最後の駅の向こう

何でもすぐ忘れる人の特に記憶に残しておきたいライブの簡易レポートと趣味のレビューの予定。あくまで予定。

20180929/9mm Parabellum Bullet“カオスの百年TOUR 2018”@Zepp Tokyo

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カオスツアー東京2日目、延期になった札幌公演もあるとはいえ、一応ツアーファイナル。楽しかったツアーもここで一区切り。

前日と同じくバックドロップのないステージ。フロア前方真ん中には花道。普段より更に生き生きとした5人の姿を観られるこの花道も一旦見納めである。

 

開演までの会場BGM、この日は女性ボーカルの曲が多い印象。しばらく聴いていると突然流れるおジャ魔女カーニバル(原曲)にざわつく会場。更に何曲か流れると(自分が把握できたのはYMCKぐらいだった)日本昔ばなしのテーマソングや誰かがカバーしたかのような歌声の童謡などのあまりにもカオスな選曲。誰が選曲を担当したのかは容易に想像がつく。

定刻を5分ほど過ぎた頃に暗転、Digital Hardcoreが鳴り響く中、バックドロップが下からゆっくり上がってくる。このワンマンならではの演出もしばらく観られなくなると思うと寂しさが募る。

黒いTシャツの卓郎さん。滝さんはツアー中ずっと同じ衣装、黒のカオスTにキャップを被っている。かみじょうさんはこの日も青タイダイT、和彦さんはお馴染みの黒シャツ。為川さんは黒のタイダイTに、こちらもお馴染みとなりつつある裾の長い黒シャツを羽織っていた。

 

 

Lovecall From The World

インフェルノ

Discommunication

Sleepwalk

カルマの花環

Vampiregirl

Wildpitch

21g

The Silence

光の雨が降る夜に

キャンドルの灯を

ホワイトアウト

Termination

marvelous

Talking Machine

ハートに火をつけて

sector

 

キャリーオン

Punishment

 

 

今回のツアーの日替わり曲枠である1曲目はLovecall From The World、やはり他の公演と同じく「アルバムの1曲目に収録されている曲」だった。そしてこの予想が確信に変わってからLovecall始まりのセトリが観たいと思っていたのが何と叶った!しかしこの曲、49秒しかないので喜びにゆっくり浸る間も無く一瞬で終わってしまう。アウトロでは和彦さんが一瞬シャウトを入れたかと思ったらベースを置いてドラムの前に駆け寄りシンバルを叩きまくる!!かつて和彦さんはライブ中、こんな感じで度々ベースを放棄してシンバルを叩きに行っていた。しかし最近はそれもやらなくなっていたので余計驚かされたし、これがまた観られるとは…!と嬉しかった。

続いてインフェルノ。この曲も94秒しかないため、2曲があっという間に終わってしまうが、真っ赤なステージの上、前を見据えて歌う卓郎さんの一際強い眼差しが強く記憶に残る。

 

3曲目はDiscommunication、定番曲ではあるけれどここで驚いたのは、黄色が強めの黄緑、という色合いの照明がステージを爽やかに染め上げたこと。9mmの照明でこの色は、自分の記憶に残っていないだけかもしれないがかなり珍しい気がする。

2番から最後のサビまでの間ずっと和彦さんが花道に出てベースを弾く、という和彦さんの見せ場曲であるSleepwalk、その花道にて和彦さんが表情はよく分からなかったが一瞬、舌を出してみせた瞬間を目撃できた。そんな僅かな仕草ですらやはり絵になる。アウトロ前にはかみじょうさんがこの日も器用にスティックを回しながらカウント。この日は自分がフロア後方にいたため今更気付いたのが、サビの歌詞はなかなか陰鬱なものだがその部分の照明は歌詞のイメージに反して白系のかなり明るいもので、意外でなかなか面白い組み合わせだと思った。歌詞の中では朝を迎えているのでそちらのイメージに合わせたのだろうか。

 

ここでMC、終演後に配られる秘密のCDについて。卓郎さんが「後でCDがシュパッ!て出てきますから(笑顔で両手をパッ!と広げながら)」受け取って下さい、との無茶振り。

曲が始まるとあっという間にライブは終わってしまうけれど、特濃な時間を過ごそう、というような一言が続く。

そのCDから次の曲、カルマの花環。キャリーオンや21gと、今年の新曲は比較的明るい曲調が続いたのでそれと比べるとよりこの曲の不穏な空気が際立つ。終わりそうで終わらないアウトロの構成が個人的にはとても好きなところだったりする。

 

卓郎さんがサビ前で「東京!!」と煽ると大合唱が巻き起こるVampiregirl、間奏では滝さんが花道へ!時折、滝さんの姿が見えなくなったのできっとしゃがんだり寝転がったりして弾いているのかな、と思いながら観ていた。

他の公演でこの辺りに入っていたインフェルノと入れ替わったかのようにここでWildpitchが入る。これまでは2~3曲目に入っていたがこの日は上記のような流れで、遂にWildpitchがセトリから外れてしまったのかと惜しんでいただけに、ここで和彦さんがマイクに向かった瞬間にもう一回聴けるんだ!!と余計に嬉しかった。卓郎さんと滝さんのツインリード&ツインボーカル、和彦さんのシャウトと思いっきり頭を振り動き回る様、かみじょうさんが器用にスティックを回しながらハットを叩くところ、端にいながらもいい表情で弾きまくり、1サビ前では見事なタッピングを披露する為川さん、その様子を目に焼き付けながら最後にまた聴けたという嬉しさに浸る。

 

ここで21gの曲紹介、2007年に一度レコーディングまでされており、3枚目のアルバムくらいまでは21gのことを気に入っているメンバー(誰なのかは言及されなかった)があれ入れないの?と言っていたらしいがその流れもなかなか収録されないうちになくなってしまったらしい。卓郎さんは当時の音源を聴くのが恥ずかしいらしく2007年バージョンを聴いてもらう間は「あ~~~~~(と言いながら耳を塞ぐ)」ってする、と言い出して、曲を聴いたみんなの反応も「あ~~~~~(と言いながら耳を塞ぐ)」とシャットダウンするような仕草を。卓郎さん、そんなに恥ずかしいんですか?

そんなMCからの21g、個人的に好きなところである間奏からその後歌に続くまでの転調する部分の独特の浮遊感があるところは、放射状の線を描く白い照明が横から順番に付いたり消えたりする、という柔らかな色合いのものでこの日はフロア後方からステージとフロア全体を観ていたため、このふわりとした照明がフロアに広がる美しい様子を視界におさめることができた。この色合いの中を卓郎さんのゆったりとした歌声が広がってゆくのが心地よかった。

 

今までの公演では21gの次は必ずSundomeが入っていた。だから、この日もかみじょうさんがハットを叩き始めるのを待っていた。しかし聴こえてきたクリーンなギターの音、静かなイントロが聴こえた瞬間に次の曲を悟り驚愕、あまりにも予想外で思わず息を飲む。これまでセトリに入って来なかったThe Silenceが遂に演奏される…。嵐の前の静けさのようなイントロから滝さんの爆速カッティング、赤と青、ステージを二分する照明が派手な点滅に変わり轟音が降ってくる。ツアー中、marvelousやsectorでもカオスパートではかなりの音圧だったがそれとは比べ物にならないほど、間違いなく今ツアー中随一の音の壁が迫りくる。そういえばギター3本の5人編成によるThe Silenceを聴くのは9/9の配信を除けばこれが初めてだった。間奏の後、「暗い地下室で~」の部分は深い青に染まりぐっと明るさを落としたステージの中で一筋のスポットライトが卓郎さんを照らし、独白のような雰囲気を出していた。アウトロの最後はかみじょうさんがシンバルを素早くミュート、また他の4人もスパッと音を止め、一瞬の静寂。

 

リクエストについて。新しい光が3票だったことは毎回言及しているが、実は隠れ下位曲があったと。

 「Discommunication……3票」と言うと笑いが巻き起こっていた。今度はリクエスト下位曲からやろうか、とかまたリクエストの機会を作りたい、などと仰っていた。

卓郎さんが話を続ける。「さっき外の様子を見に行ってもらったら、雨が小降りになっていたそうです。その代わりに…」「光の雨が降る“東京”の夜に!!」

何とも粋な一言から始まった、リクエストでぶっちぎりの1位だった光の雨が降る夜に!何度だって言うがギターが3人いる今の編成ならではのトリプルリードのアレンジのイントロはあまりにも美しい。ライブでしか聴けないのが勿体ない、この編成でそのまま音源にして欲しいくらい。曲中にステージの上に目を向けると、白系の強い照明がさながら“光の雨”のように降り注ぐ。間奏後の「命よりも重いものは捨ててくれ」の部分では滝さんが「捨てーてくれー!!」とギターを弾かずに元気に両手を大きく広げていた。滝さんのこの仕草がとても好きだ。また目の前でこの光景が観られるのも嬉しかった。アウトロでは卓郎さんと滝さんはふたりで花道へ。その後ろでは為川さんと和彦さんがかみじょうさんの前までやってきて、向かい合って弾いていた。

 

ステージがあたたかい色の照明に包まれるキャンドルの灯を。滝さんはアルバム音源では歌っていないところまで、多めにコーラスを重ねていた。1サビ後、2番に入る前の短いギターソロは為川さんが弾いていて、滝さんがこの日も為川さんの方に腕を伸ばし注目をそちらに向ける。また最後のサビ前の短いツインリードは卓郎さんと為川さんが弾き、その間に滝さんがアドリブのようなリフを入れていた。

暖色のフロアが一気に真っ白に染まるホワイトアウト。天井にある大きなミラーボールが光を反射して壁に雪景色を描く。ステージ全体を観ていて気付いたが曲調はとてもエレガントなのにそれに反して演奏はかなり熱量であること。イントロやアウトロを弾く滝さんの、文字通り“顔で弾いている”というような表情。最後のサビではかみじょうさんが大きく腕を振り上げながら叩いていたり、卓郎さんも一瞬語尾に力をいれて歌うような部分があったり。

 

9mmが来年15周年を迎えること、まだ言えることは少ないが「来年、アルバムを出します。」と卓郎さんが告げると歓喜の声が上がる。それもまだ時期などは決まっていないらしいが曲は作り始めているそう。そして卓郎さんはこんなことを言ってくれたんだ。

「来年も安心して付いてきてください。」

 

そんな頼もしい一言からのTerminationだったため、卓郎さんと滝さんが一緒に歌う「最後の駅の向こう 何から始めよう」の一節が確かな希望の言葉に聴こえてきて感極まってしまった。それにやはり、本物の観覧車の隣にあるこの地でTerminationが聴けることも嬉しいし、サビの大合唱の後、卓郎さんがこの日も「最高!!」と言ってくれたこともとても嬉しかった。

間奏、滝さんがまた花道に出てくると思いきや卓郎さんが 「ギター為川裕也!!」と叫び、上手から花道めがけて為川さんが飛び出してきた!花道で生き生きと見事なソロを弾きまくる為川さん。卓郎さんと滝さんはステージで、笑顔で為川さんを見ていた。大阪でもTerminationの間奏は為川さんが花道に出てきていたが、それは何らかの事情があって急遽そうなったという感じだったけれど、この日は特にトラブルのようなものはなかったように見える。恐らくサポートとしてほとんど上手から動かずに演奏していた為川さんの見せ場として、ここを任せたのではないか。

 

marvelous、そういえばツアー中ずっとそうだった気がするが、「そのまま身を任せて」の部分「そのま“ま”」の“ま”の部分は少し音を上げて歌っていた。卓郎さんが「大きくなった」歌うと滝さんが「だけの子供!!」と叫ぶ、ライブならではの掛け合いも入る。アウトロでは激暴れするフロント4人と、反対に冷静なドラムというこのバンドならではの構図。和彦さんは派手に回り為川さんもステージ前ギリギリまで出てきて動きまくり、滝さんも卓郎さんや為川さんにぶつかりそうな勢いでネックをぶん回し暴れまくるという、本物のカオス。

そこから間髪入れずにTalking Machineへ。marvelous→トーキン、という流れが復活したのもこのツアーでとても嬉しかったこと。卓郎さんがマラカスを振ると滝さんはそのリズムに合わせて軽くカッティングをしていた。天井のミラーボールが高速で回り、狂騒のフロアを更に盛り上げる。1サビ後には和彦さんがベースでギターと同じリフを重ねて弾いていたが、そういえばこのアレンジはこのツアーから始まったような気がする。定番曲でも新しいアレンジが聴けて楽しい。「何べんやっても」の部分は滝さんと和彦さん、だけでなく為川さんも加わり3人で息の合ったジャンプ!!

 

ハートに火をつけて、間奏では卓郎さん・和彦さん・為川さんの3人は下手に向かって横に一歩スライド、一方滝さんは台の上でジャンプ。そういえば横スライドは昨年、滝さんがお休み中に始まったものでそれまではフロント3人が同時にジャンプしていたな、などと考えながら観ていた。最後のサビの終盤、「愛し合わないか~」の部分では滝さんが花道に出てきて大声で歌っているように見えるほどはっきり口を開けて歌詞を口ずさみ、ぐいぐいと花道を進みながら思いっきり両手を広げたり客の方を指さしたりネックを向けたりとかなり動いていた。

そして本編最後の曲、滝さんがギターを持ち替え、フロント4人が同時にネックを高く掲げる、sector!滝さんはここでも卓郎さんに負けないくらいの声量で熱唱していた。改めて今の9mmの演奏での圧倒的なsectorが聴けることへの嬉しさが爆発して、ひたすら曲に合わせて拳を振り上げた。

 

演奏が終わると滝さん、為川さんはやはりすぐに退場していた。卓郎さんと和彦さんは長めにフロアに挨拶をし、退場する。

 

 

アンコールにて再び出てくる5人。卓郎さんが初めて黒のタイダイTに着替えて出てきた。卓郎さんがこのTシャツを着て出てくるのは少し意外な気がした。他の4人はそのままの衣装だったのでこれでステージ上の5人のうち卓郎さん・為川さん・かみじょうさんの3人が揃ってタイダイTを着ていたことになる。

 

キャリーオン、卓郎さんが「声を聞かせてくれ東京!!」と叫べばフロアからは大歓声。これ言ってもらえるの、地元の人間として本当に嬉しかった!最後のサビ前、卓郎さんがひとりで弾くところでは滝さんが卓郎さんに注目を集めるかのようにそちらを指してみせる。

Punishment、イントロでは滝さんと為川さんが前日と同じように至近距離で横に並んで弾いていて、僅かにネックを上げるタイミングも角度も完全にシンクロしていた。もうすっかり息ぴったりな様子。間奏では花道に卓郎さん・滝さん・和彦さん・為川さんが一斉に出てくる。ファイナルにしてようやく気付いたがこの時、ステージに残るかみじょうさんの真正面にある花道に4人が並ぶため、これが5人がほぼ縦一列に並ぶ唯一のタイミングなんだなと。ほぼ一列に並ぶフロント4人をステージから真っ直ぐに見守るかみじょうさん…なんて良い構図なんだろうか。アウトロの終盤では自分のいたところからは流れがよく見えなかったがいつの間にか和彦さんがベースを置いていたので、テンションが上がって演奏放棄したのかと思ったら後から聞いた話によると途中でストラップが取れてベースが下手最前にいた客の上まで吹っ飛んだらしい。アンコール終了間際だったのがせめてもの救いだったと思ったし、ストラップが壊れる程の気合のこもった演奏だったということか…。

 

アンコールも終わり、滝さんが真っ先に退場するがこの日はステージの下手前方を通り、フロアに向かっていつもより少し長く手を振ってくれていた気がした。為川さんもそれに続き、深くお辞儀をして退場。卓郎さんと和彦さんはステージからピックやペットボトルを投げ、最後に花道に出てきてお手振り。かみじょうさんも花道でスティックをフロアに投げ入れ、卓郎さん達よりは早く退場してしまうが去り際、表情を和らげフロアに向かってひらりと手を振っていたように見えた。卓郎さんが花道の先端で深々とお辞儀、最後まで笑顔をこちらに向け、ステージを去る。

客電が点きライブの終了を告げたが、アンコールの手拍子は鳴り止まなかった。最高、まだ終わらないで、この拍手を止めたら終わってしまう。そんな手拍子が終演のアナウンスが流れるまで、ずっと止まらなかった。終演のアナウンスが流れてくると、アンコールの手拍子が大きな拍手に変わった。最後の最後まで素晴らしい空間だった。

 

 

またどこで入ってきたか忘れてしまったMCの話。この日のMCで初めて、今回のツアーの開演までのBGMがメンバーセレクトであったことが卓郎さんから公表された。仙台は「東北楽天イーグルスの中村和彦さん」、大阪は卓郎さん。名古屋は「中日ドラゴンズのカズ中村さん」、東京初日は為川さん、東京2日目は「ちひろかみじょう」と。かみじょうさんの選曲について「いきなり“Lesson 1”みたいなの流れてくるし…」と、まさにカオスだねとコメント。「本当は大阪がCK…ちひろかみじょうだったんですけど…忘れてきまして」と卓郎さんが暴露するとすかさずかみじょうさんが全力のてへぺろ顔を作っていた。

 

 

一旦ファイナルを迎えた後で振り返ると、カオスの百年TOUR、9mmの新しい在り方を提示して廻ったツアーなのかな、と思った。

まずはやはり滝さんが全公演フル出演を果たしたこと。札幌が延期になった為2週間のうち5日間のライブ開催。2日連続の日程も2回あった。そんなスケジュールで更に演奏時間はアンコール含め各90分程だったけれど、毎回19曲も演奏している。まだ完全復活、ではないかもしれないけれど軽量のギターという新しい相棒を手に入れ、信頼できるサポートに任せるところは任せて無理をせずにステージに立ちながらもここぞという時にはギターを弾きまくりかつてのように暴れ倒す。MC中には指をほぐすような仕草もされていたが、卓郎さんの言葉にギターで相槌を打ったりもしていた。滝さんがずっとステージにいるワンマンツアーをこんなに早く観られることができたなんて。このスタイルこそ、以前LINE LIVEで滝さん自らが仰っていた「凶悪な程の安全第一」ということか。

 

また、今回のツアーの功労者、サポートギターの為川さん。滝さんの隣でサポートとして堅実に弾きつつも曲のいいところではステージ前方まで出てきてフロアを盛り上げ、更にトラブルの疑いがあった時には為川さんのお陰で見事切り抜けた。この素晴らしいセトリが実現できたのも為川さんの化け物のような演奏技術あってのこと。もちろん9mmメンバーが信頼を置くその人柄も。為川さんにはどれだけ感謝しても足りない。そう思っていた人がどれだけ多かったかは、ライブ中に為川さんを呼ぶたくさんの声がフロアから飛んできたことから窺える。

(今回のツアーには参加しなかった武田さんも、29日には早い時間から物販横で9mmモバイルの宣伝をされていて、ステージに上がらない所でのサポートとして活躍されていた。ライブ中、ふと上を見ると2階席の通路で武田さんが客と全く同じように拳を上げて楽しそうにライブを観ていた。)

 

 

 卓郎さんが、またみんなが集まれる場所を作るから、その時にはまた力を貸してくれ、と言ってくれた。先に書いたが「安心して付いてきて」とも言ってくれた。何もできないただのファンだけれど、卓郎さん達のためならいくらでも力をお貸ししたいといつも思っている。でも実際、力を貸すどころか曲を聴いてライブを観て、力をもらって帰ってきているのはいつだって私達の方だった。来年もきっとこれは変わらないんだろうな。

 

そしてこのツアーで何が一番嬉しかったか。それはリクエストを募ってくれたこと。つまり9mmチームに「この曲が聴きたい!という願いを思いっきりぶつけることができた」ことが何よりも嬉しかった。一時は活動休止まで考えたという窮地を乗り越えた今、9mmとして活動を続けてくれるだけでこんなに嬉しいことは無い。でも心の片隅で、かつてのような毎回セトリが変わるライブやここ数年演奏されていないようなレア曲を聴きたい、という願いは捨てられず、しかし現状を考えるとそれを願うのはまだ早いだろう、そんな我儘を言ってはいけないと思っていたから。それが今回、「この曲が聴きたい!」という願いを思いっきりぶつけることを許されたし、ツアーにてそのリクエストに出来る範囲で全力で応えてくれた。卓郎さんはリクエスト結果について「信頼できる」とまで言ってくれた。私達はなんて幸せなファンなんだろう。

 

 

ところで今回、カオスの百年TOURには各会場で特典としてCDが配布されたが、東京2日目に配布されたCDの4曲目=CD全6枚の最後の曲がScenesだったのは、敢えて狙ってここに収録したのだろうか。勝手ながらそうなんだろうな、と思っている。この曲を締めくくる一節を、来たるべき15周年に向けて、そして図らずも来年の記念すべき日に先延ばしになったカオスの百年TOUR初日・札幌公演に向けて。

「また会おう かならず」