おおかみは結構ハードコアな曲で、ライブだと音源で聴くよりも更にパンチのある演奏だった。卓郎さん曰くキツネツキの“不動のアンセム”である小ぎつねの出だしでは滝さんが卓郎さんの出音を確認しようと一度演奏を止めたが、卓郎さんと一瞬でコンタクトを取り直ぐに演奏再開、その後は満面の笑みでドラム叩いて歌っていた。

中盤ではどの曲かは忘れてしまったが、滝さんがミュートするためかスネアの上に何かを置いていざ叩き始めるとその“何か”があっという間に吹っ飛んでしまいスタッフさんが拾いに来ていた。あれは何だったんだろうか…。

新曲の よるのにじ では滝さんが曲中にスライドホイッスルを吹いてまたすぐにハイハット叩いて…を交互にやるというかなり器用なことをしていた。こちらも新曲のOzizo3では滝さんがスレイベルも使っていて、ふたりだけの演奏とは思えないくらい色々な音を操っていたので驚きつつ楽しんだ。そういえばよるのにじ が7曲目だったのはちゃんと狙ってたのかなと勝手に考えながら聴いてしまった。

 

マスドレと対バンすると聴いた時から予想はしていたが、最後のブロックからアンコールまでは取り憑かれメンバーとしてオグさんが登場!MC中にスッと ステージ中央へやってきて演奏に加わった。新曲であるキツネツキのテーマ3も弾きこなしたり、まなつのなみだ ではイントロなどでリードを務めていたり、また確かC.C.Odoshiではワウを効かせながら弾きまくっていたりと演奏の中でもかなりの存在感があった。卓郎さんと滝さんの友達であるオグさんが参加ということで、卓郎さんが言う通りアンコールも普段よりたっぷりやってくれた。

この日は《マスドレのオグさん》だからそのつもりで、と意識してライブ中も純粋に楽しんだけれど卓郎さん&滝さん&オグさんで演奏し始めたらやっぱり「卓郎さん滝さんとチョモのオグさんが一緒に演奏してる…!!」とめちゃくちゃ嬉しくなった。



卓郎さん曰く「MASS OF THE FERMENTING DREGSと9mmは名前が呼びにくいバンドのTOP2だったんですけど…きゃりーぱみゅぱみゅが出てくるまでは」とのことで「いや今日は(9mmではなく)キツネツキでしたね!」とすかさず鉄板のボケも被せていた。

なつこさんがライブでカスタネット投げるのは恒例のようで、卓郎さんがMCでいつも投げてるけど箱買いとかしてるのかな?と疑問を口にすると、なつこさんがフロアでキツネツキのライブを観ていたらしく後ろの方から「大量買いしてる!」と声が飛んできたので卓郎さんが長年の疑問が晴れた、と喜んでいた。

 

卓郎さん滝さんオグさんの同級生エピソードも色々聴けて嬉しかった。卓郎さんと滝さんは同じ授業を受けていた時もあったり、同じゼミに入って同じタイミングで抜けたりもしていたらしい。

皆がオグさんのことを「オグ」と呼ぶ中、卓郎さんだけはオグさんを「なおちゃん」と呼んでいるとか、1年生の夏まではオグさんも卓郎さん滝さんと同じサークルにいたけれどいつのまにか抜けてチョモになっていたとか、その時に3人一緒に演奏したことあったけれどそれが多分ちょうど20年前の今の時期ぐらいだったのではないか、という話も。卓郎さんが「いや7月は試験受けてたか〜」なんて笑っていた。そんな思い出話を受けてオグさんが「また一緒に(演奏を)やると思ってたよ」と返していたのを聴いて胸が熱くなった。しかもそれが3人にとっては昔からお馴染みのFADのステージで!

卓郎さんは今日は友達がいるから頼もしいとも言っていた 自分はチョモと9mmを別々のタイミングで好きになって対バンを観る機会も逃してきたので、3人が一緒に演奏したり大学時代の話をしているところをやっと観られて良かった。とても幸せで夢のような時間だった。