去年、残念ながら前半戦が中止となってしまったツアー「太陽が欲しいだけ」のリベンジ公演として、中止になった6会場に加えツアーファイナルとしてZepp Tokyoを追加した計7公演にわたる、9mmの今年2本目となるワンマンツアーの長野公演です。
去年も長野公演のチケットを取っていたこともあり、とはいえ去年、代わりに開催されたアコースティックライブも観に行きましたが、今回の長野公演にも参加しました。
(その際の様子がこちらです。http://sleetfog.hatenablog.com/entry/2016/07/12/230406 )
かみじょうさんの出身県という事もあり、貴重な地元ネタを含めMCで喋りまくっていた去年と同様今年も地元トークが聴けるのか?という期待もありました。
セトリはBABELとWaltz on Life Line(以下WOLL)の曲を混ぜるのか?二部構成でやるのか?2枚のアルバム合わせて25曲もあるので、定番曲とどの程度の割合で混ぜるのだろうか、とセトリ自体も全く予想できない状況。
個人的には久々に小箱で観る9mmワンマン。最初フロアの真ん中あたりにいたら見事にステージの様子が何も見えず、序盤で後方まで移動したのですがその方がお立ち台に乗ったメンバーくらいは見える、ということでずっと後方にいました。なのでメンバーの様子はほとんど書けません。
今回のツアーでは、開演までの間、各会場でメンバーセレクトのBGMが流されると事前に聴いていたため、楽しみにしていましたが場所柄かみじょうさんだろうなと思いながら聴いていると、大体聴いても分からなかったのですが途中でKalafinaの曲(まどマギの主題歌)やヒゲダンスのテーマソング(事前に公式がかみじょう選曲の中に入っていることをネタバレしていた)が流れ、やはり予想通りだったことが判明。ヒゲダンスのテーマソングが流れた瞬間の、フロアの何とも言えないざわついた空気が面白かった。
ガラスの街のアリス
湖
モーニングベル
Black Market Blues
ロンリーボーイ
Kaleidoscope
眠り姫
バベルのこどもたち
それから
スタンドバイミー
キャンドルの灯を
Discommunication
火祭り
Cold Edge
太陽が欲しいだけ
Punishment
メンバーが登場すると、流れたのは生命のワルツの音源のイントロ。いつものライブアレンジのイントロではなく、野音と同じく、音源に演奏を被せるスタイル。
サクリファイスやガラスの街のアリスといった定番曲で盛り上げ、次はなかなかのレア曲、湖。途中でBMBを挟むものの、ここからKaleidoscopeまでWOLL曲が続く。
間奏のタッピングも完璧だったモーニングベルは元気な曲調でやっぱり理屈抜きに楽しい気分になる(歌詞はそんなこと無いけれど)WOLLの中でも特に好きな曲だけれど、ほとんどセトリ入りしてこなかっただけに嬉しい!
ここで早くもBMBが投入されるとパンパンだったフロア後方にスペースができるくらい、前に人が殺到する程の盛り上がり。
続いてはロンリーボーイ、これも嬉しい選曲…でしたがここまでかみじょうさんの曲が無く、むしろ和彦祭?という印象。
この曲もソロはかなりの難所だと思うけれど難なく弾きこなす為川さん、流石です。
ここで遂にかみじょうさんの曲が!Kaleidoscopeは久し振り(もしかしたら昨年のツアー以来?)でしたが5拍子の流麗なリズムとメロディーは毎度聴き惚れてしまうところ。間奏のツインリードも卓郎さんと為川さん、息ぴったり。
ここまではほぼWOLLからの選曲でしたがここから、眠り姫〜それから までは、(Everyone is fighting on this stage of lonelyは抜けていたものの)まるでTOUR OF BABELからごっそり持ってきたような流れ。
バベルのこどもたち では赤を基調に、次のホワイトアウトでは白を基調にした照明で、それぞれTOUR OF BABELでの演出を思い起こさせる。
あの時よりメンバーひとり少ない(ギター1本少ない)とはいえ、特に間奏ではかなりの音圧を誇るバベル、後方で見ていたにも関わらずやはり小箱ということで迫力が段違いで、すっかり聴き慣れた曲なのにその迫力に圧倒され立ち竦む。
それから もやはり同じく、あの重苦しい曲調を小箱で、となるとここまで迫力があるのか…といったところ。
スタンドバイミーに入る前のMCでは、卓郎さんが去年のツアーでも仰っていた、デモテープを聴いて浮かんだ景色を歌詞にした、というような話を。
うろ覚えなので表現はちょっと違うかもしれませんが要約すると、卓郎さんと同郷のお客さんは(同じ景色を知っているため)曲を聴いた時に卓郎さんが思い浮かんだ景色を共有できるね、と。
ここでだったか、Kaleidoscopeの後だったか失念しましたが(Kaleidoscopeについて、長野の大自然を歌った曲です というMCがあったため)
長野の人には長野の景色が思い浮かぶだろうし、なんて話もあり。
そんな話をしつつ、この曲については聴いた人みんなが卓郎さんが思い浮かべたのと同じ景色が見えると思う、と。
今回のツアー、各地のファンに卓郎さんが一番届けたかったのはこの“同じ景色”だったのだろうなと、今ツアーを振り返りながら改めて思っています。
こんなMCがあった後のスタンドバイミー、当然感極まる事を抑えきれませんでした。
続くキャンドルの灯を ではステージの様子は見えないものの、アウトロで和彦さんがアップライトを一回転させた、その時のヘッドの様子だけは見えて、ああいつものやってるな、と。スタンドバイミーと続いて演奏されることで曲のあたたかさが際立つ。
そして、この日最大のハイライトは間違いなくこの曲でしょう、かみじょうさん曲である火祭り かなりテンション高い曲ですし、浮き浮きとした気持ちで聴いていると最初のサビで卓郎さんが
「激しい火に煽られるー
ちひろーかみじょうー!!!」
と歌い出すものだからびっくり、つい爆笑!!
元の歌詞が“ぼくのかんじょう”だから“ちひろかみじょう”と語感がぴったり!!発音だけだとあまりにも自然で、空耳かと思ってしまったほど。
また間奏のライター奏法は為川さんがやるものだと思っていると卓郎さんがライターを取り出す!音源のようなトリッキーなエフェクトではなく激歪みサウンドでのライター奏法。
それが終わると舌をペロッと出し、フロアにライターを投げ入れる。この一連の流れもかっこよくて、後から思い出してもこの日の見所はこの曲だったなと。
(後に配信された“BABEL on LINE LIVE”にて、「ちひろかみじょう」のくだりが卓郎さんがライブ前日に考えたいたずらであったこと、「ちひろかみじょう」を強調するように歌っていたこと、ライブ映像も公開され、ライブ中ほとんど表情を変えないかみじょうさんがこの時明らかに笑っていたことを知る。あまりにも微笑ましいいたずらでした…)
火祭りから次のCold Edgeへの繋ぎ方、いつもハートに火をつけて→Cold Edgeでやってる、ドラムを2小節挟んで次の曲へ繋げる方式で、これがまた良くて。ノンストップで次に繋がる流れに余計テンションが上がる。
本編ラスト、去年この場所で、アコースティックで演奏された太陽が欲しいだけ では去年のことも思い出しながら、同じ場所で今度はバンド演奏で聴ける喜びを噛み締めながら、聴いていました。
アンコール1曲目は本編に入っていなくて諦めかけていたMad Pierrot これでようやく3曲目のかみじょう曲が!
ここまでの照明と違い赤、青、紫などと目まぐるしく変わる派手な色合いがサーカス感出ていました。この曲も久々で、だけどサビの「待っている」とか「呼んでいる」の部分でのフロア大合唱はほぼ完璧。
ラストは今年はすっかりよく聴くようになったPunishment 何度聴いてもライブの締めにこの曲が聴ける嬉しさは変わらない。
以下MC覚えてるだけ どのタイミングで出てきたか忘れてしまったので順不同です。
湖の後、最初のMCで
「今最後にやったのは湖という曲ですが、諏訪湖のことを歌った曲です」といきなりご当地ネタを。
(この時にレペゼンがどうとかって話があったと思うのですが終演直後に速攻忘れてしまい、どんな話だったか分からなくなってしまった。思い出したら追記します)
どこかのMCで今回のサポートギタリスト、為川さんを紹介する時に
「スーパーギタリストの紹介…をする前に、
おやきって、カレー入れればいいよね。ナンみたいじゃん。
…という事を思ったので忘れないうちに言っておきます笑」
といきなり思いついた話をぶっ込む。その時のフロアから漏れた、本当に納得してしまった時のような声まで含めて何だか可笑しかった。
そこからまた為川さんの話に戻り、いつもの2人の顔が似ている、というくだりで
先日卓郎さんが為川さんの叔父さんと会ったらしいが、叔父さんよりも卓郎さんの方が似ていたらしく、為川さんは兵庫で卓郎さんは山形だけどどこかに同じルーツがあるんじゃないか、十代ぐらい遡ったらどこかで生き別れた…とか。
ひたすらに喋ってて、誰も止めてくれない…みたいなこと仰ってた気もしますが。
ワンマンという長尺ならでは?の大暴走っぷりを見せてくれました。
アンコールで卓郎さんが出てくると、徐に「信濃の国」を歌い出し、すかさず客が大合唱、という去年も見た流れ。
その後、卓郎さんが「毎回歌わせてごめんね!」「国を讃える歌が…4番ぐらいまであるんだよね?」とフロアに話しかけると、「6番!!」と返事があり、それを聞いて「6ばn…!!?」とリアルに驚いてしまう卓郎さん。
フロアからかみじょうさんに「歌って!」とリクエストが飛ぶとすかさず卓郎さんがフォロー
「歌に伴奏でドラム叩いてくれるだけでもすごいよ?」「ね、ちーちゃん?」
と、かみじょうさんに話しかけると
かみじょうさんが「なー?」とひと言。
この日、かみじょうさんが発した言葉は結局これだけ。もう少し喋ってくださるかと期待してましたが。
「信濃の国」のくだりがひと通り終わるとすっかり満足したのか、曲をやらずにご機嫌で帰ろうとする卓郎さん。アンコールまでやりたい放題で楽しそうで何よりでした。笑
去年も思ったが、ほとんどの人が長野県歌を歌えるってすごいな…ちゃんと信濃の国、予習しておけばよかった。次回があれば必ず。
前半はWOLL、後半はBABELの曲を中心に定番曲も入れつつ…という、何となく二部構成のようなセトリでした。
折角長野での公演だから、唯一かみじょうさんのコーラスが入る曲であるEveryone〜が入ったらもっとかみじょう祭みたいになって良かったのでは、とつい思ってしまったけれど、Kaleidoscope、火祭り、Mad Pierrotがいっぺんに聴けて期待通りでとても嬉しかった。
そして、もちろん既に分かってはいたけれど、改めて為川さんのポテンシャルの高さをまざまざと見せつけられた、そんなセトリでもありました。
サポートして下さってから半年足らずで、ワンマン丸ごと、しかもこの難解な曲も多いセトリを弾ききるという。本当にとんでもない人だとライブ中何度も思わされた。
この日卓郎さんは去年の長野アコースティックライブで、わずか6曲で70分もライブをやったという話をしながら、集まった客に去年も来てくれた人ー?と尋ね(結構いたように思う)、10年後に長野であんなことがあったと言えるように、これからも9mmを続けていくと、一緒に行こう、とフロアに向かって話しかけた。
また、BABELについて、アルバムを聴いた時にみんなを不安にさせちゃいけない、と気合を入れて作った結果、凄い作品ができたんだと仰っていた。
あの状況で、9mmがどんな気持ちであの凄まじいアルバムを作ったのか。そしてこれからも立ち止まらずに9mmを続けていくという気持ちしかないこと。これも、今回のツアーで9mmが各地のファンに直接伝えたかったことなのでしょう。